山下和也「オートポイエーシスの倫理」

gyou2006-01-16

 先日買った山下和也さんの本を熟読玩味している。前作と同様、本当にすばらしい本である。むずかしいけど、とてもわかりやすく書いてあると思う(オートポイエーシス理論自体がとんでもなく難しく常識からかけ離れている)。
 特に、僕の興味からいえば、技術システムの説明が気になるし、多くのヒントが潜んでいる。現世人類の技術活動は、社会システムの機能システムに位置づけられる。社会システムの構成素であるコミュニケーションは、情報、伝達、理解の三重の選択の綜合から成り立つ。技術の場合は、これが、構想、製作、使用の三重の選択になる筈である、と書いている。僕の思いつきでは、「構想」はアイデアの発想や発明や想像力・仮想(imagination)であり、暗黙知におけるCEの生成(思考拡張感)に関連している。「製作」はまさに物作りの歓び(道元の全機)に関連し、さらに「使用」は暗黙知におけるSP化(身体拡張感)に関連している筈である。暗黙知理論とオートポイエーシス理論は密接に関連している筈であるし、さらにミーム学説とオートポイエーシス理論も関連していると思う。