オバマの広島訪問が決まったらしい。
現職のアメリカ大統領ではあり得ない「オバマの広島訪問」ついては、原爆投下の謝罪の有無が話題になっていますが、まったく別の見方をすれば、「人力でGO」さんの「妄想」記事にあるように、核兵器廃絶のアピール→通常兵器の需要拡大→米軍需産業が儲かる仕組みの確立、なんていう動きを促進させるために、アメリカの退役軍人組織は、オバマに広島へのゴーサインを出したのでしょうか?
アメリカが実行した数十万規模の無辜の市民に対するジェノサイドという戦争犯罪に対して謝罪をしないということも到底許せないことですが、通常兵器の需要増大のための核廃絶アピールなんてことも許してはならないことです。
広島におけるオバマの「核廃絶」のアピール
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新規の核武装を「悪」とする世界秩序の確立
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通常兵器の需要を高める
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アメリカの軍事産業が儲かる仕組みの確立
儲けの少ない核兵器よりも、各国に売り込んで莫大な儲けが見込まれる通常兵器の需要増大を図ろうっていうシナリオなのでしょうか。
やれやれ。
●オバマの広島訪問・・・高い請求書が回ってきそうだ
http://green.ap.teacup.com/pekepon/1795.html#comment■ オバマ大統領が広島を訪問? ■
オバマ大統領が広島を訪問する事が決まった様です。ケリー国務長官が訪問して終わりかと思っていましたが、これはちょっとサプライズです。
オバマは核軍縮を主張してノーベル平和賞を受賞していますが、核軍縮の実績はほとんど残せていません。ですから、アメリカの国内世論的には抵抗の有る広島訪問を強行して、「核軍縮」をアピールするのでしょう。「広島宣言」と後に呼ばれる様な歴史的なスピーチを残すかも知れません。
■ 広島宣言 ■
ここからは妄想・・・
アメリカはかつて、ここヒロシマに地に核兵器を投下し多くの市民の命を奪いました。一方で核爆弾の使用は戦争を早期に終結させ、日本人やアメリカ人の不必要な犠牲を最小に留めた事も事実です。
ヒロシマやナガサキの惨状は、「核兵器を使ってはならない」という教訓としてその後の世界の平和大きく貢献しました。一方で、世界の平和は未だに「核の抑止力」の上にバランスを保っています。しかし、現在、いくつかの国がこのバランスを崩そうとしています。
アメリカと世界の国々は協力して「核を保有しようとする無法者国家」に対抗するでしょう。いかなる国であっても「核のバランス」を崩そうとする者は「悪」なのです。もし核兵器によって世界の平和を乱す国が有るのならば、アメリカと友好国は躊躇なく鉄槌を下すでしょう。
核兵器で世界を威嚇する無法者国家を野放しにする事は、第二のヒロシマやナガサキを生む事になります。私はヒロシマを訪問して「核無き世界」を作る決意を新たにしました。
■ スピーチの後・・・ ■
オバマ ミスター・アベ、私のスピーチはどうだった?
アベ ミスター・オバマ、感動しました。日本人の多くもそう感じた事でしょう。
アベ ・・・・この米軍支援費という項目は?
オバマ ああ、それはこれから掛る費用さ。無法者を叩かなければいけないからな。
アベ 先払いですか・・・
オバマ いや、手付金だ。尤もそいつはヒラリーに渡された請求書だがね。
■ アメリカの「正義」と「平和」は「戦争」と同義だ ■
第二次世界大戦以降、アメリカ程戦争を続けた国は有りません。朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、ソマリア軍事介入、ユーゴ空爆、イラク戦争、アフガニスタン攻撃、リビア空爆、シリア空爆・・・。
アメリカが戦争を始める理由はいつでも「正義」と「平和」です。アメリカが「正義」と「平和」を声高に主張する時は戦争を始める時だとも言えます。
原爆投下指示 トルーマン 民主党
朝鮮戦争 トルーマン 民主党ベトナム戦争 アイゼンハワー 共和党 (少数の軍事顧問団を派遣)
ベトナム戦争 ケネディー 民主党 (軍事顧問団を大規模化)
ベトナム戦争 ジョンソン 民主党 (正規軍を大量派兵)パナマ侵攻 パパ・ブッシュ 共和党
湾岸戦争 パパ・ブッシュ 共和党ソマリア軍事介入 クリントン 民主党
ユーゴ空爆 クリントン 民主党
イラク空爆 クリントン 民主党
イラク戦争 ブッシュJr 共和党
アフガニスタン派兵 ブッシュJr 共和党
湾岸戦争とイラク戦争の印象が強いので「共和党=好戦的」なイメージが有りますが・・・第二次世界大戦以降のアメリカの戦争と政権を並べてみると、意外にも民主党が好戦的な事が分かります。まあ、相手あっての戦争なので民主党政権時に戦争の原因が多かったと解釈する事も出来ますが。
共和党にはネオコンと呼ばれる好戦的な人達が居ますが、実は彼らが以前は「過激なリベラリスト」だった事はあまり知られていません。民主党内にも「好戦的なリベラリスト」が多く存在しています。ヒラリーは多分これに属するでしょう。
一方、共和党の中にはリバタリアンなど「孤立主義」の伝統を守る人達も多くおり、彼らはアメリカが「世界の警察」の役割を担う事に否定的です。トランプは彼らの立場に近い。ただ、「孤立主義」はアメリカの利益を最大化する為の「孤立」という点に注意が必要で、「平和主義」とは程遠く、「他国同士の戦争で一儲け」は孤立主義の理想とする所でもあります。
戦争を含めたアメリカ外交は、政府に属さない民間(ロックフェラー)のシンクタンク「アメリカ外交問題評議会(CFR)」が決定しており、ここには民主党と共和党の重鎮が名を連ねています。オバマは会員では有りませんが、ヒラリーは会員で、年頭にスピーチをしたりしています。
■ オバマの役割 ■
平和主義者と見られているオバマ大統領ですが、それは彼に振られた役どころであって、イラクやアフガニスタン派兵で拡大したアメリカの軍事費を縮小するのが彼の使命だったのでしょう。アメリカは徐々に軍を縮小しており、世界の警察の役割を降りようとしています。
一方でトランプが主張する様に、各国が独自に、或いは連携して地域の安全保障を担う事を
求めており、アメリカの軍事産業の売上はむしろ今後拡大すると思われます。地域の安全保障を考えた場合、敵対する国同士が核武装する事が最も安価で安定した政策となりますが、オバマは「核廃絶」を主張する事で、新たな核武装を「悪」とする世界秩序を補強しています。
結果的に通常兵器の需要は高まり、アメリカの軍事産業が儲かる仕組みが出来上がるのです。オバマの広島訪問の対価は高く付きそうです。