ジョニーは戦場へ行った(Johnny Got His Gun)

仕事メールで ”We wish you a Merry Christmas!” が飛び交う今日この頃。

Merry Christmas という言葉で或る映画を思い出した。大昔、劇場で観た記憶がある。

(以下、クリスマスにはあまりふさわしくない深刻な映画の話なので、興味のない方はパスしてください。)



「ジョニーは戦場へ行った」(原題: Johnny Got His Gun)である。



物語は第一次世界大戦中の話。この映画の封切はベトナム戦争まっただ中の1971年。

これは筋金入りの反戦映画である。実際、原作の著者ドルトン・トランボは、逮捕され禁固刑に処されている(1947年)。

この映画のタイトル『ジョニーは銃をとった(Johnny Got His Gun)』は、第一次世界大戦時の志願兵募集の宣伝文句で、軍歌『オヴァー・ゼア』(Over There)でも有名になった「ジョニーよ、銃をとれ(Johnny Get Your Gun)」という呼び掛けへの痛烈な皮肉となっている。(Wikipediaより)


戦場で負傷し、両手と両足と両眼と耳と口と鼻をもぎ取られた芋虫状態の青年ジョーの内的告白の話。手足を失い、聴覚と視覚と発声機能を失い、触覚(体性感覚)と意識だけが生きている状態。

ジョーには意識がある。しかし彼には自分の意思を伝える手段がない。そこで、わずかに動く首を使ったモールス信号を使って意思伝達することを思いつく。

しかし、医師たちは、彼の首の不自然な動きを痙攣の発作と勘違いしてしまう。

ところが、あるクリスマスの日に看護婦がジョーの胸に指で一文字ずつ「MERRY CHRISTMAS」と書く。1文字書かれるごとに頷くジョーをみて、看護婦は彼に意識があることを知る。そして、彼の首の動きが意思表示のための信号・サインであることに気が付く。

そして、モールス信号が分かる別の人がジョーの額にモールス信号で訊ねる。

「何が望みか?」

それに対して、彼は答える・・・・



戦争で自由を奪われた青年の絶望的な状況を描いたフィクションだけど、世界各地で今現在進行形のノンフィクションでもある。



そして、この映画の極めつけは、主人公のジョーに意識があることに気が付いた看護婦が、クリスマスの日に彼の胸にMerry Christmasの14文字を綴る感動的な場面。


何度観ても泣きたくなる場面である。

●Johnny Got His Gun
https://www.youtube.com/watch?v=dBCNQC7a6FM


以下↓の町山智浩さんがうまく解説している。
【必見!】町山智浩が選ぶ最恐映画。「死の恐怖を超える映画体験。」〜ジョニーは戦場へ行った〜
https://www.youtube.com/watch?v=w9aavk2iDDo