泣くことの効用


(写真家Jill Greenbergの作品より)


先日ある知人と「ストレスと病気」の話になった。


「ストレス学説」によると、心的ストレス(ネガティブなストレス)があらゆる病気の原因になるのだそうです。

その知人、先日体調をこわして体中に原因不明の湿疹ができた。西洋医から処方された薬で一時的に良くなったが、再発。結局効かなかった。原因が仕事上のストレスから来ていることは後から分かった。

別の医師(漢方医)から、ストレス由来の毒出しには「涙を流して泣くこと」が有効であると聞いて、毎晩実践したらしい。ネットで涙を誘う話や動画を観ながら夜毎シクシクと感涙にむせぶ。

数日後、体調は回復し、湿疹も消えた。


<涙の効用>については、医学的にも実証されている、らしい。

「涙―人はなぜ泣くのか」を書いたアメリカのウィリアム・H・フレイ博士によると、涙の種類は3つある。

(1)基礎分泌による涙
(2)刺激による涙(たとえばタマネギを切るときの涙)
(3)感情による涙

博士は、(1)や(2)の涙成分と(3)の涙成分(映画に感動して出た涙)を分析して、成分の違いを比較した。すると、映画に感動して出た涙、つまり「感情による涙」からは、ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)が検出された。この副腎皮質刺激ホルモン(ACTH:コルチゾール)は、ストレス反応として分泌されるホルモン。つまり、感情による涙を流すと、ストレスの毒素が体外へ排出されるということらしい。この事実は、東京女子医科大学でも実証された。涙を流す前と後での血液中のストレスホルモンの測定すると、感情の涙を流した後ではコルチゾールが減少することが確認された。

感情の涙を流すと、ストレス毒が体外へ排出されるということだ。

泣きたいときには自然に任せて泣く。泣くことを、恥ずかしがったり否定的に考えてはいけないようです。逆に涙を我慢するのは体内に生じたストレス毒を保持することになり、体に良くない。

「涙を流して泣くこと」は、ストレス多き現代社会を生き抜くための必須の健康法なのですね。


ということで、みなさん、健康のために大いに涙をながしましょう!


竹久夢二の宵待草より)



涙―人はなぜ泣くのか

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涙の文化学―人はなぜ泣くのか

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