欧州特許庁のサイトで今回の万能細胞に関するPCT国際特許出願の公開公報を見つけたので、ちょっと調べてみました。
公開番号:WO2013163296 (A1)
発明の名称:GENERATING PLURIPOTENT CELLS DE NOVO
全文は131頁の超巨大な明細書です。
70以上あるクレーム(特許請求の範囲)のメインクレーム1はわずか1行!
What is claimed herein is:
1. A method to generate a pluripotent cell, comprising subjecting a cell to a stress.
(細胞にストレスを与えることからなる、多能性細胞を生成させる方法。)
たったこれだけ。
この場合のストレスのひとつが、弱酸性溶液による刺激だということです。
この広いクレームで特許になる可能性は、無いとはいえない。
ところで、発明者は以下の7名となっている。
Charles VACANTI [US]
Martin VACANTI [US]
KOJIMA KOJI [US]
OBOKATA HARUKO [JP]
WAKAYAMA TERUHIKO [JP]
SASAI YOSHIKI [JP]
YAMATO MASAYUKI [JP]
BRIGHAM & WOMENS HOSPITAL [US]
RIKEN (理化学研究所)[JP]
UNIV TOKYO WOMENS MEDICAL (東京女子医大)[JP]
日本の報道をみる限り、今回の万能細胞の発明は、小保方春子女史の忍耐と独創力とセレンディピティによるものだと思われます。であれば、筆頭発明者は小保方さんであるはずですが4人目になってます。なぜかハーバード大のCharles VACANTI(チャールズ・バカンティ)教授が筆頭発明者になっちゃってます。第2発明者はMartin VACANTIでバカンティ教授の弟か?
つまり、ちゃっかりと兄弟で主発明者の地位を独占している感じですね。
Charles VACANTIはこの↓おじさんです。
今回の研究がアメリカ国内でなされ、本件国際出願の基礎出願もアメリカに出されているので、米国の研究者が筆頭になるのは仕方がないのかもしれませんが・・・
BBCではCharles VACANTIの話と映像がもっぱら報道されていました。
なんだか変ですね。
ハーバード(アメリカ)が小保方さんの業績を狡猾に取り込もうとしているのでしょうか。
そんなエゲツナイことはないとは思いますが・・・
いや、ちょっと気になっただけです。
ハーバードは1兆円規模の自由に使える研究資金を持っていると言う人もいましたが、実情はどうなのでしょうか。いずれにしても、また、日本人の優れた研究が米国に取り込まれてしまう事例の一つになってしまうのでしょうか。
ちなみに、山本五十六を取り込んだのもハーバードでした。おかげで理不尽な「パールハーバー」というアメリカの欺旗作戦に利用されてしまいました。