GoogleのLoon Project

今朝のFEN(Far East Network:米軍極東放送。今はAFN (American Forces Network)に改称されている)で気球を使ったインターネット通信接続プロジェクトの話をしていた。
これはなかなか興味深い。コストが嵩む人工衛星ではなく、安価な気球を使って僻地でもインターネット接続を可能にしようというプロジェクト。
特殊なアンテナを搭載した複数の気球を上空18〜27キロの成層圏に飛ばし、気球同士と地上に設置したアンテナとを接続することでインターネット網を構築する。無線アンテナ、太陽電池GPSなどを搭載した複数の気球を18キロ〜27キロ上空の成層圏に飛ばして気球同士と地上に設置したアンテナとを接続することで通信ネットワークを構築しようというもの。
既にニュージーランド上空に30機の気球を上げ、50人の参加者による接続テストを実施しているそうだ。

Googleが始動させたこの気球式インターネット接続プロジェクトはProject Loonと呼ばれる。


日本などの先進国では、光ファイバーLTEの普及により高速かつ安価なインターネット接続環境を享受できるようになってきたが、Googleによれば地球上の3分の2の人々はいまだそのような環境の外に置かれている状態だ。

島嶼部、森林地帯、山岳地帯、砂漠地帯などでネット接続環境を常時提供することは大幅なコストを必要とする。そして、それは現実的ではない、と考えられてきたと言えるだろう。

そこで、Googleは新たな角度からこの問題の解決を試みている。それが、プロジェクト「Loon」だ。

アンテナや太陽光発電パネルを搭載した直径15mの気球「Loon」を成層圏内の高度20kmで航行させることで、地上のユーザが3G回線と同等か、それ以上の速度で通信できるようにする。

「地上の通信設備を構築していくことがコスト的に見合わないのならば、空から攻めてみよう」という発想を実行に移してしまうのが、いかにもGoogleらしい。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1306/16/news007.html

Loon Projectのloonにはバカという意味がある。balloon(気球)とloon(馬鹿)を掛けた命名Google自身がちょっと馬鹿げたプロジェクトだと考えているのかもしれない。

なにしろ成層圏には様々な風が吹き続けているし季節によって変化するし不測の気象変化によって気球の動きは大きく変動するはず。どうやって安定的なネットワークを構築するのだろうか?


さまざまな技術的困難を克服して、10年後にはアマゾンのジャングルのなかからでもブログ更新ができるようになるか・・・



●Project Loon: The Technology
http://www.youtube.com/watch?v=mcw6j-QWGMo&feature=player_embedded#at=25

●Introducing Project Loon
http://www.youtube.com/watch?v=m96tYpEk1Ao&feature=player_embedded#at=40


【参照】
Google X、“気球式インターネット網”プロジェクト「Project Loon」を発表
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1306/16/news007.html

Googleが馬鹿げたプロジェクト「Loon」を始動、気球を使って僻地でもネット接続を可能に
http://appllio.com/news/20130616-3743-google-project-loon