今年は冷夏と予測されていましたが、梅雨が明けるといきなり猛暑。
夏本番。と言えば、アウトドア!
ところで、キャンプや登山に持っていくストーブ(コンロ)は普通こんな↓もの。
でもこれだと、燃料缶も携帯しなければならないし、燃料が無くなったらハイそれまで。空き缶の廃棄も厄介。
そんなときには、野山に無尽蔵にある枯れ枝などのバイオマス廃棄物を燃料にできるウッドストーブがあると便利。
このバイオライト(BioLite)というウッドストーブは携帯できる極小サイズながら燃焼効率に優れている。その秘密は送風ファン。
小枝や薪が燃焼室の中で燃やされると、燃焼熱を電気に変換、内臓されたリチウムイオン電池に充電される。充電された電気でファンが稼働し、燃焼室の中に空気をスパイラル状に送り込むことで燃焼効率が向上し焚火の火力が増加する。
さらに驚くべき機能は、発電!
ファンを回すために十分な電力が蓄えられた後、余剰電力はUSBポートを通じて外部機器の充電に利用することができるのです。
LNGガスやガソリンなどの化石燃料を一切使用しなくとも強力で安定した煮炊きや焚火が可能。さらに、発電機能によってスマホやケータイの充電も可能というすぐれもの。
気になる発電能力は、5Vで2W〜4W。火力によって変化する。
USB出力:2W@5V(持続可能最大)、4W@5V(最大時)
キャンプなどのアウトドアシーンだけじゃなく、防災用品としても注目されている。
里山散策にバイオライト(BioLite)を連れて行って、枯れ枝を集めて焚火をしながら野点(のだて)の珈琲をたのしむ。電池残量を気にすることなくスマホでブログチェックをしながら・・・なんて、粋ですね。
●Introducing the new BioLite CampStove
https://www.youtube.com/watch?v=KnfV_3LM5l8
ところで、熱エネルギーを電気エネルギーに変換するメカニズムは熱電変換素子(Thermoelectric conversion element)。2種類の異なる金属または半導体を接合して、両端に温度差を生じさせると起電力が生じるゼーベック効果を利用した素子がその秘密。これ自体は古い技術である。
たとえば、これ↓は1940年頃に独ソ戦争(第2次世界大戦)で実際に使用された「パルチザンの飯盒(はんごう)」。鍋の底部に熱電変換素子が装着されていて、焚火のエネルギーで無線機を動作させている。まさに焚火発電鍋。
(http://www.kelk.co.jp/useful/netsuden3.htmlより拝借。深謝)
キャンピングストーブBioLiteについては多くのレビュー動画がYouTubeにアップされているが、概ね好評である。
●Biolite Stove Review
https://www.youtube.com/watch?v=CTB3Dy4nvMU
●Bio Lite Stove review Survival Gear
https://www.youtube.com/watch?v=fYnX9Nl_5AU
●Biolite Stove Review in HD!
https://www.youtube.com/watch?v=48e8C-3cu_4
【参考】
●バイオライト社のサイト
http://www.biolitestove.jp/
●別売のケトルポットもすぐれもの!(ポットがストーブのケースを兼ねる!)
Biolite Kettlepot: Review and Test - Preparedmind101
https://www.youtube.com/watch?v=F5vfPsZ8akc
●バイオライト社の次の製品:家庭用バイオライト(ホームストーブ)
一家に一台ほしいところ。
Turn Fire into Electricity - BioLite BaseCamp Stove
https://www.youtube.com/watch?v=8mDWC_4TMqA
●バイオライトの特許公報(英文)
WO2014/070754A1(PCT国際公開番号)
国際公開された公報がEPO(欧州特許庁)や日本特許庁のサイトから無料でダウンロードできます。
詳細がすべて開示されていて勉強になります。自作しようと考えている猛者の方には参考になると思います。たぶん日本でも特許権利化が図られると思いますが(現在審査中か)、「業として」販売等されなければ特許権に触れることもありません。