99歳の詩人・柴田トヨさんの詩のひとつひとつが心にしみる。宇都宮在住の柴田トヨさんはまだお元気なのだろうか。
311以降、別に被災しているわけでもないのに、ときどきくじけそうになる。いったいこれから日本は、そして世界はどうなっていくのかと。だから折にふれてこの詩集を読む。
311を境にこれまでの世界が何かまったく違う世界に変質してしまったように感じる。
夜が明ける前は暗い、ということだろう、と一応思うことにする。
過去と現在の時間の交錯と人間の記憶とせつない回想をやさしく綴るこの詩がなかなかいい。
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「目を閉じて」 柴田トヨ
目を閉じると
お下げの髪の私が
元気に
かけまわっている
私を呼ぶ 母の声
空を流れる 白い雲
何処までも広い
菜の花畑
九十二歳の今
目を閉じて見る
ひとときの世界が
とても 楽しい
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- 作者: 柴田トヨ
- 出版社/メーカー: 飛鳥新社
- 発売日: 2010/03/17
- メディア: 単行本
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