ラウターちゃんさよなら

昨日の夜、とても悲しいことがありました。

お隣のワンちゃんのラウターちゃんが突然亡くなったのです。夕方の散歩から戻って(そのときカミさんに挨拶してすりすりしたそうです)、食事を食べて、ウンチをして、大好物のチーズをもらったあと、4回大きく息をしてそのまま横になって息をひきとったそうです。

阪神淡路大震災の日を直前にして亡くなりました。お隣のご夫婦は16年前の震災に被災されたあと、話ができないほど悲惨な思いをし、こちらに引っ越してこられたのです。偶然かもしれませんがなにか不思議な気がします。

ラウターちゃんは大型の牧羊犬でとても大きく厳つい体をして、見た目は怖そうですが、気性はとても穏やかでやさしく、目がとってもかわいいワンちゃんでした。いつも挨拶をするとこちらに寄ってきてすりすりなめなめしてくれるとてもやさしい犬でした。

近所の野良猫にいつもいじめられて逃げ回っている気の弱い犬でした。このワンちゃんの生い立ちにまつわる人間不審が原因で気が弱い犬になってしまったらしいのです。

このご夫婦に引き取られる前の長い間は、虐待されていたといってもいいほど悲惨な環境で生きていて、そのため足も悪くなっていたのです。ご夫婦に助け出される前はとても険しい顔をしていたのが、引き取られて大切にされるうちにみるみる穏やかでやさしい顔になっていき、体力も回復していったのです。最後の数年間はとても満ち足りて、このご夫婦と幸福に暮らしました。

そして、自分を助けてくれたご夫婦に一切迷惑がかからないように、ぎりぎりまで生きて、最後はあっさりと息をひきとったのだと思います。とても心が穏やかでやさしい立派な犬です。

ペット霊園に運ばれる前に、カミさんと三男と一緒にお花を持って最後のお別れをさせていただきました。泣けて泣けて言葉をかけてあげることもできませんでした。きみのことは決して忘れないからね。