科学史学会(於:東大駒場キャンパス)

今日は朝から日本科学史学会。

雨の中、井の頭線駒場東大前まで。駅を降りると東大駒場キャンパス。

今日の目玉は、小柴昌俊先生(85歳)の講演と伊東俊太郎先生(81歳)のシンポジウム。お二人ともお年を感じさせない不思議なエネルギーを感じた。80代パワー。

小柴昌俊氏はニュートリノの観測に史上初成功したことで2002年にノーベル物理学賞。小柴先生のニュートリノの観測成功はセレンディピティだったらしい。もともと陽子の崩壊を観測しようとしてニュートリノの観測に成功した。これがセレンディピティ伊東俊太郎先生は小柴先生の研究を「待つ科学」とコメントされた。壊す科学(たとえば巨大加速器を使って素粒子を壊す)に対して、ニュートリノが飛んでくるのをじっと待つ。こちらの方が美しい、と伊東先生が評していたのが印象的。

伊東俊太郎先生は、いまマヤ文明の科学について研究し始めている。マヤ語はとてもむずかしいらしい。さらにフランスの夭折した天才数学者・ガロアの研究にも興奮しているらしい。こういう話を聞くとこちらも興奮するなあ。

今日の収穫。

●菊池俊彦:日本科学技術の史的研究
●秋元宏行:科学技術史授業における学生の歴史的事項の認識について
●北林雅洋:戸坂潤の「実験」概念の転換
小柴昌俊:特別講義「地下実験カミオカンデ
伊東俊太郎・三浦伸夫「科学史研究を回顧する」