E-nableの義手


手の指を失った子供たちに朗報。


E-nableというロチェスター工科大学のジョン・シュール(Jon Schull)氏らが結成したコミュニティー非営利団体)が開発した「義手」がとても興味深い。エンジニアや義手の研究者、デザイナーなどが協力して世界中の手の不自由な子供達に義手を提供している。


従来の一般的な義手は、複雑で高度な制御技術を要することから大変高価(数百万円)でしたが、このE-nableの義手は3Dプリンタ技術を駆使し、デザインの自由度を高めつつも大幅なコストダウンを実現している。


3Dプリンタを活用して自分の手に合った義手を安価に作る。そのために必要な3Dプリンタのデータは無償で公開されている。コストは50ドル程度(5000円)。

素材はABS樹脂。軽くて強度と耐久性にすぐれている。価格が安いだけではなく、従来の義手を超える機能性もあるとか。


ネット上に解放された情報と公開技術によって、驚くべき低コストでその人に合った義手の製作が可能になった。これを支援するネットワーク活動も充実しているようです。

この義手は、メカニカル(機械的)な機構だけで構成されていて、高価で複雑な電子制御やアクチュエータは使っていないところが重要なポイント。つまり「非電化」で「無動力」。手に残されたわずかの筋肉の力を引き出してメカニカルに手指動作を可能にしている。


これって、先日紹介した「無動力歩行支援機」に技術思想が似ているではないか!!

●佐野明人の非電化・歩行支援機(その2)
http://d.hatena.ne.jp/gyou/20141023



以下↓は米国のニュースで取りあげられたときの動画。
●Man gets new 3D-printed hand for $50
https://www.youtube.com/watch?v=AymSI4GP_O4




こちら↓もニュースの動画。
●Boy gets prosthetic hand made by 3-D printer
https://www.youtube.com/watch?v=fK2VdctV_h4




作り方の紹介はこちら↓
●Assembling and Testing the e-NABLE Hand 3D Printed Prosthesis (3D Universe)
https://www.youtube.com/watch?v=2KCOYrcSKd4



E-nableの義手はすぐれた非電化技術でもある。



【参考】
●e-NABLE Handのサイト
http://enablingthefuture.org/