角田史雄(つのだ・ふみお)氏(埼玉大学)の熱移送説について。プレートテクトニクス理論では今回の地震は説明できないという話。
今回の311の地震メカニズムについての地震学者の説明を探していたところ、角田史雄氏(埼玉大学名誉教授)の「熱移送説」を見つけた。
これまでの地震学者や気象庁の解説では、プレート境界面の固着域(アスペリティ)が広範囲に破壊され未曾有の巨大地震となった、とされている。これはプレートテクトニクス理論に基づく説明。これまでの報道はすべてこの説によるものであり、ほとんどの人がそう信じている。
しかし、以下の角田史雄氏による記事(日経ビジネスオンライン)によれば、地震は熱移送により起きるのであって、プレートテクトニクス理論では今回の地震は説明できないらしい。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20110321/219067/?P=2
熱移送説によれば、地核で発生し地球の表面へと伝わる熱によって地震が生じるという。つまり、「地下でマグマの高温化が発生」→「岩石が溶けて温度と液体圧とが上昇」→「体積膨張が発生」→「弾性変形・破壊」→「地震が発生」という一連のプロセスによって地震が起こると説明する。
さらに今回の311地震で重要なことは、プレート境界面(固着域(アスペリティー))で地震が起きたのではなく、北米プレートの裂け目が震源断層になっている、ということだ(名古屋大学の「地震学ノート」)。
http://www.seis.nagoya-u.ac.jp/sanchu/Seismo_Note/2011/NGY36n.html
話が違うではないか。
この矛盾についてプレートテクトニクス論者の説明が聞きたい。
単なるプレート内の裂け目(クラック)がどうして震源断層になるのか。
北米プレートと太平洋プレートがぶつかる境界面の固着域(アスペリティー)で地震が起こらなかったのは、今回の311地震が「想定外」だったという理由からなのか?
ところで個人的には、この熱移送説と山本寛氏の水素核融合説を組み合わせることによって、今回の311地震(本震)とその後の膨大な数の余震が説明できるのではないかと思い始めた。
(そして、311を計画した実行グループは、プレートテクトニクス理論なんて端から信じていないのかも・・・)
プレート理論による地震発生メカニズムの一般的説明は以下↓
http://www.town.miyashiro.saitama.jp/jishin-hmap/pdf/zisin_zyoho_7.pdf#search=
'
角田先生の熱移送説については、以下が参考になる。
http://blog.sizen-kankyo.net/blog/2011/05/000893.html
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=248043
(以下、角田先生自身の解説の部分転載)
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これまで、多くの人が 「プレートによる衝突と沈み込みによって地震が起こる」と習ってきたのではないでしょうか。
「地球内部の熱が溢れ出す海嶺から生まれた海洋プレートは、年間数センチ単位で移動し、大陸プレートを引きずり込みながら沈降し、海溝をつくった」というプレート同士に働く力を解明したのが、「プレート・テクトニクス理論」です。
1968年の十勝沖(青森県東方沖)地震(M7.9)の翌年に「地震予知連絡会」が発足。
その基本理念として、プレート・テクトニクス理論があり、観測強化地域として「東海沖地域」と「南関東地域」の2つの地域が選ばれました。
地震の原因がわかれば、地震を予知できるはずですが、この30年間まったく当たっていません。
地震は、本当にプレートの活動によって起こるものでしょうか?
地震予知連絡会を設置した測地学審議会は、2004年の建議で、南関東地域を観測強化地域から外しています。
地震学者は先に地震の原因をモデル化する、理論を先行させる研究ですが、私(著者の角田氏)の専門は構造地質学で、過去に起こった地殻変動の歴史を解明して、「結果」から「原因」を探る研究です。
研究を開始した1963年から、「地殻変動の原因、地震の原因はマグマやマントルにあるのではないだろうか」と思っていました。
たとえば、神奈川県と山梨県との県境にある丹沢山地の真ん中では、マグマの固まった閃緑岩が地下から押し上げて、上にあった地層を押し曲げています。
そうした地層の年齢を調べてみると、ほとんどが海底でできた地層です。
また、丹沢地域の南の足柄地域を調査すると、プレートの衝突や沈み込みがありません。
もし、太平洋プレートが押し寄せているなら、足柄地域は南から北へ力を受けて、東西方向に曲がった軸ができているはずです。
ところが実際の足柄の地層は、地下からの押し上げによって、東から西へ押し上げられて曲がっています。
2008年5月に発生した巨大地震では、日本では起こらずに、なぜ中国中西部の四川省で起こったのか、プレート・テクトニクス理論では理由を説明できないのです。
「マントルトモグラフィ」で地球内部の画像を写すと、マントルは均一ではないことがわかります。
そして、南太平洋とアフリカには、約6000度の溶けた物質でできている外核からの熱が伝わってきている様子がわかります。
私たちは長い間、「地球は上から地殻、マントル、地核(外核と内核)に分けられ、マントルには対流がある」と教えられてきましたが、マントルはまるで「アリの巣」のように、熱い部分と冷たい部分とが入り組んでいます。
つまり、マントル全体にわたるような対流は起きていないことがわかります。
地表に近づくにつれて、赤くなった熱い部分が横へ移り、もっとも地表に近い地下50kmでは、地震の多発地域である日本列島は真っ赤です。
どうやら地殻の下が高温から中温であることが、地震が発生する必要条件になっているようです。
つまり、「地下の熱移送と地震の発生には関連がある」ということで、「地下でマグマの高温化が発生」→「岩石が溶けて温度と液体圧とが上昇」→「体積膨張が発生」→「弾性変形・破壊」→「地震が発生」という一連のプロセスが想定できるのです。
中国の黄河中流域をこの熱移送で考えると、「黄河中流域は中温域であり、運ばれた熟で岩盤が膨らんで割れ、地震が発生する場所」という説明ができるのです。
地下の岩石が熱で膨張して体積が増しても岩石の量は増えないので、隙間、つまり割れ目ができて破壊が起こるというのが地震が起こるメカニズムです。
火山活動と地震活動にはある種の規則性があり、私は「地震の起こり癖」と呼んでいます。
岩手県内陸南部地震の震源は栗駒火山で、2003〜2006年ころから、南北に並んだ火山でマグマ活動が激しくなり、火山帯の地面は温かくなり、膨らんだことが予想されます。
その結果、「飛び跳ね」現象の地震が起こったのです。
2008年6月14日の岩手県内陸南部地震の後も、東北にある活火山は活発な活動を続けていますから、東北にはまだ地震エネルギーが残っているかもしれません。
その証拠に、太平洋沿岸地域では、M6〜7クラスの地震が次々と起こっています。
また、マグマ活動が盛んな時期に、太平洋沿岸で巨大地震が起き、その約1年後に内陸で火山の噴火や大地震が起きています。
東北地方では、約30〜50年周期で、太平洋沿岸と内陸で連動して大地震が起こるということです。
これが、東北における「地震の起こり癖」なのです。
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(転載終わり)