木暮真久「20円で世界をつなぐ仕事」

とてもおもしろい本に出会った。ジュンク堂でたまたま手にとってそのままレジに直行。

1972年生まれ木暮真久さんは、TABLE FOR TWO (TFT)というNPO法人のヘッド。

企業の社員食堂にカロリーを抑えたヘルシーメニューを加えてもらい、その代金のうちの20円が開発途上国(特にアフリカ)の子どもたちの給食一食分として寄付される。この仕組みによって、アフリカの貧困と先進国のメタボリック・シンドロームという二つの社会問題を同時に解決する。これがテーブル・フォー・ツー(TFT)のコンセプト。

食の不均衡を解決するためにこんな手があったのか! と驚く。しかし、このシンプルなアイデアを実際の事業として動かしていくのはたいへん。木暮さんは、仕組みをゼロから作り込んで軌道に乗せた。すごい人だ。

社会貢献というと、「持てる人から持たざる人への善意に基づく施し」というイメージがあるが、寄付や施しだけでは、とうてい持続的なシステムにはならない。このことを認識することが重要。

社会事業=ボランティア活動、という図式ではダメ。持続的なビジネスにして一般企業に勤める人と遜色ない収入が得られるようなものでなければ優秀な人材も集まらない。

社会起業を持続的なビジネスにするための貴重なノウハウ満載。

ちなみに、この本を一冊買うと20円がTFTに寄付されて、アフリカの子供の給食一食分に充当される。

すべての人におすすめの本。