検証(56)飯尾能久教授(京大)の地下水仮説

NHKスペシャル「メガクエイク」(2010年1〜3月放送)を本に編集したもの。昨年3月の発行なので311についての記載はなし。

この本を読んで以下の点が気になった。

●地下水が地震の引き金?
飯尾能久(いいお・よしひさ)教授(京都大学)の興味深い記載がある。飯尾先生は、内陸地震がご専門ですが、「地下水」が断層を動かす引き金になっているという仮説を出されている。

(以下、92頁より引用)

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京都大学の飯尾能久教授は、活断層が破壊される際の引き金は、地下深くの水による刺激だと考えている。これはプレートが沈み込む際に運んだ周囲の海水だと考えられる。阪神淡路大震災では、地中100キロ近いところから湧いている有馬温泉に謎を解く鍵があるという。飯尾教授は、日本全国に地震計を1万台設置するプロジェクトをスタートさせた。日本中にある活断層の中から水がたまっている場所を捉えるためだ。地震のリスクが高い場所を絞り込むことができれば、確実に被害は抑えられると考えている。

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(引用終わり)

飯尾先生の過去のレクチャーがyoutubeにあった。画像の画質が悪いし専門的で素人には分かりにくいけれど、先生の誠実な人柄と、地震カニズムの理論そのものが未だ「仮説」の域を出てないことはよく分かる。このレクチャー(2007年)では「地下水」には特に触れていないようだ。
http://www.youtube.com/watch?v=qW2LB78FduQ

飯尾先生の仮説は内陸地震での話ですが、311のような海溝型地震の場合でも、「地下水」が断層を動かす引き金になっているのではないか、と素人ながら考える。そして、この仮説は、島村英紀氏の「地中への液体注入によって地震が誘発される」話と符合するし、山本寛氏の「地下の水が原子状水素になり爆発(水素核融合)することによって地震が発生する」という仮説とも関係してくるのではないか。

ちょっと強引すぎるか。

23頁の松澤暢(とおる)教授(東北大学)の話もすごく気になるけど、これは後日。