目黒の東京都庭園美術館まで香水瓶の展示を見に行く。工芸品としての香水瓶に興味あり。掌の中で愛でることができる実用的な工芸品であり、日本の根付にも通じるものがある。掌中工芸(これは僕が勝手に名付けている工芸ジャンル)。しかも単なる置物ではない工芸品。用の美。だからいいのです。
この美術館は目黒駅から徒歩7分のところにある。旧皇族の朝香宮家の本邸を美術館にした。広い敷地の森林に囲まれたアール・デコの館。宮様ご夫婦がパリに数年滞在したときにアール・デコの洗礼を受けて作った邸宅。ルネ・ラリックはその頃はジュエリーの世界からガラス工芸に転向していたか。
香水瓶とその関連工芸美術品353点ほどの展示。しかし、内部は一切撮影禁止ということで生写真はなし。
館内のショップで買った図録から印象的な香水瓶の写真を撮る。
水晶を彫って作った本体に金の装飾とルビーの象眼。美しい。
ブシュロンによる七宝。今回これが一番見たかった香水瓶。ダイアモンドと金、そして七宝。この七宝は省胎七宝でステンドグラスのような効果が特徴。とにかく微細で美しい。
これは共産革命前のロシアが産んだ天才工芸家ファベルジェの超絶技巧。
ルネ・ラリックのデザイン(1920年)。パチネを施した海の女神がなまめかしい。