- 出版社/メーカー: 東京化学同人
- 発売日: 2009/02/19
- メディア: 雑誌
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現代化学(東京化学同人)の最新号(3月号)に太陽光発電の特集記事があった。
ジェネシス(GENESIS)計画というプロジェクトがあるらしい。桑野幸徳氏(元三洋電機社長)が20年前に提唱したプロジェクトで、GENESISとは、Global Network Equipped with Solar cells and International Superconductory gridsの頭文字から名づけた。
世界の砂漠地帯の総面積のわずか約4%の地域に太陽光発電所を設置すれば、全世界の電力需要を賄うことができるらしい。
太陽光で発電した電力は、送電ロスのない超伝導送電網でつなぐ。
送電ロスのないケーブルの開発がネックになっていたが、2000年頃に住友電工が開発した優秀な超伝導ケーブルが登場してこのプロジェクトに現実味がでてきた。
夢のある壮大なプロジェクト。コストの問題を含めて様々な障害があることが指摘されてはいるが、いずれ人間の知恵によって解決されるのではないか。
発電のコスト(1kWh当たり)を他の発電方式と比較すると以下のとおり。
太陽光発電 約22円
石油火力発電 約11円
原子力発電 約9円
送電距離が長くなると超伝導ケーブルのコストが嵩む。
そこで、長距離輸送の場合は、現地で得た太陽光電力で水を電気分解して水を製造し、これを輸送・貯蔵のエネルギー媒体にするというWorld Energy Network計画(WE-NET)を活用するという手もある。
つまり水素エネルギーパスを活用するWE-NET計画とGENESIS計画の組合せがいいかも。
ジェネシスプロジェクトの詳細については、畑良輔氏の下記の論文が詳しい。