稲先生を誹謗中傷している場合じゃないでしょ

案の定、稲先生を誹謗中傷するネット上の書き込みがちらほら出てきています。弊ブログで紹介した手前、最初はちょっと驚きましたが、よく読むといずれもポイントのずれた批判が多い。トイレの落書きのようなものが多い。

たとえば、稲先生の説は東電にとって利益になるから東電の御用学者だとか。それを言うなら、東大は東電から5億円くらいもらっている筈だから、東大の先生はすべて東電の御用学者になる。低レベルの批判だ。

そこで、ネットから手に入る稲先生の論文を3つ読んでみた。いずれもマウスの実験ですが、低線量率の放射線照射によって癌の発生を抑制し、免疫機構を活性化し、寿命を延ばす効果を示す有意データが出ている。

稲先生の問題提起は、人間に対する放射線の影響には「閾(しきい)値」があるのではないか、というものです。人体に悪い影響を与える線量率レベルと、逆に人体に良い影響を与える線量率レベル。これをはっきりと区別して考えなければならない。しかし、日本の規制基準は、すべてのレベルの放射線に悪のレッテルを貼り、原爆やチェルノブイリ級の高線量率放射線の人体への影響をそのまま低線量率の放射線まで「外挿」して決めている。だから、放射線ゼロがベストの状態になる。放射線はすべて悪だ、という非科学的な考えだ。稲先生は、それはおかしい、と具体的な実証データで主張している。

この点を議論しない批判はすべてスカだ。

放射線医学を研究している先生や学者も参加して、大至急議論してほしい。そして、国民に妥当な知見を示してほしい。今、一家心中を考え絶望している福島の農家の方々のためにも。