石油生産藻類の発見

これは画期的な発見!
筑波大学の渡邉信教授、彼谷邦光特任教授の研究グループが、効率的に石油を生産する藻類を新たに発見。12/14の学会で発表されたらしい。(現在特許出願がされているらしいが、公開公報が出るのは1年半後。論文が出ていたら読んでみたい。)
新たに発見されたこの藻類は従来知られている藻類に比べて約10倍の石油(炭化水素)生産能力があるらしい。「国内の耕作放棄地などを利用して生産施設を約2万ヘクタールにすれば、日本の石油輸入量に匹敵する生産量になる」らしい。これが実現可能なら、ものすごいことだ!

トウモロコシなどの陸上植物から生産するバイオ燃料に比べて格段に収率が高いらしい。トウモロコシだと年間1ヘクタールあたり0.2トンしか採れないが、藻類だと47〜140トン採れる。トウモロコシの200倍から700倍の収率が期待できる。しかも重要なことは、藻類の生みだす炭化水素は石油に近いということ。(そういえば、そもそも石油は何億年もかけて藻類が蓄積した地下資源だからあたりまえか。)

したがって、藻類が生産する炭化水素は、灯油、軽油、ガソリンなどの燃料になるほかプラスチックや化粧品などの化学製品の原料にもなる。ここがトウモロコシと大きな違い。

(以下、朝日の記事より)

藻類「オーランチオキトリウム」の沖縄株=筑波大提供

炭化水素をつくる藻類は複数の種類が知られているが生産効率の低さが課題だった。渡邉教授は「大規模なプラントで大量培養すれば、自動車の燃料用に1リットル50円以下で供給できるようになるだろう」と話している。さらに、この藻類は水中の有機物を吸収して増殖するため、生活排水などを浄化しながら油を生産するプラントをつくる一石二鳥の構想もある。(山本智之)

http://www.asahi.com/science/update/1214/TKY201012140212.html

筑波大学・渡邊教授の研究に関するテレビ番組のYoutube動画があった。
http://www.youtube.com/watch?v=BOAtyV3DZl8