今年の年賀状版画モチーフ


今年の年賀状の版画のモチーフは三申(三猿)に決定。


先日、斎藤美洲根付展で三申(三猿)のモチーフの根付があったのがヒントになりました。


三猿(三申)(さんざる、さんえん)とは、3匹の猿が両手でそれぞれ目、耳、口を隠している意匠である。三猿は世界的にも"Three wise monkeys"として知られ、「見ざる、聞かざる、言わざる」という叡智の3つの秘密を示しているとされる。
英語では"see no evil, hear no evil, speak no evil."という。


Wikipediaによると、三申の起源は日本ではなく、古代エジプト、あるいは、南方熊楠によるとインド起源だという。

日本語の語呂合わせから日本が三猿発祥の地と思われがちだが、3匹の猿というモチーフ自体は古代エジプトアンコールワットにも見られるもので、シルクロードを伝い中国を経由して日本に伝わったという見解がある。「見ざる、聞かざる、言わざる」によく似た表現は古来世界各地にあり、同様の像も古くから存在する。しかしそれぞれの文化によって意味するところは微妙に異なり、またその起源は未だ十分に解明されておらず、今後の研究と調査に委ねるところが大きいのである。
論語』に「非礼勿視、非礼勿聴、非礼勿言、 非礼勿動」(礼にあらざれば視るなかれ、礼にあらざれば聴くなかれ、礼にあらざれば言うなかれ、礼にあらざればおこなうなかれ)という一節がある。一説に、こうした「不見・不聞・不言」の教えが8世紀ごろ、天台宗系の留学僧を経由して日本に伝わったという。三猿のモチーフは、庚申信仰の伝播とともに近世以降広く用いられるようになり、主尊の青面金剛を描く際、その足元に三猿が添えられた例が多い。また庚申塔にも多く三猿が彫り込まれている。天台宗比叡山の鎮護社の日吉大社と密接な関係にあり、日吉大社を本尊とし、猿を神使とする山王信仰が、庚申信仰と習合した結果ともいう。
鎌倉時代の説話集『沙石集』に「言ハザルト見ザルト聞カザル世ニハアリ思ハザルヲバイマダ見ヌカナ」(言わない、見ない、聞かない---は口と目を閉じ、耳をふさげば、できるが「思わない」のは至難の業だ)という歌がある。
南方熊楠によれば青面金剛と猿の関係はインドに起源があり、青面金剛はインドのラーマーヤナ説話の主人公・ラーマの本体たるヴィシュヌ神の転化であり、三猿はラーマに仕えたハヌマーンの変形という。また庚申の「申=さる」である、庚申信仰で人の悪事を監視して天帝に報告する三匹の「三尸虫」を封じるため、悪事を見聞きせず、話さない三匹の猿を出したなどの説もある。江戸中期に出版された『和漢三才図会』の「庚申」の項を見ると三猿の挿絵が添えられており、「庚申=三猿」のイメージが定着していたことを伺わせる。