(4月9日、記者会見する理化学研究所の小保方晴子氏=大阪市内のホテル)
●小保方氏、主要論文撤回に同意 STAP細胞研究白紙へ
2014.6.4 12:12新型万能細胞とされる「STAP(スタップ)細胞」の論文不正問題で、理化学研究所の小保方(おぼかた)晴子・研究ユニットリーダー(30)が、論文2本のうち主要な1本の撤回に同意したことが4日、分かった。補足的な1本はすでに撤回に同意しており、掲載した英科学誌ネイチャーが両方の取り下げを認めれば、STAP細胞の研究成果は白紙に戻る。
理研によると、小保方氏は3日、主要論文の撤回に同意する旨を記し署名押印した文書を、共著者の1人で理研の検証実験を主導している丹羽(にわ)仁史・プロジェクトリーダー(49)に提出したという。
主要論文は、STAP細胞の作製法や万能性について記述したもので、細胞の存否に関わる研究の根幹部分。理研の調査委員会は、小保方氏による2件の不正があると認定した。これを受け理研は小保方氏ら共著者8人に撤回を勧告したが、ともに責任著者である小保方氏と米ハーバード大のチャールズ・バカンティ教授の2人が反対していた。
撤回には共著者すべての同意か、責任著者全員の同意が必要。小保方氏が同意したことで、最終的にバカンティ氏の同意が焦点になるため、理研や共著者らは同氏と協議を続けている。
一方、補足論文は、すでに共著者11人のうち小保方氏、理研発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹副センター長(52)、若山照彦山梨大教授(47)の責任著者3人が撤回に同意し、ネイチャー誌に取り下げを申請している。