昨日の「直線性=反原発=プレート説に要注意」に対して質問をいただきましたので回答します。
いったい、直線説とは何か?
放射能の人体への影響についての直線説(直線仮説)とは何か。
以下は、放射線医学については素人である私が理解している範囲での私的な見解であります。
話を分かりやすくするために、思い切り単純化した比喩で説明しますと、たとえば塩(塩分摂取)を毎日5グラム〜8グラム摂取するのは体に良い。しかし、一度に5キロ食べると体に悪い(あるいは死んでしまうかもしれない)。
直線説では、総量で一度に5キロ食べると死んでしまうのであれば、一日に5グラムづつ摂取したしても、やっぱり体に悪い。まったく摂取しなのが一番体にいい、という考えです。
一度に5キロ食べると死んでしまうのあれば、5グラムでも体に悪いはずだ。つまり、5キロの死亡データを5グラムまで外挿して直線でリニア−に結んでしまうのが直線説。
だから、直線説では放射線はゼロがベストと考えます。ラドン温泉なんてもってのほか。直線派の人々はけっして山梨県の増富ラジウム温泉には行かないでしょう。
つまり、5キロ→5グラム→ゼログラムまで直線で繋ぐ理論が直線説。
放射線の「総量」と放射線の「線量率」の問題をごっちゃにしているのが直線説を前提とした今のマスコミの報道です。だから、直線説では低線量率であろうとなかろうと放射線はすべて悪。
このような直線仮説が今の学界の主流であり、閾値(しきいち/いきち)仮説は異端となっています。
一方、閾値派は、放射線には一定の閾値(しきいち/いきち)が存在し、この閾値の範囲内であれば問題はない、むしろ体にはいいのではないか、という説です。塩分摂取であれば、5グラム〜8グラムが一日の閾値。直線派はこの閾値を絶対に認めない。京大の小出先生もそうです。慶応大学の近藤先生も閾値派を原発推進派として罵倒しています。国際機関が直線説であるという理由で批判をするわけです。
閾値派としては長崎大学の山内俊一先生や東大で研究をされていた稲恭宏(いな・やすひろ)先生が有名です。しかし少数派の異端です。稲先生に対しては誹謗中傷が激しいですが、稲先生の実験報告(マウスの実験ですが)を読んだ限りでは、稲先生の主張は正しいと思います。(直線派はショウジョウバエのデータを根拠にしているようですのでマウスの方がまだましか)
閾値説を支持するサイトとしては、以下のブログが参考になります。
「心に青雲」
http://blog.goo.ne.jp/hienkouhou/e/c88daa2189d349de60a12e108f300b05#comment-list