空に浮かぶ風力発電(アルタエロス)


マサチューセッツ工科大学発のベンチャー企業・アルタエロス社が開発中の空飛ぶ風力発電に注目。なにもそこまでしなくても、と最初は思ったが、なかなかおもしろそう。


ソフトバンクがアルタエロスに700万ドル(約8億4千万円)出資するらしい。


この風力発電装置は、ヘリウムガスを充填した円筒形の気球の中に発電用の羽根を備えて、上空100〜600メートルの高さに浮かべる。上空の風は地上より強く安定しているため、地上の場合に比べ2倍超の発電量が期待できるらしい。基礎工事も設置場所も不要になるためその分コストも割安。おまけに通信設備も積めるため携帯電話などの基地局としても利用できる。2016年の商用化をめざしている。大規模な現場を抱える建設会社や災害時の非常用電源が必要な自治体などを販売先として考えているという。
http://www.asahi.com/articles/ASGD53PPNGD5ULFA00B.html



アルタエロス・エナジーズの創業者はこの2人。二人の出会いはMITの授業だったらしい。




●テスラの申し子、夢を力に 米起業家に流れる独創性
スタートアップスinUSA(2)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDZ31006_R30C14A3X13000/
 今では当たり前なスマートフォンの概念も、7年前に米アップルが「アイフォーン」を発売する前に予測できた人は少ない。スタートアップの精神は、大企業の硬直した組織では思いもつかない革新的な製品やサービスを生みだす。誰もが「えっ」と思う独創性は、新世代の猛者たちにも脈々と受け継がれる。

 3月21日、風力発電の高度で世界新記録が生まれるとのニュースが世界を駆け巡った。挑戦者は米マサチューセッツ工科大学(MIT)発のアルタエロス・エナジーズ(マサチューセッツ州ボストン)。大空に舞う飛行船で風力発電し、地上に送電する奇想天外な構想だ。世界記録となる1000フィート(約304メートル)の大空での発電にアラスカ州で取り組む。

 「上空の安定した強風を使えば、発電量は地上の2倍以上になる。飛行船しかないと思った」。アルタエロスCEO(最高経営責任者)のベン・グラス(29)は目を輝かせる。電気自動車(EV)のテスラ・モーターズインターンを経験。創業者のイーロン・マスクに憧れ、25歳で起業した。

 開発中の飛行船型風力発電機は直径約20メートルのドーナツ型。ヘリウムガスで上空に浮かべ、中央空洞部の3枚の羽で発電する。商用化を探る最新型は発電能力最大200キロワット。150世帯分の年間消費電力をまかなえる。発電コストは低く、日本の太陽光発電の半分以下となる1キロワット時15〜18円。送電網のないへき地や大規模農園、採掘場、難民キャンプなどでの利用を見込んでいる。

 幼いころから父親とロケットや飛行機づくりに興じた。MITに入り、当初はロケット技術者を夢見たが「ロケットの世界は技術が成熟し、差別化が難しいと気付いた」。そこで思いついたのが飛行船を使う風力発電だった。父は元イスラエル空軍のパイロット、米国人の母からは環境の大事さを教わった。

 「荒唐無稽」「できるわけがない」――。懐疑的な意見が多かったが「おかげで弱点や課題に気づき、克服できた」(グラス)。むしろ夢にかけてくれた人が多い。これまでに200万ドル(約2億円)の資金を獲得。インド財閥タタ・グループ名誉会長、ラタン・タタの会社も出資した。