「黒田・ハロウィーン金融緩和」のサル芝居のサープライズには、もう驚かない。私の予測どおりだ。(副島隆彦)

ソエ爺が今回の日銀の追加金融緩和茶番劇について吠えている。

やはり裏で、竹中平蔵アメリカとグルになって動いていたようです。今年7月の時点で、ロバート・フェルドマン(東京常駐)、アメリカの財務省、グレン・ハバード、IIEフレッド・バーグステンらと話し込んで決めたことらしい。

ヤラセのインチキ相場操縦・・だそうです(・。・)ぷっ♪

消費増税10%を実現するためのマネー景気上昇偽装。


ちょっと長いけれど「重たい掲示板」の記事をそのまま貼り付けておきます。

http://www.snsi.jp/bbs/page/1/
[1706] 「黒田・ハロウィーン金融緩和」のサル芝居のサープライズには、もう驚かない。私の予測どおりだ。 投稿者:副島隆彦
投稿日:2014-11-03 06:07:18

副島隆彦です。今日は、2014年11月3日(月)です。
 

 私が書いて明日から全国発売 の、『 官製相場(かんせいそうば)の暴落が始まる  相場操縦(そうばそうじゅう、マーケット・マニピュレーション)しか脳がない 米、欧、日経済 』(祥伝社 刊)のとおり の事態に、なりつつある。 この本の紹介文は、ここの「今日のぼやき」ページに 10月26日に、いち早く載せました。御覧ください。

 この10月31日の、「サープライズ」の「不意打ち」の 「みんなで驚き」の「黒田・ハローウィーン金融緩和」は、始めから仕組んだ猿芝居(さるしばい)だ。私はすこしも驚かない。私が本に書いたとおりだ。

 これで計画とおり、755円日本の株価が急騰し、円安112円に急落だ、と、このインチキ、やらせ集団は、自画自賛している。こういうことは、すべて、私の今度の本に書いている。その裏側の動きも書いた。

 私は、この5日間で3つ続けて起きた アメリカと日本の政府の連携(れんけい)、即ち グル (グル とは、group グループ 、ドイツ語なら  gruppe グルッペ。徒党 という意味だ) での、金融政策(マネタリー・ポリシー)の動きをずっと見ていた。それでも自分の生活と、出版社との打ち合わせとかあるから、情報が入るのはどうしても後手(ごて)後手に回る。

 まず、1. 10月29日に、アメリカのFRBが、イエレン議長の発表で、「米、量的緩和(りょうてきかんわ)終了を宣言」とやった。「6年間に及ぶ異例(引用者注。「異常」 という意味)の金融緩和の正常化に向けて、FRBは、大きく舵をきった」となった。この時の「FOMCの声明」では金融市場は何も動かなかった。

 イエレンたち は、「緩和をやめ」のあとNYの株式が崩れるのが怖くて、怖くてならなかった。 だから、日本を人身御供(ひとみごくう)にして、乗り切る策を考えた。日本国民の大切な資金が、今もどんどんアメリカに流れ出している。

 このあと、 2. 日本の日銀の黒田総裁が、政策決定会合のあとの記者会見ということで、1時30分に、「資金供給量を年間10兆〜20兆円増やし、80兆円規模へ増額」という発表があった。 それで、1時45分から、申し合わせたように、日本株東証の平均株価)が、急騰を始めた。前日比875円高まであった。午後3時の取引の終わりで755円高となった。

 政府の意向を事前に受けて、暗黙の阿吽(あうん)の了解事項として、日本の大手生保、銀行、証券(機関投資家=インスティチューショナル・インベスターズと言う) の資金運用 のファンドマネージャーとディーラーたちは、主に、「JPX日経インデックス400」という この日のために新たに作っておいた、先物のインデックス(指標)債 を、ものすごい勢いで、それこそ100兆円ぐらい買い込んだ。これに、日銀ETF と GPIFも、一斉の買いに参加した。
日本の金融当局、手下機関 の総掛かりの相場操縦(そうばそうじゅう)である。

 すべての動きは仕組まれている。今では、このことを金融市場の人間たちは皆、知っている。

 今年の7月に竹中平蔵が、自分の通訳のロバート・フェルドマン(東京常駐)と、アメリカの財務省、グレン・ハバード、IIEフレッド・バーグステンと話し込んで決めたことだ。 ヤラセのインチキの、まさしく 相場操縦だ。相場操縦罪で、この者たちを日本の警察は、逮捕、犯罪捜査すべきなのだ。

 「10月29日、31日と 米、日、連携してやりましょう。それからヨーロッパにやらせましょう 」と決めたのだ。それで、FRBが金融緩和の中止、停止を発表しても、即座に、日本(東京)が、緩和マネーとGPIFで、株価を釣り上げるので、それで、NYの株価が、急落するのを阻止しよう、と決めたのだ。 

 こういう クサイ田舎芝居を、世界の権力者どもがよくやるものだ。よっぽど余裕が無いのだな。いつ崩れるかわからない自分たちの足元のことで、冷や冷やものでこういう相場操縦(そうばそうじゅう)をやっている。傍(はた)で見ているだけで無惨だ。

 日銀の黒田は、わざとらしく記者会見で、「期待形成(きたいけいせい)のモメンタムを維持する」と発言した。何のことだ?  これは、竹中平蔵が、合理的期待形成派(ごうりてききたいけいせいは)という、反ケインズの、ロバート・ルーカスの理論を学んだことになっているので、竹中への、ひたすらお追従(ついしょう)の恭順(きょうじゅん)の意を表したものだ。

 合理的期待形成派 の 経済学 は、供給重視派(サプライ・サイダー)の一種であり、ケインズ思想(ケインズ学派)が、需要(デマンド、国民の購買意欲)の喚起重視派のデマンド・サイド重視であるのに対して、「無理やりでもサプライを作る方の改革をすることで、デマンドを強引に無理やりでも生み出す」という人為的、強制的な理論である。 その真実は、市場(マーケット)は必要とあれば、どれだけでも統制してもよい、とする違法の理論である。

 黒田は、「私の首を斬らないでください」と哀願した。 黒田は、これでは、いよいよ、「半年間は暴れてみせます」と啖呵(たんか)を切った山本五十六(やまもといそろく)連合艦隊司令長官と同じく、ブーゲンビル島への視察を兼ねた自殺、死出の旅 をするしか他に無くなった。

 日本財務省自身は、竹中やアメリカが押し付けてくる、インタゲ理論(ニュー・ニュー・エコノミックス)や、「物価上昇目標2%の達成」などは、全く信じていない。彼ら日本の勘定奉行は、ただひたすら、金利(とりわけ長期金利。すなわち国債の値段)が上がらないで欲しいの一点張りだ。それと増税だ。

(転載貼り付け始め)

◯「日銀が追加緩和 国債購入30兆円増、物価上昇の鈍化懸念 」

 2014年11月1日    日経新聞

 日銀は10月31日の金融政策決定会合で追加の金融緩和を決めた。足元の物価上昇が鈍化していることを受けて、資金供給量(マネタリーベース)を年10兆〜20兆円増やし、年80兆円に拡大する。

 長期国債の買い入れ量も30兆円増やして80兆円にする。上場投資信託ETF)と不動産投資信託(REIT)の購入量は3倍に増やす。記者会見した黒田東彦総裁は「デフレ脱却へ揺るぎない決意だ」と強調した。

 日銀は2015年度にかけ物価上昇率を2%に高める目標を掲げている。31日に総務省が発表した9月の全国消費者物価指数(生鮮食品・消費増税の影響除く)は前年同月比1.0%と、今年5月以降は伸び率が縮小している。物価上昇が鈍れば「デフレマインドからの転換が遅れる懸念があった」(黒田総裁)。

 この懸念を払拭するため、昨年4月に導入した「量的・質的金融緩和」を量・質の両面で拡充する。金融政策の目標としている資金供給量を、これまでの年60兆〜70兆円から年80兆円へと増やす。資金供給量は来年末には355兆円と国内総生産(GDP)の7割強にまで増える見通しだ。

 長期国債の買い入れ額も年50兆円から80兆円へと拡充するとともに、買い入れる国債の償還までの期間(平均残存期間)を「7年程度」から「7〜10年程度」へと延ばす。長い期間の金利の低下を促すことで、設備投資や住宅購入を支援する。日本株と連動するETFやREITの購入もこれまでの3倍に増やす。

 日銀は雇用の改善などで景気は「緩やかに改善している」との判断を維持している。だが黒田総裁は「長年デフレが続いた日本は米国のように予想物価上昇率が2%程度に固定されているわけではない」と指摘し、デフレ脱却への「正念場」(黒田総裁)と判断した。

 黒田総裁は今回の策で「物価目標の早期達成をより確実にする」と強調する。日銀は同日の決定会合で中長期の経済見通しを示す「展望リポート」を発表したが、政策委員9人の物価見通しの中央値は15年度で1.7%と、2%の物価上昇を達成するというシナリオをかろうじて維持した。

 だが、追加緩和を巡っては日銀内でも意見が分かれた。政策委員9人のうち賛成が5人、反対が4人となり、僅差での政策決定は極めて異例だ。一部の委員には追加緩和が景気や物価上昇に与える影響が読みづらいとの指摘がかねてあり、慎重な意見も少なくなかった。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦です。これで3年目に入った異次元緩和(いじげんかんわ)だ、と。 馬鹿ども。お前たちがやっていることは、「財政破綻(=財務省が国家予算を組めなくなること)を回避するために、じゃぶじゃぶマネーのお札を日銀が刷って、財務省に渡すだけのこと」だ。それが、今度の金融緩和 の継続だ。

 自分たちがやっていることが、アメリカに脅されて、「異次元(いじげん)に突入」とか、「前例のない ( un-precedent アンプレシーデント) 」とか、「前人未到(ぜんじんみとう)」とか、「非伝統的」、「非正規的 (ひせいきてき、 illegitimate イレジティメット、すなわち、私生児的、父(てて)無し子的、=非嫡出子(ひちゃくしゅつし)的)手法 だ、とじゅうじゅう知りながら、それが、financial suppression ファイナンシャル・サプレッション、金融抑圧(きんゆうよくあつ)、すなわち、統制経済、金融市場の価格操作、そのものだと、知りながらやっている。 

 これは、経済および経済学の死 そのものだ。国家=政府が、市場を乗っ取り、「市場を牢屋に入れた」のだ。 あのバカ・ジジイ(爺)の浜田宏一が、『アメリカは日本の復活を信じている』という本を書いているが、何を、言っているのだ。この者たちは。

 日本国の 国富(こくふ、ナショナル・ウエルス)を、どんどん、さらにアメリカに貢いで、流れ出させておいて、何が、日本の復活だ。これは、日本の自損行為であり、自傷(じしょう)行為だ。日本国は、大きな悲劇に向かって突き進んでいる。

 本当は、金融崩壊のあとに、日本に襲いかかってくるのは、計画的に作られて、やらされる戦争の危機だ、戦争が迫っているのだ。

 本来、株価の上昇というのは、経済成長があって、その反映として、景気の加熱(インフレ傾向)と共に、起きるものだ。それを、「成長がないのなら、むりやり、株価の方を上げて、無理やり価格を管理して、それで、成長ということにしてしまえ」という、天(てん、heaven )をも怖れぬことをやっている。それが、邪道の、インフレターゲティング=リフレ理論だ。

 あの極悪(ごくあく)経済学者( ケインズ思想 の裏切り者)の ポール・クルーグマンまでが、31日の黒田「ハローウイン緩和」発表の時に合わせて、こそこそ日本に来て、主要な親分衆のグルたちが皆で揃って、黒田発表とGPIF発表を貴賓席の観客席から見ていたようだ。

 「物価上昇率の2%上げの目標( あるいは、マクロならば、名目GDPの2%の上昇)が、達成できていない。どころか、消費税の上げで、モノが売れずに、物価が下がって、1%もない( コアコアCPIに至っては、0・5%の上昇しかない)」ということで、それで、無理やりの「デフレマインドの転換が遅延するリスクに対処するもの」というヘンなコトバを黒田は、記者会見で使った。

 このことは、「自分たちが、人工=人為的にやろうとしている、デフレマインドをインフレマインド(景気回復に伴う物価上昇を無理やり作り出そうとしている )に、どれだけやっても、なかなか転換しないものだから、このままでは景気の腰折れ が起きそうだから、危険なので、この転換(流れの変更)を促進するために、新たなサープライズの、ジャブジャブ緩和マネー を続ける」 と 言っているのだろう。

 物価上昇が健全に起きる、成長経済の下での、コストプッシュ・インフレではなくて、需要(国民の消費)が減退してもアパートの家賃が値上がりするようなデマンドプル・インフレという 不健全な、病気のインフレでも、何でもいいから、破れかぶれで、「期待インフレ率を 2%にするのだ」 と、黒田は、喚(わめ)いている。すでに一種の精神の錯乱(さくらん)状態だ。

 このことは、ヨーロッパで始まった、「 ECB(ヨーロッパ中央銀行)に、民間銀行は資金を預けるな。全部、投資=融資に回せ」と命令している 「中央銀行に資金を預けたら、金利を取る」というマイナス金利の錯乱状態と似ている。景気が全く冷え込んで、資金の需要が民間部門に全くないのに、無理やり資金を銀行にだけ出し続ける、ということを、米、欧、日の 3つの政府はやっている。 まさしく錯乱状態だ。願望と現実の区別がつかなくっている 経済政策(エコノミック・ポリシー)だ。やがてこういう、前人未到を売り物にしている、危険な政策は、破綻し崩壊する。 

 物価上昇 (インフレ)を 政府、権力者が 無理やり作り出せると考え、 それを強行することで、それが景気回復=成長経済 になる、と 信じ込める、そのアタマが、問題なのだ。この前人未到の 異次元人間たちは、私たち日本国民を、地獄に連れてゆこうとしている。

 思い出せば、2012年2月14日の 白川方明(しらかわまさあき)前総裁が、無理やり脅されてやった「10兆円の市場への供出」が、あれが、「日本版QE1(ワン)」だった。それから、昨年(2013年)4月に突如、登場して、黒田東彦(くろだはるひこ)が、「130兆円の日銀の(ボロクズ資産での)資産総額を 270兆円にする。それを、2014年の年末までに行う」と、異次元緩和を発表したのが、日本版QE2(ツー)だ。

 そして、31日の「黒田ハローウィーン緩和」が、QE3(スリー) だ。アメリカは、イエレンが、緩和をやめる、と29日に宣言したのに、日本と、欧州には、緩和を続けろ、だ。おかしいだろう。 このあと、今週中に、残りのグルである、ヨーロッパが、ECB(ヨーロッパ中央銀行)のドラギ総裁の発表で、ヨーロッパ版の金融緩和を言い出すだろう。

 脆弱(ぜいじゃく)な、欧州の28カ国の 大銀行たちに、さらにじゃぶじゃぶマネーをつぎ込む発表をするだろう。 それらを矢継ぎ早に米、欧、日の連携プレーで行うことが事前に取り決めてある。統制経済(とうせいけいざい、コントロールド・エコノミー、金融市場の価格操作 )を 自分たち通貨・金融当局自身がやっている、ということだ。

 「サープライズ」とか、「不意打ち」だとか、「寝耳に水の、驚き」の政策発表だ、とか、いい加減にしろ。お前たちは、何をいい気になって、そういう違法なことをやり続けるのか。極めて愚か者の為政者たちだ。 それで、自分たちが真に賢い人間たちだと、思っている。 サープライズも不意打ちも、政策実行者であり、かつ、市場の管理者である者たちがやっていいことではないだろう。 馬鹿共めが。

 もうみんな飽きたよ。自分たちだけで、お仲間で、サープライズ効果で、やった、やった、株価が急騰した、計画通りだ、と有頂天になって興奮して騒いでいろ。 こういう猿芝居(さるしばい)を、日本国民の中のまともな頭をした者たちが、気付かないはずがない。

 それから、 3. 31日の午後5時から、厚労省塩崎恭久=しおざきやすひさ= 大臣)によるGPIFの見直し、というのを発表した。これで、日本のサラリーマン3000万人の 大切な 厚生年金 128兆円の うち、32兆円 を、危険な株式投資に、さらに 大量にブチ込む、というのを決めた。 外国の株式も大幅に買う、と決めた。それから、米国債もガブガブ買うと決めた。 

 米国債は、これから3年後には、紙クズになっていることがほぼ確実だろうに。 シティバンクの株式が、リーマン・ショックの直後、1ドルを割って97セントになったように。 日本国民への危機と悲劇が迫りつつ有る。

(転載貼り付け始め)

◯「 GPIF、午後5時から記者会見 中期計画の変更について 」

2014/10/31  15:40  日経新聞 

 厚生労働省は31日、午後5時から年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が都内で記者会見すると発表した。基本ポートフォリオの見直しなど、中期計画の変更について説明する。


◯「 GPIF 国内株割合25%に引き上げへ」

2014年10月31日 17時10分  NHK

 120兆円を超える公的年金の積立金を運用している独立行政法人は、収益性をより高めるため、国債など国内債券の運用比率を引き下げる一方、国内株式と外国株式の割合を現在の「12%」から「25%」に引き上げるなどとした、新たな運用方針を決めました。(以下は、後掲)

(転載貼り付け終わり)

 副島隆彦です。 おそらく2年後には、このGPIFで、大損を出して、65歳のサラリーマン(大卒、勤続34年。「年金一年生」だ )が貰える厚生年金は、今の月額18万円が、半分の10万円になるだろう。 この厳しい現実を日本国民は、覚悟せよ。

 あまりにバカな、売国奴の政治指導者たちばかりを、自分たちの頭(あたま)に戴(いただ)かさせられて、屠殺場(とさつば)に向かう牛、ブタ、馬のようだ。 衰退を続ける、アメリカ帝国によって、計画的に自分たちの指導者をこんなにもヒドイ者たちだらけにさせられると、それは、もうすぐ自分たち自身の悲劇と苦境となって表れる。私たちは、もっともっと貧乏になることを覚悟すべきだ。

 一体、いつ、日本人は、本気で怒って、立ち上がるだろうか。私はじっと待っている。ひたすら堪(た)える。 私の今度の本『官製相場の暴落が始まる』を買ってじっくり読んでください。

副島隆彦


(以下は、資料として、この5日間の新聞記事を集めたものです )

◯ 「 東証大引け、大幅に3日続伸 1万6413円、日銀追加緩和で7年ぶり高値 」

2014/10/31 15:40  日経新聞  

 31日の東京株式市場で日経平均株価 は3日続伸した。終値は前日比755円56銭(4.83%)高い1万6413円76銭だった。9月25日に付けた年初来高値を更新し、2007年11月2日以来、7年ぶりの高値を付けた。

 前日の米株高や年金積立金管理運用独立行政法人 (GPIF)を巡る報道などから買いが優勢だった。後場に入り、日銀が追加の金融緩和を決定すると買いが急増した。1日の上げ幅は2008年10月30日(817円86銭)以来、6年ぶりの大きさになった。

 朝方から高く始まったが、前場中ごろからは利益確定売りなども出て伸び悩んだ。後場入り後には一時、上げ幅を180円程度まで縮小する場面もあった。13時40分過ぎに日銀の追加金融緩和が決まると急騰。14時48分には前日に比べ875円71銭高の1万6533円91銭まで上昇する場面もあった。

 市場では「売りが出尽くした絶妙なタイミングで日銀の追加緩和が決定し、大幅上昇につながった」(東海東京調査センターの隅谷俊夫投資調査部長)との見方があった。

 JPX日経インデックス400は3日続伸。前日比528.29ポイント(4.54%)高の1万2172.62だった。東証株価指数 (TOPIX)も3日続伸。前日比54.74ポイント(4.28%)高の
1333.64だった。

 東証1部の売買代金は概算で4兆1982億円と13年5月24日以来、約1年5カ月ぶりの水準まで拡大した。売買高は40億1278万株と2月4日(42億3327万株)以来、9カ月ぶりの水準だった。

 東証1部の値上がり銘柄数は全体の92%にあたる1694、値下がり銘柄数は120、変わらずは19だった。業種別TOPIXは全33業種中、空運業を除く32業種で上昇した。

 ソフトバンクファストリファナック が上昇。トヨタ や三井不 、菱地所 が買われた。三井住友FG や三菱UFJ やみずほFG といった銀行株も上げた。半面、富士通
やカシオ 、特殊陶 が下げた。
 東証2部株価指数は大幅に反発した。Oak 、田淵電 やJトラスト が上げた。半面、JFLA 、神鋼環境 やマナック が下げた。



◯「 円急落、一時111円台 相場師「黒田総裁」本領発揮 」

2014/10/31 14:58 日経新聞

  10月31日の東京外国為替市場で円相場は急落した。一時1ドル=111円02銭近辺と、2008年1月2日以来、約6年10カ月ぶりの円安・ドル高水準を付けた。日銀が31日の金融政策決定会合で追加の金融緩和に踏み切ったことを受け、虚を突かれた市場参加者は慌てて円売り・ドル買いに動き、次々と損失覚悟の円売りを巻き込んだ。

 日銀の黒田東彦総裁はかつて、為替介入の責任者である財務官を務めた人物。介入効果を上げるために重要視される「サプライズ」(驚き)をもたらした今回の緩和決定に、市場では「黒田総裁らしい」と感嘆の声があがった。

 日銀が31日に決めた追加緩和のメニューはマネタリーベース(資金供給量)の増加と長期国債保有額拡大、買い入れの平均残存期間を最大で3年程度延長することなど。13年4月に実施したマネタリーベースを2倍に増やす「バズーカ砲」に比べると小粒かもしれないが、「市場参加者はこのタイミングで追加緩和が決まるとは、私を含めてほとんど予想していなかった」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作・チーフ為替ストラテジスト)というから、13年のバズーカ砲に遜色ない効果をあげられたと受け取れる。

 驚いたのはもちろん、為替関係者だけではない。株式市場で日経平均株価の上げ幅は一時800円を超え、今年一番の伸びになった。これが低リスク通貨の円を売る動きを誘っている。


◯「 GPIF 国内株割合25%に引き上げへ」

2014年10月31日 17時10分  NHK

 120兆円を超える公的年金の積立金を運用している独立行政法人は、収益性をより高めるため、国債など国内債券の運用比率を引き下げる一方、国内株式と外国株式の割合を現在の「12%」から「25%」に引き上げるなどとした、新たな運用方針を決めました。

 公的年金の運用の在り方などを検討する政府の有識者会議は去年11月、収益性をより高めるため資金の多くを国債に投資する今の運用方針を見直してリスクのある金融商品にも投資することなどを求める報告書をまとめました。

 これを受けて、GPIF=年金積立金管理運用独立行政法人は31日、新たな運用方針を決め、塩崎厚生労働大臣がこれを認可しました。それによりますと、国債などの国内債券の割合を「60%」から「35%」に引き下げる一方、国内株式を「12%」から「25%」に、外国債券を「11%」から「15%」、外国株式を「12%」から「25%」に、それぞれ引き上げるとしています。

 一方で、GPIFは、株式への投資の割合を増やす運用方針の見直しにあわせ、リスクを適切に管理する体制が必要だとして、運用委員会の下に、投資先を選ぶ基準や職員の行動規範の策定などにあたる「ガバナンス会議」を設置するほか、専門知識を持つ人材を確保するため、経済動向の分析や市場の予測に当たるコンサルタントを新たに採用するなどの対策を取るとしています。

世界最大級の機関投資家

 GPIFは、国民年金と厚生年金の積立金の運用を行っている独立行政法人です。運用資産の総額は、ことし3月末でおよそ126兆6000億円に上る、世界最大級の機関投資家です。

年金積立金は、将来の年金給付の貴重な財源だけに、法律で、運用は「長期的な観点から、安全かつ効率的に行う」ことが求められています。年金の積立金をどの金融商品に、どの程度の割合で投資するかという運用方針は、金融や経済の専門家で作る運用委員会の審議を経たうえで決定され、厚生労働大臣の認可を得ることになっています。

 現在の割合は、基本的に、国債などの「国内債券」が中心で、「60%」となっているほか、「国内株式」と「外国株式」がそれぞれ「12%」、「外国債券」が「11%」などとなっていて、資産の大半は、民間の信託銀行や投資顧問会社に運用を委託しています。

 独立行政法人として、自主運用を開始した平成13年度以降の運用実績は、平成20年度は、いわゆるリーマンショックの影響を受けて、およそ9兆3000億円の損失が出た一方、昨年度・平成25年度は、株価が堅調に推移したことなどから、およそ10兆2000億円の収益が出ています。

 平成13年度以降の収益の累積は、およそ35兆4000億円となっています。GPIFは現在、70人余りの職員が業務に当たっていて、塩崎厚生労働大臣は、運用方針の見直しを踏まえて、運用リスクを適切に管理するため、体制強化に向けた法案を準備する考えを示しています。

塩崎厚労相「ガバナンス強化を」

 塩崎厚生労働大臣はNHKなどの取材に対し、「GPIFに対し、リスクを最小化し、将来、国民が約束どおりの年金額を確実に受け取れるような運用を行うことを確認したうえで運用方針を認可した。見直しによって日本経済のプラスになればいいが、いちばん大事なことは、国民が将来、年金を約束どおりもらって、負担も約束以上に重くならないことであり、その実現に向けてしっかり対応したい」と述べました。そのうえで塩崎大臣は、「ずいぶん大きな分散投資の変化なので、ガバナンスを強化しなければならない。GPIFにも、今できる最大限のガバナンス強化策を示してもらった」と述べました。


◯ 「 年金 積極運用に転換 GPIF、株で5割に 」

2014年11月1日  日経新聞 

 約130兆円の公的年金資金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は31日、株式運用の割合を5割に高めることを柱とする新しい資産構成の目安を発表した。年金制度を維持するために積極運用に転じる。ただ少子高齢化できしむ年金制度を運用頼みで維持するのは限界がある。年金額の抑制して制度そのものの持続性を高める改革も急務だ。

 新しい運用比率の特徴は、株式と債券を半分ずつにし、国内資産は6割、海外資産は4割にしたことだ。今までは6割を占めていた国内債券の割合は35%まで下げる。

 実際の資産構成が目安から離れることを許容する範囲は今よりも広げる。国内債券は上下10ポイント、国内株式は上下9ポイント離れてもよいことにした。

 GPIFは今後、新たな目安に沿った資産構成にするため、市場への影響に配慮しながら資産の売り買いを進める。移行完了までの期間は「決めていない」(三谷隆博理事長)としている。

 インフラや未公開株、不動産といったオルタナティブ(代替)投資の資産区分を設けることは見送った。これらは投資内容に応じて国内外の債券や株式に分類し、総額が資産全体の5%を超えないようにする。

 「虎の子」の年金積立金の運用先を株式や海外に移すのは、現金制度を維持できるだけの運用益を確保するためだ。今の制度に必要な利回りは1.7%。低金利国債で運用しても目標を達成できない。GPIFの試算では、現在の運用比率を続けた場合、年金制度が求める積立金の予定額には届かなかったという。

 31日記者会見した三谷理事長は「全額国債運用なら、1%金利が上昇すれば、(債券価格が下落するので)10兆円の評価損が出る。国債は安全で、株式は危ないという考えがあるが、そうではない」と説明した。

 日銀が大規模な金融緩和で国債を大量購入していることもGPIFが国債運用を減らす判断を後押しした。国債を売りやすい環境にあるとみてためだ。ただ日銀が決めた追加緩和とGPIFの運用比率見直しのタイミングが重なったことについて、三谷理事長は「同じ日になったのは全くの偶然だ」と述べた。

 海外の公的な年金基金は株式運用の比率が高い。カナダは債券が28%、海外株が40%、国内株が9%となっている。カリフォルニア州の公務員の年金基金カルパース)は債券が17%で、株式は63%だ。中長期的には債券運用よりも株式運用の方が、リターンが高いとみているからだ。

 GPIFは海外株比率の目安を12%から25%に上げる。先進国の株式だけでなく、成長著しい新興国の株式にも積極的に投資する方針だ。

 今後は運用体制の見直しを急ぐ。GPIFの職員はわずか80人。カルパースの2600人やカナダ基金の900人よりはるかに少ない。今後は金融のプロを採用するほか、組織体制の改革にも着手する。

 ただ年金制度を維持するには運用改革だけでは力不足だ。現行の年金制度は1.7%の運用目標を達成するだけでなく、女性の就労が今より大幅に増えることが前提だ。

 これらはかなり高い目標なので、前提が崩れれば運用益頼みの構図が一段と強まり、より大きな運用リスクを抱え込むことになりかねない。少子高齢化の進展に合わせて年金額を抑える「マクロ経済スライド」の厳格適用など年金制度の持続性を高める改革を急ぐことが不可欠だ。


◯ 「 細野豪志 衆議院議員  リスクにさらされる年金 」

2014年10月31日   時事通信社

 株価が上昇している。GPIFによる年金運用について、国内株式比率を増やすとの新聞情報が影響しているようだ。国民の年金が、株価対策に使われる流れが加速している。

 国民の財産である国民年金・厚生年金の積立金は、現在127兆円あり、独法であるGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が運用している。この運用は、国民の財産を守るために、長期的な観点から安全かつ効率的に運用することが大前提であるのは当然のことであり、安全資産とされている国債中心に運用がされている。これまでの運用実績もまさに安全な運用とは何かを示している。

現在、安倍内閣はこの運用を大いなるリスクに晒そうとしている。

 すなわち、国債で運用していた資産を、目先の株価対策のためとすら考えられるような形で、株式に大量投入しようとしているのである。127兆円の年金は、例えば2%でも株式に投入されるだけでも2.6兆円の株価対策になる。これは東証の一日の取引額に等しい。

 安倍内閣は、これを現行の12%から25%以上に引き上げる、すなわち15兆円を超える国民財産をリスクマネーに投入して、株価の下支えをしようとしている。

 しかしながら、リスクに晒される年金に関して、国民に対しての説明がなされていない。どの程度のリスクか。先に示した図を見れば一目瞭然だが、更に言えば、今後リーマンショック並の事象が生じた場合には、25兆円を超える損失を出す可能性すらある。

 25兆円の損失は1年間の保険料収入に匹敵する。国民が一年間納付した保険料が、一瞬にして消え去るのである。このような事態が起こった場合、保険料を上げるか、給付を下げるという選択肢をとらざるを得ず、いずれにせよ国民にしわ寄せが生ずる。

 塩崎厚生労働大臣は、このような重大なリスクに対する説明責任を一切果たしていないどころか、大臣着任前に約束していた「リスクをとるだけの責任体制を構築することが大前提」との約束すら反故にしようとしている。私は、昨日の予算委員会で、塩崎大臣にそのことを問うた結果、責任体制の構築と運用改革は一体のものであるとの回答があったが、現実には、年金をリスクに晒す動きの方が先行しているようだ。

 年金受給者がリスクを負って、株式保有者が得をするような形をとることは、年金運用の目的をはき違えており本末転倒である。国民の財産である年金に対して、かつて自民党政権は、グリーンピア・サンピア問題や「消えた年金問題」と立て続けに引き起こすなど、重大な失政を繰り返してきた。

 今回の問題は「第3の消えた年金問題」となりうる重大な問題であり、ただちに止めなければ、未来への世代に対して重大なリスクを残すことにほかならない。私たち民主党は、年金を守るために、戦いぬく。

 ちなみに、塩崎大臣は自ら時価総額6千万円を超える株式を保有している。賢明な塩崎大臣が、疑惑の目で見られるようなことにならないよう切に望みたい。



◯ 「 GPIF、運用見直しを決定 国内株25%に引き上げ 」

2014/10/31 17:21  日経新聞 

 約130兆円の公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は31日、運用の基本ポートフォリオ(資産構成割合)を見直し、国内株式を現行の12%から25%に引き上げると発表した。許容範囲とする上下の変動率は6%から9%に拡大する。国内債券に偏った運用を改め、年金給付の原資を増やす。

 同日、塩崎恭久厚生労働相から認可を受け、施行した。国内株のほか、外国債券は現行の11%から15%に、外国株式は12%から25%に引き上げた。一方、国内債券は60%から35%に大幅に引き下げた。

 上下の変動率は外国株式が5%から8%に拡大。国内債券は現行の8%からに10%に広げた。一方、外国債券は5%から4%に縮小した。これまでの基本ポートフォリオでは短期資産を5%として構成してきたが、今後は短期資産を設けず、4資産で100%になるように設定する。

◎GPIFの資産構成割合

    今回発表した割合 6月末時点の比率   これまでの割合

国内債券      35%     51.91%        60%

国内株式      25%     16.79%        12%

外国株式      25%     15.54%        12%

国債券      15%     10.76%        11%

※上下変動率は国内債券が8%から10%、国内株式6%から9%、外国債券5%から4%、外国株式5%から8%に変更された。6月末とこれまでの構成割合には短期資産の5%保有が設定されていた。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦