放射能のタブー(副島隆彦)その2

前回のつづき。

本の内容もすごいけれど、この本の帯もドギツイ。今年の腰巻き大賞受賞まちがいなし。

「危険説にダマされる人々は愚か者である!」

原発放射能問題でなぜウソがまかり通るのか」

『今の超微量の放射能を極度に恐れ、危険を煽る「放射能コワイコワイ派」たちよ。5年後、10年後に病気が出たら、「副島隆彦は責任をとれ」とお前たちは言うが、それなら逆に、発病しなかったとき、お前たちこそ発狂状態で騒ぎまくった責任をとれと、今のうちから言っておく。』

世の中にはタブーというものがある。真実だけどそれを言っちゃあおしまいよ、というやつ。

現在の日本で一番強烈なタブーは放射能の真実。具体的には、閾値説と放射線ホルミシス説はタブー。この二つについては、NHKをはじめ日本の全てのマスコミは箝口令を敷いている。NHKに児玉龍彦先生は出てきても、山下俊一先生は絶対に出てこなくなってしまった。タブーなのです。情報操作です。放射能恐怖洗脳です。

副島氏は体を張ってこのタブーに果敢に挑戦するほとんど唯一の評論家である。いや、あと二人くらいいるか。リチャード・コシミズ氏と池田信夫氏。

副島氏執筆の章のポイントのみ列記します。

放射能健康被害を過剰に煽っている非専門家たちを激しく批判する
特に以下の4人が筆誅の対象とされる。当然です。この4人は、「放射能恐怖煽動4人組」と呼ばれています。放射能よりも害毒のある恐怖という名の猛毒をばらまいていると思われます。顔をよく覚えておきたい。この4人組が、5年後、10年後にどんな言い訳をするか。

 児玉龍彦 小出裕章 広瀬隆 武田邦彦


これら4人組以外に、いわゆる専門家の中で放射能恐怖の煽動言論を行っている学者は以下のとおり。覚えておこう。

津田敏秀(つだとしひで、岡山大学
近藤誠(こんどうまこと、慶応大学)
村田三郎(むらたさぶろう、医師)
松井英介(まついえいすけ、岐阜環境医学研究所所長)
崎山比早子(ささやまひさこ、元放射線医学総合研究所
矢ヶ崎克馬(やがさきかつま、琉球大学名誉教授)
肥田舜太郎(ひだしゅんたろう、医師)
沢田昭二(さわだしょうじ、名古屋大学名誉教授)
影浦峡(かげうらきょう、東京大学

これに対して、事故直後から誠実な活動と責任ある発言を続けてきたのは以下の学者たちである。副島氏は、これらの学者たちの主張にこそ深く耳を傾け、彼らの指導に日本国民は冷静沈着に従って行動するべきである、と言う。

山下俊一(やましたしゅんいち、長崎大学医学部教授)
神谷研二(かみやけんじ、広島大学医学部教授)
中川恵一(なかがわけいいち、東京大学医学部准教授)
長瀧重信(ながたきしげのぶ、放射線影響研究所元理事長)
佐々木康人(ささきやすひと、日本アイソトープ協会常務理事)

●5シーベルト以上を一瞬のうちに浴びた者だけが死亡する。それ以下は死なない。むしろ長生きする場合が多い。

●なんでもかんでも、24時間×365日=8760倍して危険を煽る愚か者たち
放射能コワイコワイ派の常套手段はこれ。

●なぜ20キロ圏内が封鎖されたのか?
 核廃棄物の最終処分場を作ろうとしている。これが答え。(この計画は密かに進められているのだろうか?)

原水爆禁止運動も仕組まれた運動だった
 第5福竜丸事件が正力松太郎によって仕組まれたプロパガンダだったことについては、この本の足助友子さんの章で触れたい。これは恐ろしい話だ。正力松太郎はCIAの指令で動いた男(元読売新聞社主)。60年以上われわれは騙されていたことになる。

●広島・長崎では被爆者手帳を握りしめながら66年間ずっと原爆病院で生活している80歳台、90歳台の人々がいる
 原爆症で10年、20年後に死んだということはないのではないか、と副島氏はいう。これを言うことは日本では最大のタブー。

「原爆の被害者を冒瀆するのはやめろ!」という声が聞こえる・・・

(つづく)