小保方STAP細胞の米国特許の審査が始まっている


(小保方STAP細胞の共同発明者のバカンティ博士)

小保方STAP細胞の米国特許の審査に進展があったようです。
共同出願人だった日本の理研は、既に特許を放棄しちゃってますが、バカなことをしたものです。


小保方STAP細胞の共同発明者であるバカンティ博士の宣誓供述書(Affidavit/Declaration)が米国特許庁に提出されたとのこと。

その内容をごく簡単に要約すると、以下のような感じでしょうか。


●ネイチャー論文の撤回手続きにおいて、若山氏が「常軌を逸した」異常な撤回理由の改ざんを行っている。
●小保方STAP細胞の存在自体(データ自体)はゆるぎない。
●だから小保方STAP細胞は、特許されるべきである。




以下teabreakさんの記事です。

●バカンティ教授による宣誓供述書における論文撤回経緯の説明について
http://blogs.yahoo.co.jp/teabreakt2/17720750.html



 さて、今回のヴァカンティ教授から提出された宣誓供述書は、いろいろな意味で注目されるものかと思います。
 その一つとして、論文撤回の経過と自らの認識について、若山氏が山梨大で発表した内容と、小保方氏が『あの日』で述べた以外で、直接の当事者が自ら説明したということは、大きな意義があります。

■『あの日』で小保方氏が述べた論文撤回の経緯は、要約すると次のようなことでした(P190〜198)

○論文撤回は、米国側著者が、それでは職を失いかねないと強硬に反対。最後に、バカンティ、小保方氏らが撤回に同意したのは、ネイチャーとの掲載をめぐる成行で、STAP幹細胞に関する部分が、レターだけでなく、アーティクルにも入ってしまったため。
○若山氏主導での撤回。2本一括での撤回を強く主張。
○日本側著者の知らないところで、バカンティと話していた。アーティクル論文まで、自分がシニアオーサーではないのに、ネイチャーと連絡をとっていた。
○笹井、小保方も責任著者なのに、自分に責任を負わせるような不安をもつとのメールを、著者以外の者に対して、CCで入れていた。
○若山氏が撮ったキメラの写真の取り違いが決定打となり、ネイチャー誌側も、2本の撤回を勧めてきた。
○撤回理由書の案を笹井氏が作ったが、「エラーの修正で済んでしまいそうで、これでは撤回理由が弱い」と若山氏は主張し、自分で修正するとして、マウスの系統が自分の研究室にいたものと違うとの初めて聞く文言が入れられた。竹市氏は「検証不十分で、他人の受け売りが入っており適当ではない」とコメントし、丹羽氏は「常軌を逸している」と述べていた。
○撤回理由セット後に、若山氏が勝手に理由を書き変えた。それを誰にも相談せず、発表後に丹羽氏が気が付いた。若山氏は解析が間違っていたことを知っていたのだろう。しかも、書き換えを他人にせいにしようとしたので、みな唖然とした。
(参考記事)
http://blogs.yahoo.co.jp/teabreakt2/17102592.html(「3」の部分)
http://blogs.yahoo.co.jp/teabreakt2/17537509.html

■ヴァカンティ教授の説明では、次のように述べられています(訳が間違っていたら、ご指摘ください。)

3. 私は、サインした撤回同意書において、多くの著者は依然として、(STAP細胞の?)コンセプトは有効だと感じていると述べた。それ以上のいかなる説明も、ネイチャー誌の編集者によって書かれたものであり、自分はもちろん、他の多くの著者の同意に基づくものではない。
私は、撤回同意書にサインする際に、ネイチャー誌からは、数名の著者が、筆頭著者によるエラーと潜在的剽窃」(?“plagiarism”)と、提出された若干の画像について同様に筆頭著者によってなされた“computer enhancement”とを理由として撤回に同意するとのステートメントを公表する旨、告げられた。また更に、共著者の多数は、公表されたデータには依然として確信を表明している旨のステートメントも公表することに同意した。

4. しかし、それはなされなかった。その代わりに、7人の共著者のうちの一人がデータに信頼性が欠けると述べていることを以て、すべての著者が「STAP幹細胞に関する現象の真実性を疑いの念無く述べることができない」としていると、ネイチャー誌はステートメントを出した。

5. 6名の著者の見方は、論文撤回は、データ上の過誤というよりは、論文記載上の(“preparation of the manuscript”)過誤に基づくものである。ネイチャー誌は、撤回を掲載した号では、「当初出てきた問題は、論文の結論を損なうものではない。加えて、それらの作業の再現は、必ずしも容易で短時間にできるものではなく、実験プロトコルは、若干のテクニックを要する能力によって極めて左右されやすいものである。」と記載した。

 として、撤回は論文のデータを否定しているわけではないし、データは自由に使えるようになっているわけだから、特許出願が、論文の撤回によって左右されるものではない旨を述べています。

■このヴァカンティ教授の説明は、小保方氏の説明、笹井氏の説明と共通するものもあり、微妙に異なるものもあり・・・という印象が、「最初は」しました。
 どうも、著者たちがサインし提出した撤回理由書と、ヴァカンティ教授のいうネイチャー誌のステートメントとの関係が今一つよくわからないのですが(ネイチャー誌に掲載された文章は、撤回理由書そのものではないのでしょうか??)、公表された撤回理由書(・・・と理解されていたもの)は、次のものです。
 http://www.riken.jp/~/media/riken/pr/topics/2014/20140702_1/140702_1_5_jp.pdf

 ここでは、大別して、概ね3つの理由が述べられています。
 ?理研の石井調査委で研究不正と判断された過誤
 ?画像・写真の取り違え・説明ミス、ラベル貼付ミス等の過誤((1)〜(4)の記載
 ?ドナーマウスとSTAP 幹細胞での遺伝背景と遺伝子挿入部位の説明のつかない齟齬((5)の記載)
※「これらの挿入された gfp遺伝子の部位は、若山研究室で維持されていたマウス及び ES 細胞のものと一致している。」との記述は、齟齬云々と意味がつながりませんが、小保方氏の『あの日』では、サインした理由書では「STAP幹細胞は若山研に決して維持されていなかったマウスの系統であった」とあったものが書き換えられたとされています。丹羽氏が「巧妙に書き換えられている」と気付き、憤然として持ってきたとあります。

小保方氏の『あの日』の説明は、上記の書き換えられた部分を除けば、撤回理由書と概ね合致しているように思われます。
 ヴァカンティ教授の説明のうち、「3」にある
「筆頭著者によるエラーと潜在的剽窃」(?“plagiarism”)と、提出された若干の画像について同様に筆頭著者によってなされた“computer enhancement”」
 というのは、小保方氏が研究不正とされた点のことでしょう。

 それらは、ヴァカンティ教授が述べる「論文記載上の過誤」に当たると思われますが、「ドナーマウスとSTAP幹細胞との〜〜説明のつかない齟齬」というのは、データ上の過誤のようにも感じられます。

小保方氏指摘のように、サインした理由書では、「STAP幹細胞は若山研に決して維持されていなかったマウスの系統であった」という記述になっていたことは、幹細胞に関するデータ上の疑義のように思われます。そう考えると、ヴァカンティ教授が、論文撤回理由として、データ上の疑義は含まれていなかったように述べているように見えるのは、よくわからないようにも思えます。
しかし他方で、ここでは、あくまで「STAP幹細胞」についての「説明できない齟齬」であって、ヴァカンティ教授が直接関わる「STAP細胞」については、データ上の疑義が触れられているわけではありません。実際、『あの日』でも、次のように書かれています。

「アーティクルの論文に関してはレター論文と同時に撤回を勧める連絡がシニアオーサーであるバカンティ先生のもとにネイチャー編集部から送られていたが、最終判断をするにあたってのネイチャーからのアドバイスや撤回に向けたやりとりの際に、若山先生が他の著者には送らずにいたネイチャー編集部とのやりとりなどが、バカンティ先生には知らされていたという。本来は著者間で話し合いを持った上で行うべきであり、しかもアーティクル論文に関して若山先生はシニア・オーサーでないため、権限はないはずなのだが、若山先生が他の著者には知らせずに、独自にネイチャーと撤回に関するやりとりを行っていたようだった。」

NHKが米国側著者に取材に行くなどで、米国側著者が怒り)「事態は収拾がつかないほど混乱していた。その後、バカンティ先生とネイチャー編集部との話し合いの結果、「STAP幹細胞のマウス系統のデータに関しては研究室の責任者であった若山先生しか情報を持ち得ない。その人が、データが間違っているとネイチャーに連絡を入れている。STAP幹細胞のデータがアーティクルに入ってしまっている以上、仕方がない。アーティクルも撤回に同意する方向で進めよう。」との連絡が入った。」(P194〜195)

 ということからすれば、STAP幹細胞に関するデータは若山氏のマターなのでわからないが、STAP細胞に関するデータについては揺るぎない確信があり、撤回するつもりは全くなかったということが、見て取れます。

 どうも、バカンティ教授が問題としているのは、撤回理由書の一部だと(私が勝手に?)思っていた末尾の部分のことでしょうか?これが、撤回理由書の文章そのものではなく、ネイチャー側が書いたステートメントだということであれば、バカンティ教授が述べていることがすんなり理解できます。

「著者らは、Article と Letter にこれらの過誤が含まれたことを謝罪する。こうした複数の過誤は、本研究の全体としての信頼性を損ねるものである。また、STAP幹細胞に関する現象の真実性を疑いの念無く述べることができない。これらの現象を新たに検証する研究は現在進行中である。しかし、これまでに見いだされた過誤が多岐にわたることから、筆者らは Article と Letter の両者を撤回することが妥当であると考える。」

 この部分で、事前に、「共著者の多数は、公表されたデータには依然として確信を表明している旨」も記載することで合意していたはずなのに、それを反古にされたばかりか、「STAP幹細胞に関する現象の真実性を疑いの念無く述べることができない。」と勝手に書かれたことに怒り(STAP幹細胞に関する話ではありますが)、「多くの著者は依然として、コンセプトは有効だと感じているという以上のいかなる説明も、ネイチャー誌の編集者によって書かれたものであり、自分はもちろん、他の多くの著者の同意に基づくものではない。」という主張だと理解すれば、バカンティ教授、小保方氏の説明、公表されたネイチャー誌の撤回記事とが、整合的に説明できるように思われます。

 全著者がサインした撤回理由書そのものを見てみたいものです。それと、ネイチャー誌の撤回記事とを比較してみれば、より正確なところがわかってくるかと思います。

■これらの材料を総合してみると、

?STAP細胞を主テーマとするアーティクル論文の撤回やむなしと全著者が同意するに至ったのは、アーティクル論文に若山氏がデータに疑義があるというSTAP幹細胞に関するデータが含まれていたことによる。若山氏が責任者であり、同氏しか知り得ないSTAP幹細胞に関する遺伝子データの齟齬を主張される以上、これに抗する根拠を持たない。

?このため、バカンティ教授は、(少なくともSTAP細胞に関する?)データには疑義はないものの、若山氏の齟齬の主張の点と、小保方氏が研究不正とされた点、画像の取り違え等の論文記載上のミスを理由として撤回に同意することとし、サインした。ネイチャー誌でのステートメントでも、「多くの著者はデータに依然として確信を持っている」旨が記載されることで同誌と合意したはずだったが、履行されなかった。それどころか、「STAP幹細胞に関する現象の真実性を疑いの念無く述べることができない。」と意に反して書かれた。

?若山氏は、バカンティ教授ら他の著者には相談なく、著者たちがサインした撤回理由書を単独で書き換えた。それは、STAP幹細胞に関する遺伝子データの齟齬という、皆が撤回やむなしと判断する決め手となった部分だったこともあり、「皆憤慨していた。」

ということで、STAP論文の撤回問題は、手続的には、以下のように、若山氏のよる混乱要因と、ネイチャー誌による要因とが複合して、複雑骨折となってしまったということのように感じられます。

●若山氏による混乱要因
・権限なき撤回手続き、
・実際には正しくなかった撤回理由による著者間の撤回同意取り付け、
・全員サイン後の単独での撤回理由修正

●ネイチャー誌による混乱要因
 ・シニアオーサーであるバカンティ教授を飛ばして、若山氏との撤回交渉
  に応じたこと、
 ・バカンティ教授と合意したはずのステートメント内容掲載の反古、
 ・若山氏一人の主張する「現象の真実性を疑いの念無く述べることができ
  ない」との見方を全著者の見方であるかのようにステートメントに掲
  載。