陸上競技大会

明け方4時半ころ起床。

今日は、二男の陸上競技大会の応援のため、かみさんと駒沢オリンピック公園競技場に行く。


5000メートルの決勝に出場。ハラハラドキドキしながら観戦。

高校生活最後のトラックレースだからなんとか入賞できればいいね。昨年までは足の故障続きで出場できないで涙をのんだレースが多かった。今日はなんとか力をすべて思う存分出し切ってほしい。

午前9時ジャストに駒沢陸上競技場にピストルが鳴り響く。36名がいっせいに走り出す。


いきなり先頭の選手が突出してリードする。名門国学院久我山の選手だ。2年生だ。2年生には負けたくない。

しかし、1周目ではやくも2位集団との距離がかなり開いている。どんどん開いていく。

うーん、この距離を縮めるのはちょっとむずかしいかも。

しかし本人は平然とした表情で2位集団をしっかりキープしている。予想以上に安定した走りではないか。走行フォームもなかなかいいじゃん。無駄な足の流れも無い。力をためているような感じ。雲の上を走っているようないつものフォーム。

じっくりと2位集団をキープしている。勝負をかけるタイミングを見計らっているのか。体力は大丈夫か。今朝はご飯と納豆とみそ汁の試合の日の定番メニューをしっかり食べた。エネルギーは充分あるはずだ。

先頭の選手のペースが徐々に落ち始めた。グイグイと距離が縮まってきたぞ。いいぞ、いいぞ、その調子。


2位集団から飛び出した!

いいタイミング。絶妙のタイミングだ。

行けーー!

今だーー!

先頭はスタミナが切れ始めたぞーー!

グイグイと先頭に迫っている。そのまま抜いちまえー。

残り2周あたりでぐいっと先頭に躍り出る。

トップだーー! 信じられない。


しかし、うしろから強豪選手が迫ってくる。油断するな!

2位との距離は徐々にひろがひろがりはじめている。スタミナはまだ充分残っているぞ。まだ苦しそうな顔ではない。前方の虚空を凝視するようないい目になっている。いけ、いけ、行けーー。思わず声が出てしまう。

どこにこんなにエネルギーがたまっていたのか。不思議だ。

そのまま逃げ切る、逃げ切る、逃げ切れーー!

うしろをちょっとふり返って確認した瞬間、残り半周で最後のスパートをかけた!

すごいスパートだ。これまで貯めこんだエネルギーを爆発させたようなスパートだ。全速力のスパートだ。

これまでに蓄積された無念さを一気に燃焼させているのか。無念さを爆発させてエネルギーに変換しているのか。ジェットエンジンが着火したようなスパートダッシュ

ゴールはもうすぐだ。ゴールはすぐそこだ。ゴールだ、ゴールだ。

陸上に賭けた6年間の最後の瞬間だ。走ること以外には一顧だにせず、もちろん勉学なんぞには脇目もふらず、勉強への誘惑をすべて断ち切って、中高6年間のすべてを打ち込んだ陸上。

その6年間のすべての思いをぶちまけたようなラストスパートだ・・・・

一瞬の風となってゴールに突っ込んで行く姿は溢れてくる涙でよく見えなかった。

・・・・・・・・・・・

15分26秒の闘いが終わった。


そしてこの瞬間に6年間の陸上人生が一応終わった。ごくろうさん。そして、おめでとう。

ところで、勉強の方も、もうちょっとがんばってね。なんて野暮なことはもう言いません。