人生フルーツ(ある建築家と雑木林のものがたり)


人生フルーツ。
建築家老夫婦の日常を描いたドキュメンタリー映画
カミさんが、この映画見に行きたい、と言っていたのでちょっと調べてみました。

愛知県春日井市高蔵寺ニュータウンの一隅。雑木林に囲まれた一軒の平屋が、津端夫婦の生活の拠点。

津端修一(つばた・しゅういち)さんは、1925年1月生まれ。東京大学の建築出身。東大ボート部のキャプテンでもあった。建築設計事務所を経て、日本住宅公団へ転職したのち、阿佐ヶ谷住宅多摩平団地などの数々の都市計画に携わってきた。高蔵寺ニュータウンもそのひとつ。広島大学教授などを歴任し、自由時間評論家として活動。2015年、90歳で他界。ということは、この映画は亡くなる直前の映像とういことか。修一さんは、約2年にわたるこのドキュメンタリーの撮影の途中(1年目)で突然亡くなられたらしい。ご冥福をお祈り申し上げます。



奥様の英子(ひでこ)さんは、1928年1月生まれ。現在89歳。愛知県半田市の老舗の造り酒屋の娘。27歳で修一さんと出会って結婚。娘二人を育てる。畑、料理、編み物、機織りなど、手間ひまかけた手仕事が大好き。いつも笑顔を絶やさないチャーミングなおばあちゃま。


もともと修一さんは、1960年代に高蔵寺ニュータウンの計画に携わることになり、この土地の雑木林を残して自然と共生する都市をデザインしようとしていた。しかし、当時の経済優先、効率優先の圧力によって、彼の夢は実現を阻まれることになってしまった。実際に完成した高蔵寺ニュータウンは、津端さんの理想とはほど遠い無機質な大規模団地。

それでも諦めきれなかった津端さん夫婦は、それまでの仕事から距離を置き、自ら高蔵寺ニュータウンの一角に土地を買って、雑木林を育て、家を建て、ドイツのクラインガルテンを導入した理想郷をつくった。


それから50年。二人は、野菜や果樹を育てながら、「人生フルーツ」という言葉がぴったりな豊かな生活を続けてこられたのですね。理想的な人生の師。


●『人生フルーツ』劇場予告編



先週たまたまオルビスで愛知県に行った折に、近所を通りかかったので、津端邸を探ってみると、はたして、高蔵寺ニュータウンの一角に、ありました!


散りはじめた満開の桜が咲き誇る大きな公園に面した住宅地の角地。300坪(2区画)の雑木林に囲まれた赤い屋根の家。これが津端さんご夫婦の生活の舞台だったのかと、ちょっと感動しながら、しばし見学をさせていただきました。深謝。




赤い屋根の母屋は、津端修一さんが師とあがめる建築家アントニン・レーモンドの自邸に倣って建てたそうです。


以下↓の庭の配置は、こちらのブログ記事から拝借いたしました。多謝。
http://blogyang1954.blog.fc2.com/blog-entry-989.html



四季折々を彩るキッチンガーデンには、70種の野菜と50種の果実が実り、英子さんたちの手によって日々の食材になる。


『人生フルーツ』を上映予定の映画館は以下の公式サイトで確認することができます。

●映画『人生フルーツ』公式サイト
http://life-is-fruity.com/



【参考】
これ↓は、おそらく東海テレビで放映されたものではないか。画質がいまいちですが、雰囲気はわかります。

●人生フルーツ ある建築家と雑木林のものがたり.
http://video.fc2.com/ja/content/20170102XRqSgkx4/

●伏原健之監督登壇!『人生フルーツ』舞台挨拶@REPORT



●「人生フルーツ」のその後から何が見える? 1月19日放送 アンカーマンの目/News Tonight いいおとな



津端夫婦はこれまで数多くの著作を出版されている。

キラリと、おしゃれ―キッチンガーデンのある暮らし

キラリと、おしゃれ―キッチンガーデンのある暮らし

あしたも、こはるびより。: 83歳と86歳の菜園生活。はる。なつ。あき。ふゆ。

あしたも、こはるびより。: 83歳と86歳の菜園生活。はる。なつ。あき。ふゆ。

ききがたり ときをためる暮らし

ききがたり ときをためる暮らし


ふたりからひとり ~ときをためる暮らし それから~

ふたりからひとり ~ときをためる暮らし それから~

  • 作者: つばた英子,つばたしゅういち,水野恵美子,落合由利子
  • 出版社/メーカー: 自然食通信社
  • 発売日: 2016/11/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログ (5件) を見る