読み終わるのがもったいないほどおもしろい。この本のおかげで通勤時間でのハングルと中国語学習の時間が数日間なくなってしまった。
勝間和代が原案、奈部真が作とある。あるファンドが、業績の傾いたPHSの会社を買収し業績を回復させたあと売却する話。エグジットとはファンド業界の用語で「売却」。
ぼろぼろになった家を安く買ってリフォームしたあと高く売る、といった感じか。移動体通信の業界のディテールが技術の詳細も含めて正確で良くできているし、登場人物の描写もリアル。魅力的な現場の人たちがうまく描かれている。
主人公の小柳亜希子は勝間さんご自身がモデルではないと後書きで書かれているが、かなり本人に近いのではないか。29歳のバツイチ独身。ワインセレクションもなかなかだが、ぬる燗も好き。囲碁の達人で浪花節的なところもあり。エグジットのために送り込まれた会社に次第に情が移っていく過程がいい。なかなか魅力的。また、ビジネススキルを磨くヒント満載。特に問題解決の具体的プロセスを疑似体験できる。いろんな意味で勉強になる。
勝間さんは最近最も活躍されている経済評論家。自転車を愛用されていることでも有名。高価なロードレーサーを駆使して都内を移動しているらしい。以前、本人のブログかなにかでトランンジットスーパーライトというブリジストンの14インチの軽量折り畳み自転車を和田サイクルで購入した話を読んで好感をもった。
ビジネス書としても、経済サスペンスとしてもグイグイ読ませておもしろい。小柳亜希子女史の次の活躍が楽しみ。
- 作者: 奈部真,勝間和代
- 出版社/メーカー: マガジンハウス
- 発売日: 2010/05/27
- メディア: 単行本
- クリック: 16回
- この商品を含むブログ (14件) を見る