川崎市と東芝が太陽光で製造した水素を用いた自立型エネルギー供給システムを共同実証



太陽光発電で水を電気分解して水素を製造する。

その水素を燃料電池の燃料にして発電する。

太陽光と水と水素による自立型エネルギー供給システム。

なかなか合理的です。しかし、初期費用やメンテナンス費用を含むトータルコストはどうなのでしょうか。あくまで災害時を想定した発電システムなのか。



川崎市東芝再生可能エネルギーと水素を用いた自立型エネルギー供給システムを共同実証
2014年11月13日
http://www.toshiba.co.jp/about/press/2014_11/pr_j1301.htm

 川崎市と株式会社東芝(以下、東芝)は、再生可能エネルギーと水素を用いた自立型エネルギー供給システムの共同実証に合意し、本日協定を締結しました。本システムは、川崎市臨海部の公共施設「川崎市港湾振興会館(川崎マリエン)」および「東扇島中公園」(以下、川崎マリエン)に設置され、来年4月から2020年度末まで実証試験を実施する計画です。
 「川崎マリエン」は、周辺地域の帰宅困難者の一時滞在施設に指定されています。災害時に本システムを活用した場合、設備能力として300名の避難者に対し約1週間分の電気と温水を供給することができます。

 本システムは、太陽光発電設備、蓄電池、水素を製造する水電気分解装置、燃料電池などを組み合わせた自立型のエネルギー供給システムです。太陽光発電設備で発電した電気を用い、水を電気分解することで発生させた水素をタンクに貯蔵し、電気と温水を供給する燃料電池の燃料として活用します。水と太陽光のみで稼働できるため、災害時にライフラインが寸断された場合においても、自立して電気と温水を供給できます。また、トレーラーでシステム自体を被災地に運ぶことも可能です。
 平常時には、システム全体を管理するエネルギーマネジメントシステムで太陽光発電設備や蓄電池などを最適に制御することにより、「川崎マリエン」で使用する電力のピークシフトおよびピークカットに貢献します。

 太陽光発電を補う蓄電池には、長寿命特性に優れた当社製リチウムイオン二次電池「SCiBTM」を採用するほか、燃料電池には、耐久性の高い当社燃料電池エネファームをベースとした純水素型燃料電池を用い、長期間の安定稼働を実現します。

 川崎市は、実証試験の環境を提供し、東芝は、設備の設計、建設、保守を担当します。得られた成果は、川崎市東芝で活用します。

 川崎市東芝は、2013年10月にスマートコミュニティの実現に向けた連携・協力に関する協定を締結しました。また、川崎駅前の「スマートコミュニティセンター」を起点に川崎駅周辺のビル群エネルギー管理、商業活性化、EVバスなどの取り組みを連携して進めています。

 川崎市は、水素エネルギーの積極的な導入と利活用による「未来型環境・産業都市」を目指して、今後とも取組を進めていきます。

 東芝は、国内トップシェアの家庭用燃料電池や水素製造装置など水素関連技術の開発を進め、次世代の水素社会の実現に貢献します。