検証(101)除染作業に80兆円?

人間が日常的に体内に保持している放射性カリウム40の量の測定誤差範囲内程度の量である放射性セシウムが、どうして問題なのか?

その「除染」のためにどうして80兆円もかけなければならないのか?

カリウム40は自然の放射性物質であり、一方、セシウム137は福島原発由来の人工放射線である。自然放射線は体に悪影響はないけれど、人工放射線は悪影響があるのでダメだ、というのは怪しいオカルトか単なる感情論にすぎない。同じβ線を出す放射性物質であり、実質的に体への影響に違いはないのではないか。

天然のβ線核種であるカリウム40は以外に多い。カリウム40は土中に普通に含まれるカリウム放射性同位体であり牛乳1リットル中に約50ベクレル程度含まれている。その他に各種食品中にもけっこう含まれている。


或る医師のブログによれば、福島県に滞在し6月の初旬に全身検査を受けられた方の測定値の例が示されている。

カリウム40: 3290ベクレル 誤差範囲32%
セシウム137: 637.5ベクレル 誤差範囲27%
セシウム134: 588.6ベクレル 誤差範囲29%
ヨード131: 未検出


カリウム40の発癌性が問題とされていないのに、カリウム40の含有量の測定誤差程度の同じβ線核種であるセシウム137を問題視するのはどういうことだろうか。

風評被害を煽ろうとする感情論のために80兆円も税金を使ってどうするつもりか(完璧に除染するには800兆円かかるという人もいる)。ちなみに国家予算は92兆円。

なにか裏の意図があるとしか考えられない。

もともと、本質的問題は除染の要否といったところにはない。

福島原発事故の前に事前に燃料棒は撤去されていて、主たる放射性物質は、3月14日の3号機爆破に起因するものである可能性がある。もしそうではなくて、本当にメルトダウンメルトスルーが起こって広島原爆168個分の放射性物質が放出されていたのであれば、関東以北は人間が住めない土地になっているはずだ。先日、福島原発3キロ以内に一時帰宅した人々は生きて戻れないはずだ。彼らは元気に戻り放射能の除染も必要がないほどだった。どうしてか。

小出先生はこの現在の福島原発の状態をどう分析しているのだろうか。東電や政府の発表を未だに信じているのだろうか。うすうす変だと思いながらもLNT仮説に基づく反原発路線を進むしかないと覚悟を決めているだけか。


【参照】
ケインズ経済学的「究極の公共事業」・・・科学を無視した放射線防護(人力でGO)
http://green.ap.teacup.com/pekepon/

●(六号通りの先生)「ホールボディカウンターの測定値を読む [科学検証]」
http://rokushin.blog.so-net.ne.jp/2011-09-14#comments

カリウム40(Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%83%A040

人体での内部被ばく線量
カリウムは、岩石に大量に含まれるほか、動植物にとって必要不可欠な元素である。食品中に含まれるカリウム40の濃度はかなり高く、白米1kg中の放射能強度は33ベクレル(Bq)ほどになる。外洋の海水中には1リットルあたり12.1ベクレルが含まれる。カリウムは水に溶けやすくナトリウムと似た性質を持ち、経口摂取するとすみやかに全身に広がる。生物学的半減期は30日とされる。人体が持つ放射線強度は、体重60kgの成人男子で約4000ベクレルである。これによる年間の内部被ばく線量は、0.17ミリシーベルト(mSv)となる[5][6]。天然に存在する放射能の中で内部被曝による線量が大きいものの一つである。