アベノミクスの嘘を暴く、「里山資本主義」の著者 藻谷浩介氏(かっちの言い分)

弊ブログでも何度か触れた「里山資本主義」の藻谷浩介さんが、アベノミクスの嘘と欺瞞性を暴いています。

藻谷さんは、いびつなマネー資本主義に対して警鐘を鳴らし続けている。


以下、「かっちの言い分」ブログの記事より:

アベノミクスの嘘を暴く、「里山資本主義」の著者 藻谷浩介氏

藻谷浩介氏は、「里山資本主義」の著者として有名である。藻谷氏は日本各地の市町村を実地調査し、地域特性を生かした活性化を提言している。地域地域の人口増減の問題点、その地域の産業の在り方を鋭く指摘している。その噂を聞き、近くに講演に来たので実際に聞いてみたが、なるほど噂通りの人物であった。

その藻谷氏がアベノミクスの嘘をコテンパンに論破して、あちこちで講演しているので、安倍首相本人がかなり激怒しているというツイートを見たことがある。その藻谷氏がアベノミクスについて言っている内容が、日刊ゲンダイ紙(WEB版)に掲載されている。読んでみると、アベノミクスの逆効果を見事に突いている。

その中で、安倍氏が円安政策を行い中国との関係の障害となっていることが、日本の経済、景気に重大な悪影響を及ぼしていることを見事に分析している。このブログでも、中国との貿易はかなり低下しているはずで、安倍氏が首相であることが日本の障害となっていると書いたが裏付けられた。

そのことは、正しく藻谷氏が分析している。民主党の鳩山政権のとき、中国との貿易黒字が4兆円であったのが、安倍氏になってから1兆円の赤字ということだ。これだけ正確に指摘され宣伝されては、アベノミクスのめっきも剥がれてしまう。安倍氏が怒る理由もわかるというものだ。本当のことをズバリと指摘されれば怒るしかない。日本の大手マスコミには、藻谷氏ような政権の嘘を暴く記事などは出ない。日刊ゲンダイ紙が一番真っ当な経済分析を提示していること自体、日本は病んでいる証拠だ。


日本総研・藻谷浩介氏 「安倍政権は経済的な“反日”の極み」
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/153666/1

安政策が対中貿易赤字を招いている
――安倍首相は中国に対して、高飛車に出ている。しかし、その一方で、対中貿易が極端に悪化しているのは皮肉なことだ。

 日本は中国(香港を含む)に対して、一昨年までの12年間、貿易黒字を続けてきました。鳩山政権当時は史上最高の4兆円近い黒字を稼いだのです。それが安倍政権下の昨年、1兆円の赤字に転落してしまった。日本は雑貨でも食品でも部品でも安いものを何でも、コストダウンのために中国から買いまくっていて、そういう構造が円安で裏目に出たのです。

「中国と毅然と対決する」という姿勢の安倍政権の円安政策が、こうした結果を招いている。対中貿易赤字を招くような政策を経済的な「反日」政策だとすると、「安倍政権は反日の極み」で、「鳩山政権が最も親日」という皮肉なことになる。

――里山資本主義を提唱する藻谷氏は、GDPばかり計算していないで、お金に換算できない価値を見直すべきだと訴えている。そうした発想の転換によって、日本は幸せな国になれると提言している。
安政策が対中貿易赤字を招いている

 マネー資本主義に走る大企業は、人員を減らすことで給料の総額を減らし、原材料を安くするために中国からの輸入量を増やして、配当を確保する。1部上場の大企業は配当を減らすとソニーのように株主総会で叩かれるので減らしません。その分、貿易赤字が増えて、内需は縮んでしまいます。

 アベノミクス以降、日経平均株価は9割も上がったのに、国内の小売販売額は1%しか伸びていない。13年の小売販売額は139兆円で、12年の138兆円とほとんど変わっていないのです。国民や中小零細企業の大多数は、円安で輸入原材料費が上がって経費がかさむばかりで恩恵の実感はありません。

 株が上がって儲けた人がどんどん使えばいいのですが、彼らは金融商品を買うばかりで、国内でモノを買わない。海外にビルが建つだけです。「飢えている人の横で、食べ物を冷蔵庫にしまい込んで腐らせている金持ち」というような行動です。