テレビや新聞報道では、今回の震災の死者行方不明者は2万〜3万人と報道されていますが、下記の日刊ゲンダイの記事には驚きます。本当でしょうか。本当であれば、広島・長崎に匹敵する日本史上最悪の事態ではないか。
(以下転載)
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テレビは「行方不明者は推定16万人」と、なぜ伝えないのか
東日本大震災のテレビ報道が話にならない。とりわけ「発表報道」に傾斜しすぎ、発表のブレに応じて右往左往する姿は目も当てられない。
もっとも有害なのは警察が確認した死者数と警察に届けが行方不明数を足して、「死者・不明1万2000人超」とする発表報道。NHKが典型である。
津波映像を見れば、一家全員や近所に住む親戚が丸ごとのみ込まれたケースがあるのは当然。すると、誰も行方不明者を届け出ない。それは数える必要も、報じる必要もないというのがテレビや大新聞の考え方だ。
その結果、「死者・行方不明は5日目で1万人ちょっと。増えても2万〜3万人か」という印象を人々に与え、社会をミスリードしてしまう。これは「誤報」に近い問題報道だと私は思う。
例えば岩手県陸前高田市の面積は232平方キロで宅地が2.5%。2万3000人が2.4キロ四方に住んでいた。その市街地が津波で壊滅し、避難民が約9000人。だから行方不明者は1万4000人である。
これに自治体首長などが不明者数を語った大槌町1万人も南三陸町8000人、女川町5000人を加えれば、4つの自治体だけで行方不明者3万7000人なのだ。
このような自治体が岩手県、宮城県、福島県と30近く並ぶ。人口は1万〜数万が多い。計算過程を記す紙幅がないが、現段階での行方不明者の推定数は約16万人である。
むろん阪神・淡路の死者6400人とはケタ違い。関東大震災か東京大空襲か広島原爆級の行方不明者が出た大災害に私たちは直面している。
そう認識して初めて何をなすべきか分かる。その大前提すら伝えないテレビや大新聞の報道とは何なのか?
(ジャーナリスト・坂本衛)
(日刊ゲンダイ 2011/03/17 掲載)
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(転載終わり)