日本の和紙が世界無形遺産に


昨年の「和食」に続いて、日本の「手すき和紙技術」が世界無形遺産登録になる模様。今夜10時頃確定するとのこと。

よろこばしいことです。

このニュースを聞いて、数年前に聞いた日本科学史学会の小林良生(よしのり)氏の古代製紙技術史のレクチャーを思い出した。

●古代製紙技術(小林良生)
http://d.hatena.ne.jp/gyou/20100123
小林良生先生は、自然科学の手法を駆使して古代の製紙技術の技法を解明しようとしている、その精力的な姿勢に打たれる。紙に対する愛情と情熱を感じる。
和紙は1000年、洋紙は100年、という。
おそらく、1000年以上にわたって何か記録(文書)を残そうとすれば、和紙以外にその手段はない、と小林先生は言う。デジタルデータは1000年後にも残せるような代物ではない。洋紙は100年以内にボロボロになる。
和紙を開発した古代の技術者はすごかったのだ。

●和紙 無形文化遺産の登録審議始まる
11月26日 18時54分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141126/k10013508621000.html

世界各地の伝統文化などを保護するユネスコ無形文化遺産の登録審議がフランスのパリで始まり、日本が提案している手すき和紙の技術は、早ければ26日夜にも無形文化遺産に決まる見通しです。
無形文化遺産の登録を審議することしの政府間委員会はパリにあるユネスコ=国連教育科学文化機関の本部で午後6時前に始まりました。
無形文化遺産は、世界各地の歴史や風習に根ざした伝統文化や芸能を保護していこうというもので、ことしは世界各地から46件が提案されました。
このうち日本からは、島根県の「石州半紙」、岐阜県の「本美濃紙」、それに埼玉県の「細川紙」という、いずれも「こうぞ」だけを原料に、伝統的な手すきで作られる和紙が提案されていて、22番目に審議される予定です。
ユネスコ日本政府代表部の門司健次郎大使は「できるだけ早く決まることを期待する。文化を保護するのが重点だが、同時に広く世界に日本の文化、技術が知られることを期待したい」と述べました。
手すき和紙の技術について事前審査を行ったユネスコの補助機関は、先月登録がふさわしいと勧告しており、早ければ日本時間の26日夜にも無形文化遺産への登録が決まる見通しです。
「手すき和紙の技術」は去年3月、日本の伝統的な工芸技術の1つとして日本政府がユネスコに提案しました。
「こうぞ」という植物を原料に使い、「流しずき」と呼ばれる技法で丁寧に仕上げた紙は非常に丈夫で、障子紙のほか、文化財の保存修理用に使われています。
このうち岐阜県の「本美濃紙」は、2011年に提案されましたが、すでに無形文化遺産に登録されていた島根県の「石州半紙」と似ていることを理由に登録が見送られました。
このため文化庁は去年、「こうぞ」を原料に用いる「石州半紙」と「本美濃紙」、それに埼玉県の「細川紙」をまとめて「日本の手すき和紙技術」として改めて無形文化遺産に登録するようユネスコに提案ました。
これを受けてことし10月、事前審査を行ったユネスコの補助機関は、手すき和紙の技術について無形文化遺産への登録がふさわしいと勧告していました。