『STAP細胞 残された謎』佐藤貴彦著

昨年暮れの12月に発行されたこの本が、かなりおもしろい。
さっそく一回目を読了。

佐藤貴彦氏という名古屋大学理学部出身の、科学哲学者なのでしょうか、『ラカン量子力学量子力学の哲学的基礎』なんていう難しそうな本も書かれています。

発生生物学の知識もしっかりしており、これまでのSTAP細胞問題の科学的専門的観点からの分析も正確かつ公平だと思います。

NHKをはじめとするマスコミによる「異常」な報道の問題点についても、客観的な根拠を挙げながらきっちりと分析されており、好感が持てます。やっとまともな論評が出始めたかっていう感じです。

特に、第8章「悪意の証明」で言及されている怪文書の話には背筋がゾッとしてしまいました。

小保方さんに対する異様かつ激しい敵意を抱いている複数の人間たちの存在。しかも、理研(もしくは若山研究室)の内部にいた(いる)ようです。(今回「告発」なるものを行った元理研の石川某も)彼らが間違った内部情報をマスコミにリークし、NHKはその怪文書情報に基づいて、あの放送倫理に反する番組を作ってしまった。

おそろしや〜〜。

STAP細胞 残された謎 (Parade books)

STAP細胞 残された謎 (Parade books)



この本のことは、「小保方晴子さんへの不正な報道を追及する有志の会」のサイトでもとりあげられております。

STAP細胞問題・このままでよいのでしょうか? 
 http://blog.livedoor.jp/obokata_file-stap/tag/%E4%BD%90%E8%97%A4%E8%B2%B4%E5%BD%A6

 上坪和子氏寄稿〜

 STAP細胞問題について、これまで自身のFacebook上で考えたことをいくつか投稿したり、こちらのブログにAK名義でたびたびコメントしたりして参りましたが、そのご縁で木星通信さんからお声掛けいただきました。同じ気持ちでいる同志が多くいることを知って勇気づけられ、また、より多くの方々に向けてあらためて問いかけたいと思いまして、寄稿させていただくことにしました。

 この問題は、科学技術政策、因習、教育問題、報道問題、女性科学者にまつわる問題、人権侵害、日米関係の歴史、外交など様々な要素を含んでいることもあって、出てくる情報量が異常に多くなっています。意図的にかく乱するためではないかと疑いたくなるほどです。そのため、論点や立場も種々乱立する奇異な状況が生まれているようですが、今回は問題の核・本質について思うところを書きたいと思います。

 まず、私の考えを述べる前に、『STAP細胞 残された謎』佐藤貴彦 著。をご紹介させていただきだいと思います。あらゆる情報の中から重要なものを整理して矛盾点を指摘した良書です。

 いつもお世話になっているFacebookグループ「がんばれ、小保方晴子先生!」のメンバーの方から教えていただきました。本文中では「証拠保全がなされていない「胎盤の切片の標本の存在」について触れようともしないというのはSTAP細胞が存在することの重要な証拠を隠蔽していると思われても仕方がない」とまで述べているにも関わらず「謎」というまとめ方をしているところがプロライターらしく、そのまま直接的に言わずにいられない自分にはできない芸当だと唸ってしまいました。

 わかりやすい専門用語の解説付きで緻密な議論がされており、一貫して「小保方さんへの対応や公式発表の論理矛盾はさすがに見ている方が恥ずかしいほどで、憤りを感じる。」という強いメッセージが読み取れます。その点について私も同じ気持ちです。巷の大手マスコミや科学ジャーナリストによる偏った話よりよほど、一読以上の価値があると思いました。

 しかし私は少し異なる方向からもこの問題を見ています。アマチュアらしく「そのまま直接的に」言いますと、「?この問題の本質は卓越した成果の奪い合いである。そして?バカンティ教授が形式的な不正の発端だ。」という明確な結論を持っている、という立場です。このような主張は小保方さんを応援している方々の中でも他に見かけないほど珍しいようですが、形式的な不正については小保方さんの博士論文の段階から問題があったのですからバカンティ教授の関与を一応でも疑うのが自然ではないでしょうか。

 巨額の利益と名誉をもたらすSTAP細胞研究が極秘で進められたことと、バカンティ教授が早稲田大学の調査に応じなかったことを考え合わせれば、「極秘研究の場合はノウハウが分からないように論文ではデータを細工し、手順を省いて載せるものだ」とでもバカンティ教授が小保方さんに指導したのでしょう。これが発端だと考えればすべてが説明できます。

 また、取り下げられた論文においてともに第一著者になっていることから、小保方さんがSTAP細胞だけでなく、STAP幹細胞とFI細胞についてもその発見に大きな貢献をしたとみるのが妥当です。(FI細胞についても小保方さんを排除して若山教授あたりからかいずれ発表される算段になっているのではないか・・・これは大胆予想、推測ですが大いにありえるのではないでしょうか)

 これらの新しい細胞がすべて存在する前提で話を進める理由はいくつかありますが、小保方さんは様々な厳しい指摘を受けたあとでも2本の論文の取り下げに同意せず、差し替えを望んでいたことが1つの大きな理由です。きちんとしたデータが存在しなければそのようなことはありえないからです。もちろんバカンティ教授らによる特許が未だに取り下げられていないことも注目すべき事実です。

 私の感覚ではこの話は謎でもなんでもありません。むしろ出所の知れないデータや情報に基づいた謎解きに熱中しては色々とごまかしたい人たちの術中にはまってしまうのではないかとすら思っています(ごまかしたい方向性が全員一致しているとも限りませんし)。しかしより重要なことは、本心では同じように捉えている人が相当数いるはずだということです。もちろん内心わかっている人たちの中に直接的な利害関係者も多く含まれるのは事実でしょう。

 けれども無関係な人の数の方がずっと多いはずです。にもかかわらず、明らかに不正に関与したと思われるバカンティ教授を誰も追及しないとはどういうことなのか不思議でなりません。人間関係を円滑で平穏なものにするために空気を読むのが悪いことだとはまったく思いませんが、重要な局面で読むべき空気を間違えないことが「心地よい空気」を作るために大切なことなのではないでしょうか。


 やや私的なことではありますが、この問題に触れ、それほど才能があったとも思えない私などは研究者を早々にあきらめて本当によかったとつくづく思いました。日本政府も理研ハーバード大学も「他人を陥れて科学的成果を横取りすることにまったく問題はありません」というメッセージを公然と発しているのと同じだからです。

 でも、これから研究者を志す多くの若い人たちが科学技術を支えていくのにこのようなことがまかり通ってよいとはとても思えません。有識者と呼ばれる方々による、「イノベーションを目指そう」だとか、「子どもたちにもっと理科に興味を持ってもらいたい」だとか、「リケジョを育てよう」などという言説を見てももはや茶番だとしか受け取れません。

 小保方さんを不当にバッシングしている人たちだけではなく、見て見ぬふりをしている人たちも含めた専門家や有識者らが科学を自ら貶めている様子を見るにつけ、研究から離れた者としても本当に残念でなりません。早期に真の意味での問題の解決と偉大な発見をされた小保方さんの名誉回復がなされ、活躍の場に戻られることは今後の日本の科学技術にとって必要不可欠なことであると、私は思いますが、いかがでしょうか?
文責:上坪和子

あの日

あの日