昨日のNHK「サキどり」で紹介されていた「ひとりメーカーがニッポンのものづくりに風穴を開ける！」はおもしろかった。（日曜朝のこの番組は、「日曜美術館」とともに外せない。）
「ひとりメーカー」がニッポンのものづくりに風穴を開ける！
日本でこの「ひとりメーカー＝マイクロものづくり」のトレンドをつくった元祖「ひとりメーカー」八木啓太氏も登場していました。（八木啓太氏のビーサイズ株式会社は現在５人）
「ひとりメーカー」の重要なポイントは、自分自身の感性を重視するということ。
大企業がやっているように、世間は何を欲しがっているかとか、マーケットリサーチで事前に消費者のニーズを探ったりするのではなく、自分が欲しいもの、好きなもの、気に入ったものに焦点を当てて企画し、アイデアを生み出し、設計し、試作し、製品化し、販売する。商品の発送も自分でやっちゃう。このプロセスをすべて一人でやっちゃう。
もちろん、実際の製造に際しては外部の職人さんとコラボすることもありますが、基本的に、製品の企画、設計、製造、販売、流通のすべてを原則ひとりでやる。
これが「ひとりメーカー」。
このやり方で成功する「ひとりメーカー」が、ポツリポツリと出現し始めている。
３Dプリンタの普及やネット環境の充実がこれを後押ししている。
最近、大企業でも「ひとりメーカー」のおもしろさと有効性に気がつきはじめた。
たとえば、オムロンは、社内に工作機械設備を自由に使えるファブ施設を設置して、社内「ひとりメーカー」を模索し始めている。JTや富士通も社内ファブ施設をつくったらしい。
注目なのがソニーだ。
ソニーはいまや１３万人の社員を抱える巨大企業。一時は外国人CEOの金儲け優先主義のために傾きかけちゃいましたが、いま一度「創業の精神」に立ち返ろうと模索している。
そして最近、社内に「ひとりメーカー」的な部門をつくったらしい。つまり、会社組織の上下関係や部署間の垣根を取っ払った治外法権的な「無縁の場」をつくったということ。そして、３か月に一度の割合で社内オーディションを実施している。その一つの成果が、若い社員、對馬哲平氏によるwena wristだ。（wena wristについては後日検討したい。）
話がちょっとずれた。
今回は、大企業ではなく、「ひとり文具メーカー」として最近脚光を浴びている阿部ダイキさんについてメモしておきたい。
番組の中で紹介されていた、阿部ダイキさんの「キーも収納できる財布」がなかなかいい。５０以上の試作を重ねて、やっと満足のいく完成版が出来あがって商品化にたどり着いたようだ。このこだわりもすごい。
自分が欲しいもの、自分が本当に気に入るものをつくる。他人に迎合しない。これが重要だと、阿部ダイキさんは語る。
この財布の名前は、FulltoKeydell（振るとキー出る）。
●ThinkAism FulltoKeydell-大切なモノをすべて快適に使うための財布- Product by Beahouse
https://www.youtube.com/watch?v=uwyKbRKJYm4
2016/05/20 に公開
ThinkAism「フルトキーデル」はお札・コイン・カード、そして鍵を快適に収納¬し使うための新しい財布です。
財布自体を振ると鍵がとび出る楽しい仕組み。
※特許出願中
以下の「立つノートカバー」の紹介動画では、阿部ダイキ氏の「ひとりメーカー哲学」が語られていて興味深い。
●Beahouse（ベアハウス） 「立つノートカバー」を創りたい!! 文房具一人メーカーの挑戦!!
https://www.youtube.com/watch?v=J_jnw09Eaxw
【参考】
●NHK「サキどり」の公式サイト
http://www4.nhk.or.jp/sakidori/x/2016-05-22/21/5567/2284240/
サキどり↑「ひとりメーカーが風穴を開ける！？ニッポンのものづくり」たった一人で製品の企画・デザイン・製造・流通までを行ういわば“ひとりメーカー”が躍進中。“ひとりメーカー”と工場を仲介し生産をサポートするサービスの登場、IT発展によるオンラインストア立ち上げの簡易化などがその背景。そして今“ひとりメーカー”の実績やものづくりへのこだわりが、停滞する日本の大手メーカーを動かし、その在り方に風穴を開けようとしています。「ニッポンのモノづくりの行く先」をサキどります！
●阿部ダイキがつくった一人文具メーカーBeahouse（ベアハウス）のサイト
http://www.bea-house.com/
●Beahouseの動画リスト
https://www.youtube.com/channel/UCwz2LNiVYn7LrfXzyHrLbgA
●阿部ダイキ氏のブログ
http://blog.livedoor.jp/lifehackfactory/
