森林浴の効果

休日の早朝は森林ウォーキング。
我が家は海抜200メートルの丘陵地帯にあり、手軽に森林ウォーキングを楽しむことができます。

往復45分くらいかけて無心に歩きます。頭を空っぽにして歩くのがポイント。

最初は、健康志向バリバリのカミさんに連れられて義務的に歩いてましたが、最近は森林浴のありがたさを感じている。


現在94歳の英文学者・外山滋比古さんも早朝ウォーキングを毎日実践されています。これが健康のすべての源泉であるとまで断言されている。


梅雨の晴れ間の森林浴は、熱くもなく寒くもなく、とても快適。


特に早朝の森林は、樹木から発散される「フィトンチッド」という成分が豊富。


岐阜県森林科学研究所の森孝博氏によると、フィトンチッドには様々な生理活性効果があるとのこと。

☆森林浴のすすめ
 森林浴がすがすがしく感じるのは、フィトンチッド(Phytoncide)の効果によるものであると言われています。
 フィトンチッドとはもともとロシア語からきており、フィトンとは「植物」、チッドとは「他の生物を殺す能力を有する」を意味しており、「植物からでる揮発成分は殺菌作用がある」と言うような意味になります。
 フィトンチッドとは植物から発散されるテルペン類等の揮発性物質であり、植物はその生命を維持するため、また自らの成長を促すために、フィトンチッドを幹や葉から大気中に放出しています(森林気相現象)。
 この揮発している状態のテルペン類等を浴びることを森林浴(Ablution with phytoncides)といい、最近ではずいぶんと私たちの中に定着してきています。
 今日、地球上の全植物から放出されるフィトンチッドの量はおよそ一億五千万トンにおよび、それは全世界の工場排煙や自動車排気ガスなどの6倍にも達すると言われています。

 この森林気相現象による森林生態系への自浄作用は、テルペン類が部分酸化する際に現れるマイナスイオン物質の作用であり次のような効果があります。
○害虫忌避
○有害菌の不活性化
○消臭効果
○精神安定効果(リラクゼイション)等

 人類にとってまさに大自然の恵みでもあり、宝と言っても過言ではありません。

 さらに、森林浴はこれらの効果により、次のような優れた医療・美容効果が認められています。
○大脳皮質を活性化し調整力を高める
○高血圧を抑制
○神経系の緩和
○皮膚病・呼吸器系疾患の改善
○アレルギー性疾患の予防、回復等

 また、最近ではヒノキチオールが院内感染を引き起こすMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)への抗菌作用があることが見出されています。
 このように森林浴と密接な関係がある精油(テルペン類)の量は季節により変動していると言われています。図ー1に代表的な針葉樹の月別の精油量を示していますが、6月から8月にかけてどの樹種も精油量が多く冬は少なくなっています。従って森林内の大気中のテルペン濃度も春から夏にかけて多くなり、空気がが新鮮でおいしいと感じます。
 針葉樹林内のテルペン濃度は季節により数百ppbから数ppmの違いがでています。捕集されるテルペンは、αー、βーピネン、カンフェン、リモネンなどのモノテルペンが主であり、通常はαーピネンの濃度がもっとも高くなっています。
 フィトンチッドの森林内での作用は未だ分からない部分があるにしても、森林の中でほのかににおうテルペンの香りが疲れた体をいやし、安らぎを与え、すがすがしい気分にしてくれるのは確かです。
 皆さんも、小鳥のさえずり、小川のせせらぎ、木の葉が風に揺れる音を聞ながら森林を散策してみましょう。
http://www.forest.rd.pref.gifu.lg.jp/rd/rinsan/9811gr.html