アベノミクスの迷走が始まっている

日本のメディアは最近「アベノミクス」を言わなくなったのはなぜか。

選挙が「無事」終わったから?

もう誰が聞いても白々しいから?


アベノミクスのメッキははがれて錆び錆の地金が露出している(・。・)ぷっ♪

植草一秀さんのブログ「知られざる真実」より:

http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2013/07/post-5212.html
2013年7月31日 (水)
アベノミクスの迷走がすでに始まっている

アベノミクス効果は終了した。

そもそも、「アベノミクス」とはやし立てたのはマスメディア。

しかし、その内容は陳腐そのものだ。

金融緩和と財政出動と成長政策。

経済政策のメニューとして100人の専門家に聞けば、100人が答える定番メニューで、わざわざ名称をつけて騒ぎ立てるようなものでない。

それでも、昨年11月から本年5月にかけては、大きな変化が生まれた。

急激な円安と急激な株高だ。

8664円の株価が15627円に跳ね上がった。

これで参院選が荒らされてしまったわけだ。

株価が上昇した理由は円安。

円安が生じた理由は、

1.米国金利が上昇傾向を示した

2.日本金利が急低下した

の二つ。

この2番目の、「日本金利が急低下した」というのが、「アベノミクス」効果。

金融緩和政策を強化するとの宣伝で、それを実施する前に長期金利が低下したのだ。

日本の長期金利低下が急激だったので、円安も急激になった。そして、その結果として、日本株価上昇が急激になった。

「第二の矢」の財政出動は、13兆円の補正予算が編成されたこと。

内容はひと言で言って利権の塊。

何のためらいもなく、利権支出満載の補正予算を13兆円規模で編成できるなら、庶民に重圧を与える消費税増税など、2年は先送りできるではないか。

そもそも、本当に財政危機なら、こんな補正予算など編成できるわけがないのだ。

いずれにせよ、円安・株高が出現して、安倍政権人気がメディアによってあおられた。

しかし、この株価も5月22日から6月13日にかけて、急反落した。

15627円から12445円に急落したのだ。

昨年11月14日から本年5月22日までの株価上昇が6963円。

その上昇幅の約半分がわずか3週間で消滅した。

理由は、米国金利が急低下する一方、日本金利が大幅上昇し、為替レートが円高に振れたこと。

米国経済指標が悪化して米金利が低下した。

他方、日本では、黒田日銀が金融緩和を決定したら、長期金利が上昇に転じた。アベノミクスがアベコベノミクスに転じてしまった。

このまま、円高、株安が続いて参院選に突入していたなら、選挙結果はかなり違ったものになっただろう。

ところが、事態はまた急変した。

6月13日に12445円まで下落した日経平均株価が、7月18日には14808円まで急反発したのだ。

しかし、この株価上昇は、アベノミクス効果によるものではなかった。

株高のメカニズムは、米金利上昇=ドル高=円安=株高というものだった。

米国で長期金利が上昇したのは、

1.景気指標が好転したこと

2.バーナンキFRB議長が金融緩和縮小の方針を明言したこと

の二つに依っている。

日本の長期金利は上昇しており、これは円安ではなく円高をもたらす要因である。

つまり、アベノミクスは株安要因となったにもかかわらず、米国の金利上昇が円安と日本株高をもたらしたのだ。

この株高で安倍政権は窮地を脱した。

米国が安倍政権を救済するために、円安を誘導したのかも知れない。

こうしてみると「アベノミクス」はすっかり色あせている。

アベノミクス」のメッキはすでに剥がれ、メッキの下から、醜悪な「アベノリスク」が顔をのぞかせ始めている。

http://goo.gl/xu3Us

日銀の対応は白川総裁時代のものとさして変わらず、財政政策は補正予算のあとの対応で足元がぐらついている。

成長政策は弱肉強食まっしぐらに突き進み始めた。

アベノミクス」の迷走がすでに始動しているのだ。