朝のTBSラジオで経済アナリストの森永卓郎さんが言っていた。
TPPに入るということは、
日本が米国のシステムに組み込まれる、
ということ。
これがTPPの本質をズバリ言い表しています。
日本が米国の植民地であることを経済的にも強化して、日本の富を徹底的に収奪するということ。
ところで、「世相を斬る あいば達也」ブログに興味深い情報がありました。
今回のアへとオバマの共同声明では、「TPPではすべての関税撤廃を前提としない」となっていますが、実際の英語の原文では、こう↓なっている。
Even so, the goal of the trade talks is a comprehensive agreement that eliminates tariffs.
「たとえすべての関税撤廃を前提としないとしても、今回のTPP交渉の目的は、もろもろの関税なるものを撤廃する包括的な合意なのだ、文句あっか。」
これは、つまり、
「日本がTPP交渉に参加する段階ではすべての関税の撤廃を条件とはしない。でも実際の交渉に入った段階では別ですよ・・・」
ということ。典型的な騙しのテクニック。
恐ろしいカルト宗教の集会に誘われている感じか。
「今度面白い集まりがあるんだけど、来ない? おもしろいよ。お弁当も出るし。もちろんタダだよ。」
http://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/b4c12d00e453e0d09db26fe1791c37d4
●政府はこうして国民を騙し、且つ与党議員をだます 印象で走り出す国のゆくすえ
庶民にせよ、識者にせよ、政治家にせよ、人はその人なりに、次元の相違はあるだろうが、色々と物事を考える。人間が考えると云う場合には、感じると云う感覚も強く影響する。純粋に論理だけで考えが構築されるものではない。また、感じるとか、考えると云うことは、瞬間的判断もあれば、此処数年のタームと云う事もある。時には、50年後、100年後と云うタームもあるだろう。生活者のレベルでも、80歳の高齢者と20歳の若者では、想像する未来の世界観は違っているのが当然だ。筆者の場合、見事なくらい自己中心に物事を考える人間なので、95歳を己の生命の限界と決め、その期間内を思考のタームを限定している。その意味で、筆者が考える、日本、世界の未来は40年後なのである(笑)。
勿論、百年、千年と云う単位も考えないでもないが、リアリティーがなく、その世界地図は何時も白地の地図のようになってしまう。また又、余計なことを書き出して、長い割には内容が乏しいと言われそうなので、今夜は本題から逸れないように注意しながら書くことにする。先ずは、オバマと安倍の会談が終わった。概ね予想通りの展開で、参勤交代行事は終わった。TPPではすべての関税撤廃を前提としない言質を貰った(注参照)ようだが、交渉過程でごり押しされるリスクは残ったままである。ただ、自民党内の反TPP派議員を懐柔するには、こういう壮大な嘘をつくのは、米国の常とう手段であるが、おそらく、反TPP派の勢いは削がれることになる。
注:米国政府が出した英文の共同声明には「TPPではすべての関税撤廃を前提としない」とする首相や新聞の説明に反し、英文では「日本が交渉に参加する段階では関税の撤廃を条件としない」(aibaの意訳)と「TPP交渉参加表明段階の条件を語っている」つまり、TPP交渉はの時は別ですよ、と言っている。多分、原文に沿えば「 Even so, the goal of the trade talks is a comprehensive agreement that eliminates tariffs. 」(だけど、本交渉の目的は関税を撤廃する包括的な協定だからね:意訳)となっている。結論、政府も新聞も国民を、誤解の道に導こうとしているようだ。政府や新聞は、こうして国民を騙す典型のマジックである。簡単に言えば、「堅苦しく考えず、まずは平服でパーティーに出てごらんよ。その内、パーティーの席では、どのような服装が適切か判るでしょう、それで良いんだよ」と新興宗教の集会へのインビテーションそのものである。それでも、自民党のような政党の政治家は、「これなら支持基盤に嘘がつける、ヨカッタ」とほくそ笑むのだろうね。
TPPとセットにさえなっている米軍との集団的自衛権の行使容認の方向づけは、日米同盟に更なる足枷手枷を嵌められたわけで、自民党以外の政党が政権を握った際には、重い足枷を嵌めたままフルマラソンを走るような過酷な条件を強いられることになる。勿論、自民に替わる政権が、その足枷を嬉々として受け入れる政党であれば、問題はないわけだ。米国の電力会社が軒並み脱原発に走るなかで、安倍の原発推進姿勢は原発事業の温存と云う米国の戦略に寄与するのだろう。その代わり、シェールガスにより生産されるLPGガスの日本への輸出解禁をバーター化したようだ。
LPGの輸出解禁は、TPPへの進捗度や原発再稼働の動きに連動して、実施されるのだろう。如何にも、今回の安倍の訪米が効果的であったと云う事実が、実は今日の日本の利益であって、明日の日本の利益となるかどうか判らないのが、国際関係の厄介な面であり、面白い面でもある。シェールガスが本当に生産単価を含め革命的エネルギーなのか、無理やり噴出させる技術が地球環境に及ぼす影響など未知数の多いエネルギーである事を、確認しておく必要がある。
米軍普天間飛行場を辺野古に移設する埋め立て工事の手続きに入ると宣言したようだが、沖縄現地でその不用意な一石が、どのような波紋を生むかも、極めて未知数だ。昨日のコラムでも言及した鳩山由紀夫の「東アジア共同体構想研究所」(仮称)は3月に沖縄現地で旗揚げするようだが、沖縄の意思統一に大きな影響力及ぼす可能性は大いにある。鳩山が、何処まで意図しているか判らないが、最終的には鳩山の意図の枠を超越し、琉球政府独立運動の動きに、拍車がかかるかもしれない。個人的には、そのくらいの事が起きないと、日本政府が、本気で沖縄の為に、何かをすることはないと思っている。常に、本土人として、恥じ入るばかりだ。
まぁ安倍にしてみれば、百点の出来栄えで訪米を済ませた気分だろう。取巻きも、経団連も美酒に酔いしれているのだろうが、そんなに甘い世間であるわけがない。安倍がオバマと約束してきた事は、先の総選挙で、有権者に問いかけてきた選挙の争点ではないのだ。争点は、どこまで行っても「経済浮揚」だったのである。逆に、原発推進、TPP交渉参加を争点化しない選挙で勝利しただけなのだから、参議院選前までの“モラトリアム期間”の美酒であること忘れないようにすることだ。深酒は慎めよ、野田のようになる(笑)。だいぶ長くなってしまった。本当は安倍オバマ会談の内容など、どうでもいい事で、世界を眺める為には、プーチン森会談を皮切りに、中国とロシアなどブリックスの今後と、後進諸国に目を向けるべきと云う話をする予定だったが、明日にでも譲ることにする。