昨日あたりから腰痛がひどくなり異変を感じた。いつもと違う感じ。右の腰と背中にかけて痛みがある。ズキズキと内側からくる痛み。
仕事場で去年胆石をやった人に聞くと、症状が似ている。これは胆石かもしれない。やばい!
午後、横浜への出張を済ませたあと、事務所に戻らないで直帰し、すぐに近所のクリニックに駆け込む。受付終了後でしたが診てくれました。多謝。
診断は「帯状疱疹(たいじょうほうしん)」。胆石ではなかった。毎日ワインを飲んで血液サラサラの筈だから胆石の筈がない、などと勝手なことを思って、ややホットするも、背中の激痛は増すばかり。病原ウイルスを退治する薬(GSKのZovirax)を処方してもらう。この薬はめちゃくちゃ高い薬で9100円也(一週間分)。
帯状疱疹についてはよく知らなかったが、50代〜60代の年配の人に発症するケースが多く、疲労やストレス等による免疫力の低下などが要因とか。普通のひとはみんなこのウイルス(ヘルペスウイルス、水疱瘡ウイルスと同じ)を保有しており、条件によって発症するらしいので、ご注意あれ。症状が出たらなるべく迅速に治療することがポイント。
腰や背中に痛みが出たときは、以下に要注意。
・腰痛
・胆石や腎臓結石
・すい臓癌や腎臓癌
・胆嚢炎
・子宮筋腫(女性の場合)
・そして帯状疱疹(これは盲点だった)
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疫学的知見
「1年の中で特に起こりやすいという時期はない」とされていたが、宮崎県内の医療機関が1997〜2006年に行った4万8388例(男2万181人、女2万8207人)に対する調査[1][2]では、8月に多く冬は少なく、帯状疱疹と水痘の流行は逆の関係にある。この現象は、10年間毎年観測されたとしている。この調査とは別に、年齢的に水痘患者数の多い小児との接触の機会の多い、幼稚園や保育園の従事者には帯状疱疹の患者数が少ないことも明らかになっている。これは、ウイルスとの接触により免疫価が高くなり帯状疱疹が発症し難くくなっていると考えられる。一般的には、体調を崩しやすい季節の変わり目に多い。基本的には一生に1回であるが、2回なる人もいる(場所は変わる)。再発するのは5%以下。ただし、全身性エリテマトーデス (SLE) などの膠原病や後天性免疫不全症候群 (AIDS) 、骨髄疾患などで免疫機能が低下している人は、何回も繰り返すことがある。
ただし、ヘルペス・ゾスター(帯状疱疹)の活性化時期には体液中にも水痘ウイルスが存在する可能性もあるので、皮膚と皮膚の接触たけでなく口腔内にも水痘ウイルスはあり、また物品を介しても伝染の可能性もあるといわれる。よって、皮膚と皮膚の接触感染だけでなく、体液感染や飛沫感染も可能性はある。ただ水痘に比べて感染力は弱いであろうから一般には他人に感染することはないが、それでも口腔内などから飛沫として排出されることが希にはあるということは意識しておきたい。
妊娠中に帯状疱疹がでても非妊娠時と経過は変わらず先天奇形は起こらない。ただし、治療薬は胎児に影響するので、妊娠初期には控える。また、妊娠初期や出産直前に水痘になると胎児に影響があることがある。また、帯状疱疹もまれに胎児に感染することがあるので、必ず産婦人科に相談すること。
高齢者の場合、神経痛が強く残ることがある。疱疹後神経痛、帯状疱疹後神経痛という。その治癒は、場合により、長びくことがある。また、性格も(細やかであるなど)多少影響するとされる。
臨床所見
原因
帯状疱疹としてではなく水痘として感染する。飛沫感染ではなく接触性の感染であり、水疱の中に存在する水痘・帯状疱疹ウイルスが気道の中で増殖して水痘となる。水痘にかかったことのない子供には注意が必要である。発病した子供を抱くなどした場合、感染の恐れがある。(水痘にかかったことのない成人に対しても同様である。とりわけ妊婦への接触は避けるべきである。) 一度水痘になると、たとえ水痘が治癒しても水痘のウイルスが神経節の中に潜伏している状態(潜伏感染)が続く。ストレスや心労、老齢、抗がん剤治療・日光等の刺激などによりヒトの免疫力が低下すると、ウイルスが神経細胞を取り囲んでいるサテライト細胞の中で、再度増殖する(再活性化する)ことによって生じるのが帯状疱疹である(潜伏状態自体に害はない)。ウイルス再活性化のメカニズムは不明。
60歳代を中心に50歳代〜70歳代に多くみられるが、過労やストレスが引き金で若い人に発症することもある。年齢が若いから軽症ですむとはかぎらず、その患者の抵抗力により重症度が決定される。初期に軽症であっても、無理をすることでいくらでも重症化する疾患である。
ごく稀に、骨髄移植に伴いドナーが保有していた病原体により移植後に発症する事がある[3]。
一般的な症状
知覚神経の走行に一致して帯状に赤い発疹と小水疱が出現し、強い神経痛様疼痛を伴う事が多い[4]。前兆としてだいたい1週間くらい前から違和感やぴりぴりした痛みを感じることもある。
三叉神経に帯状疱疹ができたときは注意が必要である。髄膜炎、脳炎にいたるおそれもある。目の中にできると角膜炎や結膜炎を併発し失明に至ることもある。また、まれに歯槽骨の壊死・歯の脱落が 発生することもある[5][6]。なお、歯槽骨以外の骨の壊死の報告はない[5]。
耳の中にできると耳鳴り・眩暈などの後遺症を残すこともある。さらに、顔面神経に帯状疱疹ができることがあり、顔面神経麻痺(ラムゼイ・ハント症候群)にいたることがある。腰部や下腹部に生じた場合、排尿障害や排泄障害が生じることもある。
頻度は少ないが、神経痛のみで発疹が出ないという病態がある。2週間以上治癒しない場合、免疫機能の異常が考えられる。
通常、皮膚症状が治まると痛みも消えるが、その後もピリピリとした痛みが継続することがある。これを帯状疱疹後神経痛という。これは急性期の炎症によって神経に強い損傷が生じたことで起きる。 急性期の痛みは皮膚の炎症や神経の炎症によるが、帯状疱疹後神経痛は神経の損傷によるものなので、痛みが残った場合はペインクリニックなどでの専門的な治療が必要になる場合がある。 なお、この症状は、皮膚症状が重症な人、眠れないほどの痛みがある人、または高齢者に残る可能性があるので、早期の治療が望まれる。
帯状疱疹はどういう形で何が出るかも不明ということもあり、早めの兆候を見逃さず、症状を過小評価しないことが大切である。特に顔面神経麻痺などは湿疹が消えても治療が遅れるとなかなか治癒しないこともある。顔もしくは体にひどく痛い皮膚症状がでたら皮膚科に行くこと、また耳鼻科領域で顔面神経麻痺などが出たら、すみやかに治療に専念すべきである。
診断・検査
臨床症状で一般に判断できるが、時に虫刺され、接触皮膚炎、単純ヘルペス、ジベルばら色粃糠疹、自家感作性皮膚炎、乾癬などの疾患と鑑別を要することがある。
Tzanck試験と呼ばれる検査がある。出現した水疱の水疱液を抽出し発疹の塗抹標本をアセトンで固定後ギムザ染色を行い、細胞診により、巨細胞を検出する検査である。しかし、ウイルス以外でも巨細胞は多々認められるので有用性には疑問が多い。
一般のVZVモノクローナル抗体はHSVでも抗原抗体反応(交叉反応)を起こす。
血清診断では補体結合反応が一般的で、ペア血清で血清抗体価の上昇が診断の一助となる。皮疹の出現した日を第1病日とすると帯状疱疹では第4、5病日あたりから抗体価の上昇がみられる。
治療
アシクロビルやビダラビン、ファムシクロビルという抗ウイルス薬が特効し、点滴・内服による治療により短期間での回復が期待できる。現在はアシクロビルのプロドラッグであるバラシクロビル塩酸塩のバルトレックスが広く用いられている。皮膚症状に対しては前述の抗ウイルス薬の軟膏塗布(アシクロビル軟膏など)が効果的である。抗ウイルス薬剤は病気を治すのではなく、症状を緩和する。同時に安静にし体力を回復することも大切である。適切な治療が行われれば、1週間ほどで水ぶくれはかさぶたになり治癒する。
神経痛様疼痛は、治癒した後も後遺症として残ることがある。眼と関係する顔面神経で神経痛様疼痛が発症した際に、適切な治療をしなければ視力に影響が出ることがある。神経痛様疼痛に対する治療法は確立していない。必要に応じ対症療法として神経節ブロック[4]、理学療法、非ステロイド性抗炎症薬、抗うつ剤、抗けいれん薬、レーザー治療[7]などによって対処することがある。
○帯状疱疹後神経痛の治療法具体例
• 薬物療法
1. 抗うつ薬(アミトリプチリンなど) ※
2. 非ステロイド抗炎症薬(アセトアミノフェンなど)
3. 漢方薬(桂皮加求附湯など※)
4. 塩酸メキシレチン ※
5. プレガバリン(2010年4月、新薬が承認され、一定の効果を上げている)
• 局所療法
1. カプサイシン、アスピリン、硝酸イソソルビドなど外用 ※
2. 神経ブロック
3. イオントフォレーシス ※
4. 低出力レーザー ※
※…保険適応外
帯状疱疹の出現している時の急性期疼痛に対しては、アセトアミノフェン、リン酸コデイン、アミトリプチリンが欧米で使用されている。また、副腎皮質ステロイドの全身投与も急性期の疼痛を除去する作用がある。
アミトリプチリンは日本では保険適用外の抗うつ薬だが、早期に投与することにより帯状疱疹後神経痛を予防する事が出来るというデーターから特に60歳以上の患者に対して使用されている。
予防
米国での研究では水痘ワクチンを数万人の50歳以上の成人に接種することで、帯状疱疹の発症を対照群の半分に、主観的に痛みを残す人を3分の1に減らすことができたと主張するデータもある。2006年に、米国では60歳以上を対象とする帯状疱疹ワクチンとして承認された、このワクチンはいわゆる「水ぼうそうのワクチン(水痘ワクチン)」のことであり、数十年前に日本で研究開発されたワクチンである。米国のみならずEUなど30カ国以上で「帯状疱疹の予防目的」で広く使われている。日本でも2003年4月に高齢者(50歳以上)に接種することが承認されたが水痘と同じく任意接種なので自費となる。
なお、水ぼうそうのワクチンを帯状疱疹予防として接種する方法は、まだ一般的なものではないことから、医療機関によっては受けられない場合があるので、帯状疱疹に詳しい皮膚科やペインクリニックに相談をすることが肝要である。 免疫力が落ちてくる60代以上の高齢者で、帯状疱疹をしたことがない人には帯状疱疹後神経痛を回避するためにもワクチンの使用を考慮したい。また、帯状疱疹になる人はストレスや疲労により免疫力が下がっている状態なので、慢性的に不規則な生活を送る事や、過度の疲労、心労を要する作業を続ける事は控えた方が良い。規則正しい生活と、十分な栄養の摂取、心の安静が必要である。
その他
この病気に関しては、患部を冷やすのは逆効果である。外傷ではなく神経の病気であるため、冷やすとかえってウイルスの働きを助長する。
温湿布・カイロ等で温めるのも良い。但し、乾燥肌の人は温めると痒みが現れるため、やめておくこと。
また温めることは、後のちの神経痛の予防にもなる。
水ぶくれ(腫れ部分)が破れると細菌感染が起こりやすくなる。細菌による化膿を防ぐため、水ぶくれは破らないよう注意する。また、入浴に関しては医師に判断してもらうのが良い。水ぶくれが破れた状態で入浴すると、患部に細菌が付着し、状態の悪化に繋がる恐れがある。
方言
帯状疱疹という病気は、身近な病気であり、日本の各地に方言が存在する。
東北・北関東地方では「つづらご」「はくじゃ」、南関東では「ひっつらご」、中部地方では「つづらご」「おびくさ」、関西地方では「胴まき」「たすき」「おび」、中国四国地方では「胴まき」「けさ」「けさがけ」「けさよう」、九州地方では「胴巻き」「たづ」「へびたん」「たん」等という。
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(転載終わり)