年末に買い込んだ本の一冊。山田真哉さんの新刊。
読み終わって思わず唸ってしまった。超おもしろい。この人は文章も読みやすくてグー。
平家はなぜ滅びたのか?
源氏に負けたから、というのはごく表面的な理由にすぎない。本当の理由はそこにはない。
実は平家を滅ぼしたのは源氏ではない。本質的な原因はもっと深いところにある。
それは何か?
平清盛自らがつくり出した「貨幣経済」がコントロール不能に陥ることによって滅亡した、というのがこの本の結論。(ネタをばらしてしまった)
もともと平清盛はすぐれた「経営者」であった。その彼が「宋銭」をベースにした貨幣経済をわずか10年でつくりあげた。そのこと自体が日本経済史上最大のミステリー。会計士である山田さんがこの謎に挑戦する。
(ある意味、平清盛は19世紀の欧州において銀行業システムをつくったロスチャイルドに似てなくもない。)
この謎の解明はとてもおもしろいので是非この本をお読みください。
物々交換経済→貨幣経済→金融ビジネス(貨幣が貨幣を生むマネーゲーム)→金融破綻
という流れによって生じた問題(重商主義と重農主義の対立)は、まさに今現在の問題ではないか!
いろんなことを考えさせられる良書。
(おまけ)
この本の184頁に清盛が伊勢国生まれであることが書かれていて、昔読んだ八切止夫氏の平家=ペルシャ人説を思い出した。
平家は桓武天皇の末裔なんかではなく、セルジュク・トルコによって弾圧されたペルシャ人が難民となって日本(伊勢か紀州あたり?)に流れ着いたペルシャ(今のイラン)系の海洋民族の末裔だったという説。
この説はとても興味深いので後日あらためて検討したい。
- 作者: 山田真哉
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/12/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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