廃熱発電(株式会社ダ・ビンチ)



日刊工業新聞か日経産業で見たこの廃熱発電(株式会社ダ・ビンチ)はすごい技術だ。開発したのはダ・ビンチ。奈良県大和高田市ベンチャー企業


この発電装置によれば、40℃の温度域からの廃熱発電が可能らしい。

これまで捨てるしかなかった低温域の廃熱を発電に有効活用できるのは魅力的。



40℃といえばぬるめのお風呂の温度。このレベルの温度から発電が可能だということは、毎年40℃の最高気温を記録する夏の盛りの埼玉県熊谷なら真夏日発電だって可能じゃないか。


この発電機は、ロータリーエンジンバンケル機関)を活用した極めてコンパクトな装置だそうです(設置面積が1平米くらい)。


ただし、発電装置のコストは1200万円。ちょっと高めなのが難点。でも、これがどんどん売れて、研究開発の初期投資が回収されれば、価格は下がるはず。


特許庁のサイトで検索すると、ダ・ビンチ名義の特許公開公報は17件ありましたが、今回の廃熱発電に関係がありそうなものは既に特許されています。(東京大学との共同出願)

特許第4614290号「ロータリー熱エンジン」


当該技術の特許文献を研究して自作する人も出てくるかもしれませんね。(もちろん特許権侵害にならないよう気をつけなければなりませんが)





いずれにしても発展性のあるおもしろい技術です。


以下、株式会社ダ・ビンチのサイト記事から:

http://www.davinci-mode.co.jp/rhe.html
ロータリー熱エンジンは弊社で開発した外燃式のバンケルロータリーエンジンで、ランキン・サイクルにより駆動する熱エンジンです。低温度域で有効なランキン・サイクルと低い圧力で効率的に動作する新型エンジンを搭載したロータリー熱エンジンを発電機と組み合わせることによって、低温度域(40〜200℃)の廃熱や太陽熱を高効率に回収して電力へと変換することが可能になります。

高温の熱は廃熱ではなく資源として利用できますが、40〜200℃程度の熱は使用用途に乏しく廃熱として自然界に放出されるケースが多くなっています。そのような廃棄された熱資源を弊社のロータリー熱エンジンで回収し電力に再生することは、化石燃料の使用量削減・二酸化炭素の排出量削減につながり、地球温暖化抑止に直結するなど社会的にも大きな意義があります。



資源の再利用は化石燃料消費の抑止に直接的につながるものです。その中でも「熱」はいたるところで発生する資源ですが、それらは損失エネルギーとして大気中に捨てられているのが現状です。特に200℃以下の低温度熱エネルギーは「エネルギーの墓場」と言われるほど利用しにくく、再利用できる技術が満足に整っていません。実際、原子力発電所では生成した電力の2倍の廃棄熱が発生し、その電力を消費する工場やオフィス・ビルでは、使用した電力の70%程度が最終的には廃棄熱として放出されています。


このような廃棄熱を回収し我々が利用しやすいエネルギーに変換することは社会的・環境的にも大きな意義があります。低温度域廃棄熱市場はまだまだ未成熟ですが、今後益々の環境保全の機運の高まりを考慮に入れると、膨大な市場規模になると予測されます。

現実に産業廃棄熱は200℃以下の排ガスと80℃以上の温熱排水だけを上げても年間約80万テラ・ジュール発生しています。その廃棄熱を利用して作動する廃熱再生エンジンを開発した場合に、発電効率(熱仕事効率)5%程度であれば、1GW(ギガ・ワット)を超える発電が可能です。例えば、1戸の住宅の消費電力が平均で2kWとした場合、50万戸の住宅の電力を供給できることになります。

これは日本の鉄鋼、石油、化学、紙パルプ、窯業などを対象にした場合であり、小さな廃熱も回収対象とすると、この数倍の量になります。このように膨大な量の熱資源が放置されています。その資源を私たちが使いやすい電気エネルギーに再生する必要性が高いのは当然のことであり、弊社のロータリー熱エンジンにはこれを実現する技術が備わっています。

ダ・ビンチ社の東社長が登場し(後半)ロータリー熱エンジンを解説しているテレビ放映の画像がありました。従来の地熱発電では地中深く掘削し高温の蒸気を使用しなければならない。しかしダ・ビンチのロータリー熱エンジンを使えば地上の温泉から出る廃湯をそのまま発電に活用できる。大変興味深い。


WBSバイナリー発電
http://www.youtube.com/watch?v=dm5ZS7HWGpw