舛添要一の都知事辞任劇

舛添要一を擁護するつもりはまったくないけれども、最近のマスコミを動員した彼に対するリンチ報道は常軌を逸していると感じていました。
公私混合を言うのであれば、石原慎太郎の方が比較にならないほどひどかった。

でも、マスコミは石原氏に対してはダンマリ。週3日しか都庁に出て来こず(仕事をせず)、贅沢三昧の豪遊外遊をしたあげく、新銀行東京の設立に都税1500億円をドブに捨て失敗してもマスコミも都民も文句ひとつ言わなかった。この落差はいったいどこからくるのか。今回の舛添辞任劇の裏には、何かがあるとしか思えない。


ところで、舛添要一北九州市八幡の出身だったのですね。中学のときに父親が病死し、5人兄弟の末っ子で苦学したそうです。(でも、この人を擁護するつもりはありませんけど・・・)

舛添要一氏のルーツ 同級生/近隣住民の証言
https://www.youtube.com/watch?v=sUmPx53X3n0


【参照】
以下、櫻井ジャーナルさんの記事:

●舛添都知事が公私混同疑惑で辞職願を出したが、彼より酷かった石原元知事は問題にならなかった
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201606160001/
 舛添要一東京都知事が6月15日に辞職願を出したという。政治資金の公私混同疑惑が問題になり、与党の自民党公明党から引導を渡されたようだ。疑惑を検証するための百条委員会を設置したなら、そうした過去も明るみに出る可能性があり、都議会で否決されたのは必然だ。マスコミからも舛添は攻撃されていたが、その公私混同は石原慎太郎よりマシだとする声もある。

 石原は思想統制にも熱心で、都立高校の公式行事で「君が代」斉唱と「日の丸」掲揚を強制、方針に従わなかった教師に対して懲戒処分を強行していた。旧日本軍は兵士から思考力を奪うために理不尽なことを強制し、屈服させて非人間的なことでもできる人間を作り上げようとしたが、同じことを学校でも行ってきた。最初は生徒、次は教師だ。生徒をロボット化する仕組みを作り上げる際、少なからぬ教師が官僚の手先、あるいは「仮想敵」として利用された。現在、教師の立場が大きく揺らいでいる一因は、かつて教師が生徒を守れなかったことにある。

 そうした思想統制だけでなく、石原は都市計画行政を私物化していると批判されていた。ところがそうしたことをマスコミはほとんど問題にしせず、捜査当局も関心を示していない。

 そうした違いについて、あるテレビ局の人間は「視聴率」に理由を求めた。舛添の疑惑を取り上げると視聴率が上がるが、石原は変化しないというのだ。視聴率が上がる、つまりスポンサーからカネを取りやすくなることを理由にするとは破廉恥だが、その視聴率が信頼できないことは少なからぬ人から指摘されている。

 マスコミが沈黙してきたのは石原知事時代の公私混同だけではない。新銀行東京の杜撰な融資による破綻、オリンピック誘致を名目とした放蕩三昧、そして臨海副都心開発の破綻と責任についても知らん振りを決め込んできた。

 この開発は、都庁の移転など「箱物行政」を推進した鈴木俊一知事の置き土産。1979年に初当選した鈴木は巨大企業が求める政策を打ち出し、新宿へ都庁を移転させて巨大庁舎を建設したほか、江戸東京博物館東京芸術劇場も作り、89年に臨海副都心の開発を始めて破綻させた。

 1999年から東京都知事を務めたのが石原。2001年には「臨海副都心事業会計」を帳簿の上で改善するために黒字の「埋立事業会計」「羽田沖埋立事業会計」と統合、赤字と借金の一部を帳消しにしている。2012年に石原は知事を辞めているが、その翌年、13年から20年度までに約2465億円を返済しなければならないという。その一方で石原は福祉政策を切り捨て、学校や図書館などの予算削減、職員の給与引下げを推進した。

 その間、2011年3月8日付けのインディペンデント紙に石原慎太郎のインタビュー記事が掲載された。その中で彼は外交力とは核兵器なのであり、核兵器を日本が持っていれば中国は尖閣諸島に手を出さないだろうと石原は発言している。東電福島第一原発が「過酷事故」を起こしたのはその3日後だ。

 その時点で既に菅直人政権は中国との関係悪化を仕掛けている。2010年9月、「日中漁業協定」を無視する形で尖閣諸島の付近で操業していた中国の漁船を海上保安庁が取り締まったのだ。漁業協定に従うなら、日本と中国は自国の漁船を取締り、相手国漁船の問題は外交ルートでの注意喚起を行うことになっているが、これを海上保安庁は無視した。

 ところが、2011年3月に福島県沖で大きな地震があり、東電福島第1原発で炉心が溶融するという事故が起こって日中関係悪化の流れは断ち切られた。その流れを復活させたのは石原親子で、まず2011年12月12日に石原伸晃が「ハドソン研究所」で尖閣諸島を公的な管理下に置いて自衛隊を常駐させ、軍事予算を大きく増やすと発言、翌年4月には石原慎太郎が「ヘリテージ財団」主催のシンポジウムで講演、尖閣諸島魚釣島、北小島、南児島を東京都が買い取る意向を示している。2012年11月にヘリテージ財団アジア研究所北東アジア上席研究員のブルース・クリングナーは、「日本国民のあいだに中国への懸念が広がりつつあるという状況」を歓迎している。

 ところで、舛添の前任者である猪瀬直樹も資金をめぐるスキャンダルで2013年12月に知事を辞めている。徳洲会グループから無利子/無担保で受け取った5000万円をめぐる問題で説明不能になったのだが、このグループから多くの政治家に資金が流れていることは以前から知られていた話。「国家安全保障基本法案」、「特定秘密保護法案」、TPPといった国のあり方を根本的に変える法案や政策が出てくるのと同じタイミングで問題化したことに胡散臭さを感じる人は少なくなかった。

 今、目の前に迫っているのは参議院選挙。日本に主権を放棄させるTPP、日本の市民から生きる権利を奪う改憲なども関係してくる。そのベースには1992年にアメリカ国防総省で作成されたDPGの草案、いわゆる「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」であり、それを推し進めればロシアや中国との核戦争は不可避である。その戦争に日本が参加するため、安倍晋三政権やその黒幕は参議院選挙で勝たなければならない。そのためにはあらゆる手段を講じるだろう。