産業廃棄物業界のジャンヌダルク・石坂典子


日経産業新聞で紹介されていた産業廃棄物業界のジャンヌダルク・石坂典子さんの記事にちょっと感動したのでメモしておきたい。

石坂典子さんは、埼玉県南部の三芳町にある産業廃棄物処理会社(石坂産業)の社長。1999年の所沢産野菜のダイオキシン騒ぎの風評被害をまともに受けて、どん底の状況から会社を父親から引き継いだ。

そして、起死回生の大勝負に出た。

石坂さんは、父から引き継いだ家業を環境企業に変身させるために抜本的な改革にとりくんだ。

まず、既存の設備を全て廃棄し、ゼロから作業ラインを作り直した。
水(湿式処理)ではなく重力による選別を多用した。風の力を利用する。江戸時代の農具である「唐箕(とうみ)」を参考にした。風の力で軽い殻などを遠くに飛ばし、重い穀物を手前に落とす。この原理。

そして廃棄物は燃やさない。

さらに、土砂、木材、廃プラ、廃コンクリートを処理する設備をすべて屋内に封じ込める大計画。排ガスが出ない電動式ショベルカーも導入。


「迷惑産業のイメージを変えたかった」

そして12年、外国からも視察に訪れる「環境企業」に大変身。

産廃業者のリサイクル率は一般に80%〜85%だが、石坂産業は97%とダントツ。


かつては、周辺住民から「ここから出ていけ」と非難されていた石坂産業は、いまや住民たちが集い、世界中から注目を集める環境先進企業に生まれ変わった。
産廃銀座」と呼ばれていた埼玉県南部のくぬぎ山が、いま里山として再生し、蛍も飛ぶ環境学習の中心地に変貌。財団法人日本生態系協会からは、自然保全活動で「AAA」という最高ランクの評価を受けた。

産廃と自然。この意外な結びつきが人々を引きつける。


このような産廃業の改革と里山再生を成しとげた石坂さんは、産廃業界のジャンヌダルクと呼ばれている。


(とても美しい方だ!)


産廃は経済を支える重要な役割を担っている。この仕事にプライドがある。」という父親の奔走する姿が原体験として石坂さんを支えたのだろう。


2015年8月期の売上高は約45億円。


産廃から日本経済を変えていく」


石坂さんの壮大な夢が現実化しつつある。


【参照】
●石坂産業のサイト
http://ishizaka-group.co.jp/

● 所沢「産廃銀座」を立て直した女
http://college.nikkei.co.jp/article/26543220.html


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