人類の地平から(川田順造)

人類の地平から―生きること死ぬこと

人類の地平から―生きること死ぬこと

 この本は一般向けにわかりやすく書いてある。特に興味深いのは、「三角測量による文化比較」である。三角測量とは、西ヨーロッパ文明(フランス)とアジア(日本)とアフリカ(モシ族)の技術文化をそれぞれ3点から測定することによって全体の地形を浮かび上がらせる巧みな方法。
 自己家畜化という尺度から3つの文化を比較測定する。そこで技術の内実が問題となる。なぜなら、技術はその文化のもつ世界観の具象化であり、そんな技術もその文化のなかで」生きている人間の経済観や労働観を通して実現され社会関係によって運営される活動だから。
 最も重要なポイントは、身体技法である。これについてはじっくり検討したい。