技術人類学

ジャパンジュエリーフェア2011

昨日は、仕事を早めに切りあげて、知財の種を探しにジュエリーフェアを見学。場所は去年と同じ有明の東京ビッグサイト。 昨年に比べて人が少ないような印象。台風の影響か、それとも震災による経済力低下と宝飾業界低迷の影響か。古代エトルリアで完成したと…

あかりの起源(東海林弘靖)

NHKのBSプレミアムを見た。照明デザイナーの東海林弘靖氏が「ホタルの樹」を求めてパプアニューギニアに旅をするドキュメンタリー。 東海林弘靖(53歳)さんんは、これまでに500以上の様々な建築物や街並みの照明デザインを手がけ、国内外で高い評…

ソウル・国立民族博物館→羽田

午後3時半の便で帰国。午前中、チェックアウトまでの時間に景福宮内にある国立民族博物館を大急ぎで見学。今回で2回目でしたが展示内容がすっかり変わっており充実していた。15世紀のグーテンベルグよりも70年も前(高麗時代)に金属活字印刷技術を実…

スミソニアン博物館

空き時間に寸暇を惜しんでスミソニアンを大急ぎで見学する。入り口を入ったすぐのスペースにアポロ11号の現物(地球に戻ってきた操縦室の部分)が展示されていた。隣のスペースには月に降り立つときのアームストロングたちのジオラマの展示も。 アポロ11…

小林学「19世紀の熱機関―蒸気機関を中心に」

科学史学校を聴きにいく。 - 第24期第2回6月25日(土)科学史学校 小林学「19世紀の熱機関―蒸気機関を中心に」 ジェームズ・ワットの特許による蒸気機関の独占が終わった19世紀は、蒸気機関の歴史にとって新たな展開が始まったときであった。ポンプや工場用か…

ロシアの超絶ミニアチュール

ちょっと息抜き。朝のNHKで拾ったDO画で紹介されていたロシア人のミニアチュール水槽。人工地震説よりもこちらの方がおもしろい。豆本などのミニアチュール作品を得意とし「世界最小の印刷された本」などでギネスにも登録されているロシアの工芸作家Ana…

科学史学会(つづき)

昨日につづいて今日も激しい雨の中を駒場まで。以下、今日の収穫メモ。 ●植民地期、朝鮮人科学者の動向と活動について(任正嚇) 日本の統治時代にすぐれた朝鮮人科学者が多数いたのですね。任先生が書かれた本を読んでみたい。 ●熱核融合開発の推進と官産学…

科学史学会(於:東大駒場キャンパス)

今日は朝から日本科学史学会。 雨の中、井の頭線の駒場東大前まで。駅を降りると東大駒場キャンパス。今日の目玉は、小柴昌俊先生(85歳)の講演と伊東俊太郎先生(81歳)のシンポジウム。お二人ともお年を感じさせない不思議なエネルギーを感じた。80代…

正阿弥勝義の超絶彫金工芸

正阿弥勝義(しょうあみ・かつよし)。岡山(津山)が生んだ天才彫金作家。昨夜のNHKのBSプレミアム↓を見て感動。極上美の饗宴 「シリーズ“いのち映す超絶工芸”金属に刻んだ躍動の一瞬・彫金家・正阿弥勝義」 日本のアールヌーボーというよりも、むしろ…

ひな祭りの神秘

あかりをつけましょ ぼんぼりに お花をあげましょ 桃の花 五人ばやしの 笛太鼓 今日はたのしい ひなまつり桃の節句・ひな祭りのたびに、娘のいる家庭が羨ましくなる。うちはむくつけき男3人ばかり。しかし、最近我が家にも娘ができてからは状況が変わった。…

本能寺の変の真相

お昼をいただきながらNHKの大河ドラマ「江(姫たちの戦国)」を見ていたら、ちょうど本能寺の変だった。明智光秀が裏切って信長を攻めて自害する場面。これを見ていて副島隆彦氏の日本史のレクチャーを思い出した。光秀はスケープゴートとして信長暗殺の…

相撲文化と八百長

たまたまペニシリンの発明について調べていたら、とてもおもしろい慧眼というべきブログに出会った。(かってに紹介させていただきます。)「日々是好日」というブログです。 http://blog.goo.ne.jp/lazybones9/e/2bc3bfa0d4439429b9bffc0808eb78fc (かなら…

百田尚樹「ボックス!」

お正月に読んだ「永遠の零」に心底感動し、百田尚樹さんの本を何冊か買った。まず、この「ボックス!」(太田出版の文庫)を読む。評判どおり、この本かて、ごっつうおもろいやんけ!(←大阪弁のつもり)。大阪のある高校のボクシング部の話。青春スポーツ物…

バイリンガルは二重人格(苫米地英人)

苫米地英人氏の新刊が出ていたので読んでみる。彼の本は出るとすぐ条件反射のように買ってしまう。この本は新書版ですぐに読めそうですが、おなじみの「抽象度」や「エフィカシー」といった彼特有のキー概念が普通に出てくるので下地がないと結構むずかしい…

シュメールの技術文明

唐突ですが、車輪の起源について調べていたら、やはりこれもシュメール人によって発明されたらしい。 車輪とロクロ。ロクロは陶器製造技術に革命的な技術革新をもたらしたけれど、車輪はもっとすごい。車輪のような人工物がどのようにして発明されたのか、と…

ジュエリーフェア

9月1日から3日間、東京有明ビッグサイトにてジャパンジュエリーフェア。カミさんと見学。今日は都内のホテルで泊まる。三男も中学校の授業のあとホテルで落ち合う。 昨日は宝飾史研究家の山口遼氏のレクチャーを聴く。日本の宝飾業界は最近不況らしい。山…

ジュエリー作家Wallace Chan

今日も1日猛暑。仕事帰りにジュンク堂で本を物色。苫米地英人さんの新刊2冊とジュエリー関係の本。最近、人類史における宝飾(ジュエリー)の起源と変遷を調べている。技術人類学的なアプローチが必要。宝飾の起源こそが、現生人類の象徴化能力の起源であ…

組紐技術と炭素繊維

組紐の技術が気になる。 先日のNHKクローズアップ現代の「匠の技にチャンスあり」がおもしろかった。伝統工芸の技術を最先端技術に取り入れた事例の紹介。なかでも「組紐」の伝統技術を炭素繊維に応用した技術がおもしろい。京都工芸繊維大学の濱田泰以(…

言葉はなぜ生まれたのか(岡ノ谷一夫)

最近買った本の中では、この本が一番気になる良い本だ。いい本に出会った。誰が言ったか忘れてしまったが、言葉や言語は人類が生み出した技術のうちで最大/最高の技術(テクノロジー)である、と言った哲学者がいた。たしかにそうだと思う。人類が言葉を生…

科学史学会(その2)

海洋大学は都内の大学で最もキャンパスが広いらしい。構内に入ると鯨の骨格標本が目に入る。 今日の目玉は、「18世紀科学史に見る理論と実践の相互作用」というシンポジウム。 18世紀を捉え直す作業。理論と実践(実験)のせめぎ合う場から何が生まれて…

科学史学会

今日と明日は東京海洋大学にて科学史学会。粟野宏さん(山形大学)の「複製技術における相補性概念の技術史的意義」を楽しみにしていたが、なぜかこのレクチャーはキャンセル。残念。東アジアの活版印刷技術はグーテンベルグよりも400年もはやく発明され…

宇田川榕庵

朝の駅までの道の途中に山桜を見つける。うつくしい。本居宣長がこよなく愛した山桜。 今日は科学史学会のレクチャーを聴きに田町のキャンパス・イノベーションセンターまで。今日のテーマは道家達将氏の「宇田川榕庵」。道家達将先生は82歳ですが、情熱的…

中村哲×大澤真幸

大澤真幸THINKING「O」創刊号 この雑誌を書店で手に取り、アフガニスタンで医師として活躍している中村哲氏と社会学者である大澤真幸氏との対談をパラパラ読んで、「日本人医師がアフガニスタンで用水路を作る」という内容に思わず引き込まれる。大変おもし…

朝鮮美術

ジュンク堂で「民芸」の最新号を見つける。柳宗悦の朝鮮美術に関する貴重な資料。 高麗美術館(京都)において6月12日から8月15日まで「浅川伯教・巧が愛した朝鮮美術」という特別企画展があるようだ。是非見に行きたい。http://www.koryomuseum.or.jp/

江戸の上水道システムと杉本苑子「玉川兄弟」

古代ローマの水道について調べていたところ、江戸の上水道システムが気になった。ローマの文明を支えたがローマ水道であったように、江戸の文明を支えたのが1653年頃に完成した玉川上水だ。玉川上水については江戸幕府の公式記録が残っていないらしく、…

三原歴史民族資料館

三原駅から新幹線に乗る前に三原市歴史民族資料館に立ち寄った。帝人の工場の近傍。帝人通りを歩いてすぐの港の近くにあるこぢんまりとした博物館。 江戸時代の龍吐水という消防ポンプがあった。名前がいいではないか。木製でなかなか精巧に作られている。 …

古代製紙技術(小林良生)

日本科学史学会主催の科学史学校をききに秋葉原の明治大学サテライトキャンパスまで。 今日は、小林良生(よしのり)氏の製紙技術史の話。テーマは、新しい視座に基づく製紙技術史(「延喜式」「図書寮」から見た古代製紙技術)。製紙工程が記載された最も古…

富山和子

仕事帰りにジュンク堂のトークセッションに行く。今日は富山和子さん。富田和子さんは1933年群馬県生まれ。立正大学名誉教授。日本のレイチェル・カーソンと呼ばれている。水問題を森林林業の問題にまで深め、「水田はダムである」の理論が有名。水と緑…

道具学会フォーラム

昨日今日と二日間、道具学会の研究発表フォーラムを覗きに新宿の宝塚造形芸術大学まで。硬軟取り混ぜた様々な研究に刺激を受ける。今回のテーマは「道具学の構築に向けて」。 特に、真島俊一氏の基調講演はおもしろかった。「全国を巡って:道具を見る3つの…

残り90%の人々ための技術

本との遭遇によって人生観が変わるときがある。たまにそのような本に出会うことがある。その出合いを求めて今日も本屋さんに行く。この本も偶然見つけて読みはじめ、じわじわと僕の人生観を変えつつある。少し大袈裟。地球上の90%の人々は、いわゆる先進…