森下仁丹は1893年(明治26年)創業の100年企業。仁丹といえば思い出す。幼い頃、父親が仁丹を口に入れる様子を見ておねだりしてもらった仁丹の苦かったこと。
森下仁丹が種子をカプセル化して長期保存が可能で機械散布に適したカプセル化人工種子を開発し最近日本で特許された。特許庁のサイト検索からカプセル化種子関係に以下の2件の特許出願があることが分かった。
(2)特開2009−159858号(シームレスカプセル化種子)
今回特許されたのは一つ目の人工種子。天然の種子ではなく、再分化可能な植物細胞組織をカプセル化する技術だ。保存安定性が高く、6ヶ月以上の保存が可能。細胞組織をカカオバターのような硬化油で包み、さらにその外皮を生分解性のゲルや生分解性プラスチックで被覆する。これにより、カプセル内で細胞組織が休眠状態で生存し、常温でも2ヶ月以上の保存が可能。さらにこれを土壌に播くと、水と土壌微生物の作用で外皮と内皮膜が分解されて酸素の透過性が高まり、再分化が進んで発芽に至る、という具合。
種子そのものでなくても、植物の胚を人工種子化することができるところがおもしろい。
福岡正信さんの粘土団子のように、特定の有用植物を人工種子化して砂漠を緑化する技術に応用できないだろうか、と思ってしまう。