木本忠昭の戦後日本技術史

科学史学会主催の科学史学校を聞きに秋葉原明治大学サテライトキャンパスまで。数年ぶりの秋葉原はずいぶん小綺麗になって、駅前に巨大なビルが。


今日のレクチャーは、今年3月東京工業大学を定年退職した木本忠昭名誉教授。木本先生は最近「科学史技術史研究所」を立ち上げたらしい。興味あり。

木本先生の広くかつ重層的な視野から総合的に人間社会の技術活動の変遷を把握しようとする。社会的階層、官民学のそれぞれの社会システム間の相互作用を分析し、従来なかった新たな視点で技術史を解明しようとする。特に、石炭産業衰退の真相、チッソ水俣病事件の社会的背景と米国石油資本の日本参入(ひも付き借款)との関係。などなど、聞いていてかなり興奮。実におもしろい。木本忠昭先生の論文を探して読んでみようと思う。

従来の技術革新史観に基づく技術史家達に対しての批判にも納得する。星野芳郎、中山茂、中岡哲朗に対する適切な批判。

技術と科学はまったく異なるものだ(これは最近亡くなった内田星美氏のことば)。

技術は文化である。