大林環境技術研究所の廃棄樹皮活用技術

NHKの早朝のニュースで大林環境技術研究所の「樹皮の有効活用技術」が紹介されていた。これはいい!

大林久さんという方がこの技術を研究開発された。檜や杉の樹皮は腐敗しにくく微生物による分解がされにくいため、これまでは産業廃棄物として焼却処分されていた。大林さんはこれを植物の培養素材として有効活用する技術を発明。
これまで樹皮を堆肥にするために腐らせる方法ばかり研究されていた。大林さんは発想を逆転させて、むしろ腐敗しにくい樹皮の特性を生かす方法で培養土ができないか、と考えた。杉や檜の天然樹皮をリサイクルし、特殊加工して、ミネラルコンポストを配合する。これで、急斜面でもネットなしで植物緑化の施工が可能になる。

こんな斜面も芝生にすることができる。


主な特徴は以下。

・樹皮が本来的に有する殺菌・殺虫力を保持して活用する。
・繊維質の特性を生かして飛散しにくく流れにくく崩れにくい培養土壌ができる。
屋上緑化や壁面緑化の培養土に好適。垂直の壁面もOK。
・樹皮の繊維構造があるため、土の中に隙間ができ、土壌が柔らかいので根が伸びやすくなり、排水性が良く、殺菌力があるため根腐れしにくくなる。
・通気性が高く熱伝率が低いため、冬枯れ期間が短くなる。
・保水性があるので雨の少ない夏の乾燥期にも有利。

以下のYoutubeに動画がある。
http://www.youtube.com/watch?v=im_d9Om2AV0

特許庁のサイトで「大林久」で検索すると、30件ほど大林さんが発明者として出願した特許出願の公開公報をみることができる。

以下の「おもしろエコびと」というサイトに大林さんのインタビュー記事があり、参考になります。
http://www.shiminken.net/kako/watch/eco_people/obayashi/001.html


この技術が拡がっていくといいかも。たとえば、日本の増えすぎた杉をどんどん間伐して、杉材を有効活用するとともに廃棄物として出る杉皮をこの技術で培養土化してビルの屋上を雑木林にし、ビルの壁面も緑化する。これで日本の林業は活性化して熱帯雨林の保護にもなり、花粉症も確実に減る。ビルの屋上や壁面が緑化されればヒートアイランド現象は解消し、都会に昆虫や野鳥がやってきて生物多様性も復活。めでたしめでたし(+_+;)\パコッ!