松下忠洋郵政民営化・金融担当相の不審死


(松下大臣が「首をつった状態」で発見された自宅マンション。事後なのに、ガードマンが過剰警備する)


いやな話題ですが、これが日本を蹂躙する裏社会の現実。

高橋清隆さんというジャーナリストによる、松下金融担当相の不審死についての取材が公開されている。

これによると、当局は一切口を閉ざしているようです。やっぱりです。

世間は自殺で納得し、マスコミもダンマリ。

しかし、自殺ではなく他殺の可能性が濃厚。

この記事では直接触れられてはいませんが、松下金融相が狙われていた理由は、金融庁による主に国内金融市場に絡むインサイダー取引の摘発にあるのではないか。しかも、野村証券も絡んでいるという噂もある。その背後には、国際金融マフィアが・・・



以下、高橋氏の記事の全文を転載させていただきます。

http://www.janjanblog.com/archives/80925
松下大臣の「自殺」、沈黙で深まる疑惑
2012年 9月 15日 22:09

高橋清隆
 10日に亡くなった松下忠洋郵政民営化・金融担当相を警察は「自殺」と断定している。説得力のある理由が見当たらず、警察は一切の情報提供をやめた。つじつまの合わない対応には、約300兆円の行方を左右する郵政事業改革が影を落とす。


動機の見つからない「自殺」

 「体重が半分に減りそうだよ」
 5カ月ぶりに会った国民新党事務局の責任者は開口一番、こう漏らした。筆者が尋ねる。
 「怖いですか」
 「そりゃそうですよ。元気にしてた人が突然死ぬんだもん」
 松下大臣は10日午後5時前、東京・江東区東雲の自宅マンションで首をつっているのを上京していた妻が見つけ、病院に搬送後死亡が確認されたと伝えられる。しかし、説明がつかない点があまりに多い。
 まず、動機が見当たらない。春に前立腺がんの手術を受けて回復し、体調も良かった。6月には大臣に就任し、郵政改革や金融規制の強化に取り組んでいた。8、9日には地元・鹿児島に帰り、大臣就任を祝う会合に出席。次期衆院選のポスター作りなどについて地元後援者と笑顔で話していたという。
 7日には通常国会が閉会し、野田首相が院内の各会派をあいさつに回った。冒頭の国民新党職員は「特に変わった様子はなかった。部屋に入ってきた首相をもてなし、元気な表情を見せていた」と振り返る。
 複数のマスメディアが可能性として挙げている理由に、女性週刊誌が女性問題を取り上げるのを苦にしてというものがある。これは『週刊新潮』9月20日号に掲載された「73歳、『松下忠洋金融担当大臣』痴情果てなき 電話と閨房」と題する記事。21年間交際した3歳年下の愛人が大臣への愛憎を告白している。
 記事によれば、女性は神戸・三宮のホステスを長く続け、出張時に情交を重ねた。松下氏は会う度に小遣いを渡したという。女性は松下氏と同じ鹿児島生まれで郷里に戻ったが、10年3月以降、帰省の際に連絡をくれなくなった。「どうしてか、信頼していないのか」と詰問し、「21年間、二君に仕えずの精神で松下さんだけを見続けてきた心、時間、お金を返してほしい」と非難している。
 普通に読めば、女性のわがままとしか映らない。妻子持ちと知りながら、愛人を選択してきたのは本人の判断だ。松下氏が悪者にはなるまい。先ほどの党職員は、「警察が『自殺』と言うんだから自殺なんでしょう。ただ、あの記事で死ぬとは、とても考えられない」と語る。
 同誌編集部も電話取材に対し、「突然のことで驚いている」と寝耳に水といった反応だ。この号は12日発売で、「自殺」した時点ではまだ発売されていない。事件を受け、問題の記事が差し替えられたのではとの憶測も広がっている。この点について編集部は「ない」と断言した。実際、早版が11日午前には都内マスコミ各社に届けられるから、物理的に差し替えは難しい。
 次に挙げられる動機は、次期衆院選での敗北を恐れてというものだ。対抗馬は自民党の宮地和明(71)氏だが、松下氏は前回勝利している。05年に争った民主党の野間健候補は落選し、09年から松下氏の秘書を務めてきた。野間氏の出馬を警戒したとの説があるが、自分の部下だからきりのいいところで禅譲すればいいだけのこと。造反による落選を恐れるにせよ、自分から死ぬことはない。
 そもそも、松下氏の大臣就任は党の選挙対策だ。要職にあればテレビ露出が増え、戦いが有利になる。これを僥倖(ぎょうこう)と思えば、一日でも長く大臣の座を楽しめばいいはずである。
矛盾する報道の行間
 不可解な点の第2は、報道における矛盾である。NHKが18時20分に配信した初報は「自宅で倒れているのが見つかり」となっているが、23時49分に「首をつった状態で見つかり、病院に運ばれたが、死亡」と修正。各社もこれに統一している。夕方のTBSテレビ速報は、「心不全」としていた。
 11日1時16分配信の時事通信の記事は週刊誌の記事掲載について、「同署は関連を調べる」と記す。「同署」とは所管の警視庁湾岸署のこと。一方、11日10時30分ブルームバーグ配信の記事は「警視庁は自殺と断定し、捜査を打ち切った」とつづる。この間に捜査をやめる判断をしたのか。だとしたら、週刊誌は読めないはずだ。
 先のNHK記事をはじめ、すでに「自殺」の表現が記事にはんらんしていたが、実は検視が終わったのは11日午前である。党関係者に確認した。通常、変死体の場合に検視が行われるが、解剖も行われたと思われる。「オウム教団に殺された」坂本堤弁護士の検視が7時間半なのと比べても異常な長さだ。丁寧に調べるのはいいことではあるが、結果の方が早く出ている。
 搬送先は港区・虎ノ門病院で、野田首相や亀井元代表らが弔問に訪れたのもここだ。遺書で密葬を希望していたことから、自宅マンションに足を運び線香を上げたのは、先の党職員と同党所属国会議員1人の2人だけである。遺書は3通置かれたが、その他の内容は明らかにされていない。
 首つりはどのようにやったのか。フジテレビが「書斎で、ホース上のものをドアにかけ、首をつっていた」と伝えている。しかし、ドアは腰のあたりにあり、ぶら下がることは不可能だ。どの発表もこの初歩的な疑問に答えていない。
 この表現は、00年に日債銀本間忠世社長が大阪市内のホテルで「首つり自殺」した事件を連想させる。元『フォーブス』記者のジャーナリスト、ベンジャミン・フルフォード氏はカーテンレールに何ら変形がないことを指摘すると、警察は「発見されたのは風呂場」に変更した。
 この大阪の事件は遺書の用意についても示唆を与える。同事件は隣の部屋で女性歌手のタレント、森公子さんが「隣の部屋が騒がしい」とホテル側にクレームをつけていたことが判明。後にフルフォード氏が殺しにかかわった暴力団幹部から聞いた話として、「頭にけん銃を突き付けたまま遺書を書かせた」と明かしている。


住民との接触阻む警備員
 松下大臣は本当に自殺したのか。報道以外の情報を集めようと、筆者は自宅のあるマンションの住民に聞き込みを試みた。埋め立てして再開発された地区には数本の高層マンションが立ち並ぶ。しかし、松下氏の自宅のある建物だけ、紺色の制服を着たガードマンが複数人立つ。ほかの棟とは別格の対応だ。

通報を受けたはずの湾岸警察署は、なぜか門前払いする(2012.9.14、高橋清隆撮影)
 わたしがタクシーから降り、カメラのレンズをマンションに向けると、一人のガードマンが走り寄る。
 「駄目、駄目、撮影禁止だから」
 マスコミ各社は映像・画像入りで伝えていた。事後に禁止したと思われる。玄関ホールに近づくと、ガードマンが2人ブロックしに来る。どうせマニュアル通りに詰問され、異議を唱えれば警察に連絡するという仕掛けだろう。警備会社の役員は警察庁天下りで構成され、政府の補完機能を果たす。
 
 筆者は裏口に回り、先に出てきた住民に声を掛ける。
 「10日の日、不審な人物を見掛けませんでしたか」
 「いや、見てない」
 「外人の集団などはいませんでしたか」
 「知らない」
 3組声を掛けたが、「見てない」「出掛けてた」と応じてくれない。ガードマンが集まってこちらを見詰めている。無線機か携帯を取り出してざわつき始めた。彼らは一体、誰から何を守るというのか。肝心な人物はもう、命を落としたのに。真相の解明こそ、住民の最大の安心材料ではないか。
一切対応しない警察
 伝えられる事実関係の矛盾点を解明するため、湾岸警察署に向かう。署の受付で大臣の「自殺」事件について話を聞きたいと言うと、「副所長が担当者になるから」と待たされる。しばらくすると別の人間が降りてきて、「警視庁の広報課を通してくれ」と言われた。

警視庁。広報課の職員は「一切対応できない」の一点張り
 筆者は記者クラブに所属しないフリーの立場だから、こうなるのかもしれない。以前も別の事件で、同様の対応を取られた。タクシーとゆりかもめ、地下鉄を乗り継いで、警視庁に移動する。
 受付で「取材依頼をしたい」と告げると、女性が内線連絡する。すると、「何の事件ですか」と聞かれる。件名を伝えると、「湾岸署に言って聞いてください」と告げられる。たらい回しだ。「向こうで『こちらに』と指示されたから言われた通りにした」と返すと、「いきなり来られても困る」と言う。これが「いきなり」なら、湾岸署員がその場で連絡を取るべきではないか。
 「じゃあ、どこに聞けばいいのか」と抗議すると、女性はさじを投げた。「直接、話をしてほしい」と受話器を電話ごと筆者に差し出す。担当者が「湾岸署にこちらに来るよう言われたのか」と聞くので、「こちらを通してくれと言われた」と答える。取材依頼書を提出してほしいのだろう。事案名と質問項目を書くと、「警察が広報に資すると判断した場合に回答」してくれる。クラブに加盟しない記者が情報をもらう一つの手段だ。
 ところが、男は「その件は捜査中で、対応していない」と答える。筆者は思わず、「えっ、まだ捜査をしてるんですか。『捜査を打ち切った』と報じられてますが」と返す。ばつの悪い声で、「それも含め、まだお答えできない」と応じ、「うちでは対応していない」と重ねる。わたしが「どこで対応しているのか」と食いつくと、担当者は下階に降りてきた。
 筆者は捜査が終わったのかどうか、妻が鍵を開けて入ると首をつっていたとの報は確かかとただす。部下を1人伴った大柄な男は、「大変申し訳ないが、その事案については対応していません」と釈明する。「なぜ」と尋ねると、同じ言葉を繰り返す。「湾岸署が発表したんですか。そう書いた社もある」と向けると、「湾岸署でも発表はしてない、自殺は」と断じる。
 「…自殺は」と添えたので、「自殺は発表対象にならないんですか」とただす。すると、慌てて「自殺はというわけでなく、この件は」と訂正する。「自殺の方が誤解も生まれにくいし、捜査を終えたなら発表しやすいじゃないですか」と質問すると、「この事案は対応してないんです。プライバシーにもかかわることだし」と続けた。女性問題で自殺という最悪の結果になったのに、沈黙によってどんなプライバシーを守るというのか。説明機会を増やす方が名誉回復につながるではないか。
 広報課の言う通り、発表してないのかもしれない。各社記述が共通するのは、消防から情報を得た可能性もある。幾つかの新聞に「警視庁湾岸署などによると」「警察関係者によれば」との記述が見られるが、マスコミはオフレコで情報をもらったときに、こういう書き方をする。公には「発表してない」ということになる。なぜ、この案件だけできないのか。不信感だけが増した。


郵政人事の激しい綱引き
 松下大臣の死が他殺によるとしたら、何が背景か。彼の死によって恩恵を得るものは誰だろう。真っ先に頭に浮かぶのは、郵政民営化見直しの動きである。

日本郵政本社(2012.9.14、高橋清隆撮影)
 10月1日から、改正郵政民営化法が施行される。これは小泉内閣時代に成立した郵政民営化を見直すもので、6月に可決・成立した。国民新党の代表だった亀井静香氏が水面下で公明党を抱き込んで実らせた努力のたまものである。ただし、自民・公明両党を説得するため大幅に譲歩した内容になっている。
 この法律は郵便局会社と郵便事業会社を統合し、5社体制から4社体制に移行することを定めている。ユニバーサルサービスを義務付け、配達員が郵貯簡保の現金を扱えるようになっている。簡易郵便局の存続も盛り込み、グループ職員と利用者にとって好ましい内容だ。しかし、金融2社の株式は経営者の判断ですべて売ることも可能で、約300兆円の金融資産をハゲタカに譲る道が開けている。
 郵便局会社と郵便事業会社を統合する新会社「日本郵便」の経営陣が9月5日に発表された。顔ぶれは総じて、両社の役員を足しただけのもの。会長には古川洽次郵便局会社社長、社長に鍋倉眞一郵便事業会社社長が就く。古川氏は旧長銀リップルウッドホールディングス譲渡への関与が取りざたされてきた。同行は約8兆円の国費が投じられ、10億円で売却されている。
 鍋倉氏は旧郵政省出身だが、小泉政権下で郵政民営化推進室副室長に抜てきされ、竹中平蔵郵政民営化担当相の片腕として民営化を推進してきた。
 今回の人事でただ1人異彩を放つのが、副会長に就任する稲村公望氏だ。鍋倉氏と同じ東大法卒で旧郵政省出身だが、小泉氏の描く民営化に一貫して反対。総務省統括審議官として民営化準備室への出向人事で決裁書類にはんこを押さず、任を追われた。
 金融2社の株式は、稲村氏のような経営者がいなければすんなり売られてしまうだろう。そうなれば国民の預けた郵貯簡保資金は外国のために好き放題に使われる。彼の起用は下地幹郎国民新党幹事長や同党の前参議院議員全国郵便局長会(全特)顧問の長谷川憲正氏に猛反対された。押し込んだのは亀井静香元代表だ。
 稲村氏の復職に対する妨害は、これまでもあった。亀井氏が国民新党を追われてから、稲村氏が長谷川氏側に寝返ったとのうわさが郵政グループ内外に流された。亀井氏の耳に入れるためで、発信源は日本郵政の経営陣だった。齋藤次郎社長は自らを抜てきした亀井氏の意向ならくむ。現職担当大臣の不可解な死は、この人事への痛烈なけん制のつもりかもしれない。
フォローアップ会議は流産か
 もう一つ、担当大臣の死が「待った」をかけそうなのが「政府・与党郵政フォローアップ会議」である。10月1日の改正法施行に向け、政権与党として郵政事業の見直しを進めるもので、9月5日に官邸で初会合を開いている。構成メンバーは藤村修官房長官川端達夫総務相、安積淳財務相などで、座長は松下大臣だった。
 同会議では、金融2社の新規事業や会社間窓口手数料の消費税減免措置などについて方向が固められる。米国がやめるよう、一貫して要求している部分だ。
 一方、小泉政権下で発足した郵政民営化委員会(西室泰三委員長)が息を吹き返し、新規事業について内閣への提言をまとめている。8月29日には全国信用金庫協会全国地方銀行協会ヒアリングを実施し、「ゆうちょ銀行を完全民営化する期限を明示すべき」「間接的な政府出資が残る間は、民間事業者の圧迫につながる恐れが強い」などの意見を集めた。改正法が施行されても、小泉民営化を軌道修正できるかどうか予断を許さない状況になっている。
 松下氏の訃報を受け、野田首相は安住財務相に金融相の兼任を指示した。郵政民営化担当の命は受けておらず、大臣は空席となる。新しい大臣の着任は民主党代表選後の改造を待つことになりそうだ。安住氏が勝手に日本郵政株の3分の2を売却することはできない(親会社株については政府が3分の1超保有することが義務づけられている)。
 しかし、この間「フォローアップ会議」に新たな座長が据えられる可能性がある。私見では、国民新党森田高政務官以外の人物では、改正法の実効性が骨抜きになるのは避けられない。郵政民営化は国内的には財務官僚による省益拡大の側面もある。事業の方向性を固めるに当たって安住氏がイニシアティブを執るようなことになれば、小泉政権の描いたものとほとんど変わらないものになるだろう。

副会長に就任する稲村公望中央大学客員教授(2009.8、外国人特派員協会高橋清隆撮影)
主権国家」の闇と国民の幸せ
 他殺だとしたら、週刊誌の記事掲載は犯行と連動していることになる。これはロッキード事件立花隆田中角栄研究〜その金脈と人脈』の文藝春秋掲載や、三浦和義氏の被弾事件と『週刊文春』などによる保険金目当てとする記事掲載の関係と似ている。いずれも事件を仕掛けた者が記事を書かせたと確信する。
 植草一秀元教授が04年に巻き込まれたえん罪事件では、『フライデー』誌がねつ造記事を載せた。08年に損害賠償請求訴訟を起こした際、記者を法廷に呼び出すことに成功している。しかし、虚偽情報を流した「警察関係者」は姿を見せず、根源的な解明には至らなかった。
 今回の大臣の死が他殺なら、誰かにそそのかされて書いたか、記事掲載の情報を入手した者かそれを直接・間接に聞いた者が犯行に及んだことになる。
 マスコミと物的暴力の保持者が疎遠でないことは確かだ。世界最大の通信社、ロイターはロスチャイルド家に雇われていたシャルル=ルイ・アヴァスが作った仏国のアヴァス社からのれん分けされたもの。最初の顧客はライオネル・ロスチャイルドで、ここからMI6やCIA、モサドが誕生した。
 有賀裕二氏の書いた『悪魔が日本を嘲笑っている』(第一企画出版)によれば、占領軍の家族を守るために警察予備隊として発足した自衛隊内の特別組織が戦後の数々の謀略事件を起こしてきたとされる。一方、筆者の国際通の友人は豪州滞在中、バーで米国の軍人から暗殺出張に出向くことがあると漏らされたという。
 戦後の鉄道を舞台にした怪事件は迷宮入りしたし、児童連続殺害事件や神戸少年事件、毒物カレー事件、秋田児童連続殺害事件などはえん罪だと思っている。日本の警察は真犯人を逮捕できないのだ。
 事件に関する情報を一切公開せず、住民と話しもさせない国家に安寧などあるだろうか。大臣の不可解な死にほおかむりする体制の下で、国民生活の先行きは暗くなるばかりだ。


高橋清隆記者のプロフィール
反ジャーナリスト

著書:『亀井静香 最後の戦いだ。』(K&Kプレス)
   『亀井静香が吠える--痛快言行録--』(K&Kプレス)
   『偽装報道を見抜け!―世論を誘導するマスメディアの本質』(ナビ出版)