アベノミクスという言葉は早くも死語になってしまった。この言葉を発すること自体恥ずかしいので誰も言わなくなった。
2013年7月〜9月期GDP速報値の「実質経済成長率1.9%」の実体は、なんと、13兆円の補正予算による公共事業の増大効果と消費税増税を見込んでの駆け込み住宅投資。トホホ・・・
いずれも安倍政権自作自演の嵩上げ数字。自律的な景気回復ではないのです。
アベノミクス劇場がはねたあと、これからいよいよアベノリスク劇場の始まりか(泣)。
以下、「植草一秀の『知られざる真実』」より。
●アベノリスクを鮮明に映し出したGDP速報値
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/post-cbe9.html
2013年7−9月期GDP速報値が発表された。最重要注目指標の前期比年率は実質経済成長率は1.9%と発表された。
昨日のブログ記事・メルマガ記事に
「11月14日に発表されるGDP成長率は低い数値になる可能性が高い。年率換算で2%程度、場合によっては2%を下回る可能性もある。」
と記述したが、予想通りの発表数値になった。
年率換算ではない前期比成長率は0.5%で、内需の寄与度が0.9%、外需の寄与度が−0.5%だった。
民間最終消費支出の寄与度はわずかに0.1%、設備投資の寄与度は0.0%だった。
成長率を押し上げた要因は、住宅投資が0.1%、公的固定資本形成が0.4%だった。
成長率を押し下げたのは外需=輸出入で、これだけで成長率を0.5%も押し下げた。
「アベノミクス」による日本経済浮揚の姿が、完全に壊れたことが示された格好になっている。
「アベノミクス」は輸出と設備投資、個人消費による成長を描いているわけで、これが完全に壊れたのが7−9月期の日本経済であった。
11月21日に新刊著書を上梓する。『日本経済撃墜−恐怖の政策逆噴射−』(ビジネス社)
シロアリ官僚に破壊される日本
消費税大増税だけではない
巨大リスクが立ちはだかる
2014個人投資家必携バイブル
驚異の的中率を誇る「投資戦略の極意」大公開
注目の「珠玉の特選銘柄」収録
(帯記載記述より)目次
第一章 政策逆噴射
第二章 アベノミクス劇場の終焉
第三章 「陽の気」と「陰の気」の攻防
第四章 続・最強・常勝の極意
第五章 2014年投資必勝法2014年の日本経済は必ずしも安泰な状況にはない。
個人消費と設備投資はすでに停滞感を強めている。
2013年の日本経済を支えているのは、公共事業と住宅投資なのである。
住宅投資はもちろん、消費税増税を見込んでの駆け込み需要である。
公共事業が増大しているのは、13兆円の補正予算の効果である。
2014年1−3月期は個人消費の駆け込みが爆発するだろう。
一時的に成長率は高まる。
しかし、駆け込み消費の強さは、消費者の消費税に対する警戒感の表れである。
消費税大増税を実施したあとの反動が強く表れることに前兆現象である。
強い警戒感が必要なのである。
このタイミングで、IWJに出演させていただく。IWJを主宰される岩上安身氏によるスペシャルインタビューである。
ライブ放送は、11月15日(金)午後9時からである。
ぜひご高覧賜りたい。
黒田東彦氏が日銀総裁に就任して、インフレ誘導を積極的に唱えているが、GDP統計を見る限り、インフレ誘導も成功していない。2013年7−9月期のGDPデフレーター前年同月比は、−0.3%で、依然としてマイナス基調が続いている。
ゼロ金利下で、金融政策だけでインフレ誘導しようとしても無理なのである。
行き過ぎた金融緩和政策は、いざ、インフレ率が上昇する局面で、今度は制御不能のインフレを引き起こす原因になる。
この意味で、インフレ誘導を目指す量的金融緩和政策の強化は適切な政策対応ではない。
11月8日に発表された米国の10月雇用統計が、事前の市場予想よりも強い数値になったために、米国株価が堅調に推移し、ドルが堅調に推移しているために、日本でも株価が上昇圧力を受けている。短期の金融市場変動では警戒感が緩む局面を迎えているが、この短期変動と、2014年に向けての中期変動とを区別して考えることが必要である。
2014年に向けては、消費税大増税問題が最大の問題になる。
また、今年度激増している公共事業が来年度は一転して激減になる。
この問題をあらかじめ、じっくりと考察しておくことが必要不可欠である。
2013年の日本経済を支えているのは、公共事業と住宅投資なのである。
住宅投資はもちろん、消費税増税を見込んでの駆け込み需要である。
公共事業が増大しているのは、13兆円の補正予算の効果である。
2014年1−3月期は個人消費の駆け込みが爆発するだろう。
一時的に成長率は高まる。
しかし、駆け込み消費の強さは、消費者の消費税に対する警戒感の表れである。